もう一度会いたい
暮れの挨拶に行く
義姉の家にいった
義姉はツレの2番目の姉
横浜の下町に住んでいる
十数年前に連れ添った夫を見送り、一人暮らしで90歳に近い
暮れの挨拶をする
部屋を見回すとなんだか家の中が散らかって、しかも埃っぽい
こんな人じゃなかったんだけど・・・
・・・一人暮らしで90歳だもの・・・仕方ないかな~
少し片付けしようかと言ったらうなづいた
いやはや、義姉が寝起きをしていると思われる部屋は色々なものが散乱していた
子どもたちが使っていたと思われる楽器
孫が幼稚園でお絵描きしたもの
山積みの本・本・本
本の中には「クリスマスローズの育て方」なんてのがあり、これはワタシがいただくことにした
割れた壺
火鉢
古いバスタオルなどなど
いろんなものが畳の部屋の奥から出てくる
ワタシは埃っぽいのを我慢しながらいらないと思われるものを
運んで廊下に並べた 汗だく
義姉が時々台所の方から「それはとって置きたい」なんていう
ワタシは「義姉さん、あのね。使わないで埃被っているものを取っててもしようがないでしょ。捨てましょ」
なんと意地悪な言い方のワタシ
時々箒でゴミを掃きながら片付けていったがなかなか終わらない
片付けても片付けても終わりが見えない
あ~疲れたと思って廊下に出た
黒い子猫が廊下を走っているのが見えた
あれ?義姉さん家にネコいたっけ?
義姉
面倒見がよく、働き者
のちに人生の「ツレ」になる人に
初めて義姉の家に連れて行ったもらった日は
町のお祭り日でごちそうをたくさん作って待っていてくれた
若干22歳のワタシは義姉にどんな風に映ったのかわからないが、
それから50年間、親の様に我々の家庭を見守ってくれた
3年前の6月
三陸を旅した
一度は行きたかった楽しい旅だったのだが・・・
3泊4日の旅が終わり 東京駅に降り立ち地下通路を歩いていると
スマホが鳴った
義姉の次男からの電話「母親(義姉)が先ほど亡くなった」と。
その日は義姉の90歳の誕生日
その朝、見守り役の次男が電話をしたら元気に受け答えをしていた
そのあと訪問看護師が自宅を訪ねた→ベッドで息をしていない
一人で眠るように逝ってしまった
なんと潔い
”涙がざぶざぶ出ました
奇しくも義姉90歳の誕生日
そんなこともあるんだと重たい気持ちで胸に刻んだ
義姉には息子が3人いて家庭を持ちそれぞれ暮らしている
3か月後、次男が我が家を訪れた
義姉が住んでいた家を処分するのが決まったという話
え?こんなに早く
義姉達が苦労して建てた家であなたたちが育った家ですよね
いくら実家終いと言ってもねえ 早すぎやしませんか
お母さんが悲しそうにしているの見えませんか
一生懸命生きてきた思いがまだいっぱい詰まってるんだよ~
せめて1周忌が終わってからでもよいのでは
なんと・・・クールすぎる
ワタシの心の声が怒っていました
が、どうにもなりません
売却され、更地になり3軒の建売住宅が建ちました
義姉は明るくて優しい
娘がいなかったので可愛がってくれました
家の中はいつもこざっぱりと片付いていました
去年3回忌でした
下記は義姉とツレの「母」のこと
↓
noteを読んでくださっている皆さま
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願い申し上げます
あかね空
追伸
前半の語り「暮れの挨拶に行く」は
昨夜の悪夢の断片です
心の声がリアルな夢になったと思われます
誤解のなきよう
笑ってくだされ
*ヘッダー画像は従姉が作ったステンドグラス作品