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弄便
皆さんはこの様な言葉を聞いたことや、記録で目にしたことはありませんか?
介護の現場や医療の現場では耳にしたことがあるかもしれません。
そもそもの使用場面では
老人が、自分の便を触ることを意味しています。
オムツの中に手を入れる
便をあちこちにつけている
不潔行為…という言い方をする方もおられます。
この表現は
背景にスティグマが潜んでいます。
弄便
便を弄ぶと書いて、ロウベンと読みますが、
そもそも認知症の方が、好きで便をいじるのでしょうか?
なんで便を触るのか…に目を向けて考えてみます。
1.トイレの場所がわからない(記憶障害)
行き方がわからない(実行機能障害)
誰に聞いたらいいのかわからない
結果→ここででちゃった…
2.トイレの仕方がわからない(失行)
便座を前にしても排泄行為がとれない
着衣の脱ぎ方がわからない
3.排泄行為を言語的に訴えられない
4.排泄の処理が、自分で行えない
不快感があってもどうしていいかわからず、触る
自己処理しようとするが、結果的にできない
など、少し考えただけでも、これだけ上がります。
この本質が見えないとき、
認知症🟰弄便 便コネ の思考になるわけです。
認知症によって起きてくる主症状を
中核症状と言いますが、
この中核症状は失語、失行、失認、
実行機能障害、記憶障害になります。
認知症🟰便を触る
認知症🟰叫ぶ、叩く
認知症🟰何にもわからない人
ではないということです。
弄便や、暴力行為、うつや、不眠
ウロウロするのが認知症…と思われている人も多いと思いますが
これらは認知症の主症状ではありません。
中核症状に、様々な要因が重なり、起きてくるまた別の症状(行動心理症状/BPSD)なのです。
このBPSDは、認知症🟰必ず起こすものでは
ありません。
つまり、「認知症の人は、便をこねる」は、
認知症の悪いイメージということになります。
さらに、このBPSDには個人差があり、その人の
生活や生きてきた人生経験や性格などによって、
出現する症状は、違う…と言われています。
そのため、その人を知ることや、要因がどこにあるのかも違うために、具体策はさまざまです。
認知症の人という理由だけで、おんなじ弄便という一括りには出来ないのです。
「認知症🟰」の悪いイメージは
認知症の人の行動の裏に隠された本当の理由を、隠してしまう
バイアスとなるのです。
このバイアスににより
認知症の人は、理由ある行動も
「認知症だから」という一括りにした考え方で
適切なケアを受けられず、苦しむことになります。
私たちは、認知症の人が行動で訴えているその理由に目を向けるべきなのです。
認知症ケアの素晴らしさは、
その人を知れば知るほど、うまく行くということ。
このあり方を、今後も皆様にお話しできればと
思います。