わたしの親はどっち~
夜が明け始める早朝、雑木林の向こうから、
ウグイスやホトトギスが鳴くのを聞く。烏も鳴く。
ウグイスの声はのどかだし、ホトトギスは懐かしさを感じる。
昨日の夕方、学校から帰って退屈している孫に子供の頃、祖母に幾度も語ってもらった「ホトトギス」になった兄弟の話をしてみた。
昔むかしの農村、貧しい2人の兄弟の兄が「お前、美味い芋を食っただろう」「いや、食ってない」
の争いで疑いをかけられた弟が「では、俺の腹を掻っさばいてみてくれ」
兄はその通りに開けてみたら・・・弟の腹からはまだ青い熟してない芋が出てきた。
兄は貧しさと空腹ゆえに弟を疑い、死なせる羽目になった。
兄は後悔し、ホトトギスになり、悲し気な声を発して今でも弟を探し続けているという。
残酷でおどろおどろしい。貧しさゆえの悲しみも感じる。
でも子供ごころに「そのホトトギス、弟に会えたんだろうか・・・」という思いはずっと引きずってきたようで、今でもホトトギスがさえずる季節が来ると、可愛がってくれた祖母の声と一緒に物語を思い出す。
先日、「仁の音」様からこんな投稿がありました。
「仁の音」様のお話はいつも楽しく興味深いです。
ホトトギスのお話は、私の記憶とほぼ同じでした。
ホトトギスの習性
ホトトギスは「ウグイス」の巣に己の卵を産む。
そしてウグイスに卵を温めてもらう。
この話はずっと前に何かで聞いた話。
ホトトギスは必ず卵のあるウグイスの巣を狙って、必ず1個産む。
卵はホトトギスの方が少し大きく外見の色は似ているらしい。
だから、親がいない間にばれないように1個だけ。1個だったらばれないと思っているところは習性とはいえ、したたか。
さらに
ホトトギスの雛が孵ると、孵った雛がウグイスの卵を外に放る。
よろよろの雛がお尻で卵を押し出すのだそうだ。
そして
「ワタシはあなたの子」という顔をしてウグイスから餌をねだり大きくなる。
巣立つ頃はウグイスの成鳥より大きいというから
想像すると笑いがでる。
産みっぱなしで子育てはしない。
巣は作らないのだろうか。
作り方を知らない?
ただのものぐさ?
托卵する野鳥はほかにもいるというから、何か理由はあるんだろうが。
ウグイスはそうしたホトトギスの身勝手に見て見ぬふり?
ではなくて、騙されているのに気がつかないのか。
ホトトギスはお盆の頃になると姿を消すという。
渡り鳥だろうが、昔の人は「冥界に帰る」と言ったのもわかるような気がする。
夏の生き物たちが命をはぐくむ。
水無月に入った今日は大洗濯。
5年前に逝った母の命日でもあった。