屋上と9%
まだ少し肌寒かった土曜日の午後、
いつものカクヤスで買うものは決まっている。
安い発泡酒と99.99を2本。
阿佐ヶ谷のフレンズと遊ぶ時、まず向かうのは居酒屋でも中古カメラ屋でもなくコンビニかカクヤスだった。
とりあえず一本吸っとく?
と言いつつ路地裏に入り9mmのタールを体内に取り込む。そこから高円寺の街を徘徊し屋上を探す。と言うのがいつものプラン。
なぜこうなってしまったのか自分でもわからないが、原因は高円寺という街にあると思う。
大人になりきれない大人や夢を見て燻る若者、上京したてのイキリ学生。誰に対しても寛容な高円寺は古い街だ。だが、古いだけで老いているわけではない。
例えば、スクールカースト最上位グループにいるクールキャラのように、やんちゃではあるが何事も俯瞰的に見ているというか。他校の後輩女子には熱烈にモテるというか。
自分が落ちるところまで落ちたことをクールガイで傍観主義者の高円寺のせいにしている。
酒と屋上はよく似合う。
さながら梅に鶯のように。とは言ってもそんな綺麗なものと一緒にするのは申し訳なくなる。
そもそも酒と屋上が似合うという事実は昔から存在していて、理由も簡単だ。この街に住ん出るやつらはみんな金がない。ほかに例をあげるのであれば開放的になりたいとか。そのくらい単純でつまらくくだらない理由なんだと思う。
こんな街に憧れて上京しようと考える人がいるくらいだ。あれや、事実が捏造されている。
事実として表面上だけかき集めたら憧れる要素は多いのだろう。現実とはそういうものだ。こうやって表面だけ見て集まって、いつの間にか毒され沼にはまっていくのだろう。男も女も街も同じだ。
知識がない奴は損をする。
このよく聞く言葉が
人間の心理ではないだろうか。
ふるさと納税だって、
クラウドファンディング 、
仮想通貨やアフィリエイト。
それ以外にも人間関係やお金の話、技術の話など例を挙げだしたらきりがない。
それに自分も高円寺に憧れて住んだ1人だ。
実際見てみたらどうよ。朝から酒は飲んでるわ、上裸で駅の前でねているわ。ビールの空き瓶が転がっているわで、治安が良いなんて言葉は見当たらない。
とはいえ、ここまで落ちているとこの街はなんでも受け入れてくれるのではないかと思ってしまったり、しまわなかったり。
そんなどうでも良いことを全て
ぶっ飛ばして飲む酒はうまい。
追加で屋上とタバコがあれば
個人的に至高の嗜好になりうると思う。
写真は酒ついでだよ。
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