ガブリエル・シャネルにもらった勇気
先日、三菱一号館美術館で開催されていたガブリエル・シャネル展に足を運びました。この展覧会は2020年にパリで開催されたものを日本向けに再構成した国際巡回展で、ガブリエル・シャネルの仕事に焦点を当てる回顧展が日本で開催されたのは32年ぶりのことだったそうです。
「20世紀で最も影響力の大きい女性デザイナー」といわれているガブリエル・シャネル(1883~1971)。シャネルのシンプルかつ洗練された服はそれまでの常識を超え、着る人に実用性と快適さを与えながら、活動的な新しい女性像の流行を先導し、その創作はモードを一新させるほど世界中に大きな影響を与えました。
展覧会では黒一色のシックな会場に、リトル・ブラック・ドレスやスーツなどシャネルのファッションに対する哲学を体現したどれも特徴的な服の数々、No.5の香水、バッグや靴などの服飾品、コスチュームジュエリーといった展示を見ることができました。
展示を見て行く中で驚いたのは、現在もシャネルといえばの名品であるツイードのスーツやキルティングのバッグやバイカラーのシューズを、ガブリエル・シャネルが生み出したのは彼女が70歳を超えてからということ。彼女には若い頃からの実績があったのはもちろん言わずもがなですが、人間はいくつになってからでも新しいことができることを改めて知り、本当に大きな勇気をもらい、この展覧会に来て良かったと心の底から思いました。そのことを忘れないために記念にポストカードを購入。
シャネルの洋服や服飾品に憧れはあるものの、現実的に手に入れるのは難しい。けれども、黒を基調としたファッションや、「体の中にある色」としてシャネルが気に入って使ったと言われる赤を効かせることや、パールのアクセサリー使いなど、シャネルのエッセンスを楽しむことは可能なので、彼女の人生に勇気をもらったことを思い出しながら、これからも自分なりにファッションを楽しんでいこうと考えています。