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トルコ旅9<彷徨える町イスタンブール>

私たちはイスタンブールの町を彷徨い続けていた。

「彷徨う」という言葉がこれほどしっくりくる町が他にあるだろうか。

そんな彷徨える町イスタンブールは坂道が多い。

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結構急な坂も多いので、イスタンブールを彷徨う場合は体力に自信がないと結構きついと感じるかもしれない。私が暮らすチェコの町も坂道が多いので、私は日本にいた頃よりはかなり歩くようになっていたが、それでもやはりイスタンブールは坂道ばかりなので時には息を切らしながら歩いていた。

お腹もすいた私たちはランチをすることに。トルコと言えばアレですよね、アレ。

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そう、「ケバブ」です。ケバブとは肉とか魚、野菜をローストする料理の総称なんだそうですが、私たちはケバブが大好きでチェコにいる時でも日頃からよくケバブを食べている。特にコロナ禍になってからは近所のケバブ屋に通い持ち帰りをしていることもあり、本場トルコではケバブをたくさん食べようと決めていた。

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ケバブのサンドイッチタイプが7.5TL(88円)という激安の店を見つけた。安さもあるが一番の決め手となったのは、そこにいた客がトルコ人しかいなかった、という理由である。私もそうだけどホンザもローカルな店を探すのが好きで、若干汚い店であっても地元の人が入っているような店が好きなのだ。日本で言うところの「小汚いけど地元の人に愛される美味しいラーメン屋や定食屋」を見つけた感じと少し似ている気がする。

この店は激安だったが、とても美味しくて大満足だった。ただ量が少なめに感じたせいか、ホンザはもう1つ同じものを食べようか迷っていた。そのくらい美味しかった。ちなみにフライドポテトが挟まっていたのが少し驚いた点だ。それにしてもトルコはパンがおいしいとこの時も感じた。ペプシコーラを頼みペプシの値段は忘れてしまったが、ケバブと同じような値段だったと記憶している。

その後もまたバザールのような場所に迷い込んだ。洋服や寝具などが多く並び、観光客というよりも地元の人向けのようなエリアだった。その人の多さに私たちは翻弄されていた。コロナなど存在しないような世界に見えた。あまりに人が多くて疲れてしまったので休憩がしたかった。

坂道の途中にあるチャイ屋を見つけ、そこででチャイを飲むことにした。3TL(37円)ほどだった。濃い目の紅茶に砂糖をたっぷり入れて飲む。専用グラスに入った熱々のチャイはソーサーがついている。チャイは低いテーブルの上に乗せられ、これまた低い椅子に座って飲む。これが何とも言えずたまらなく美味しい。ホッと一息つける、そんな時間だった。

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その後もひたすらイスタンブールを彷徨い続けた。歩いているとお腹が空く。早い時間ではあったが夕飯は何を食べようか?と悩んだが結局またケバブを食べた。色んな店で色々と味わってみたかったのだ。ただ、この時食べたケバブは味や食感ともに好みとは言えなかった。ランチに食べたケバブの倍以上する値段ではあったが。あくまでも自分の好みの問題なのだろう、店はそれなりに賑わっていた。

私たちはいくつかのバザールを回っていたように思うけど「あの有名なグランドバザールに行っていないのではないか?」ということに気付いた。そこでグランドバザールを目指すことにした。

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たどり着いたそこは先ほどまで見てきたバザールとはまた違った印象だった。エジプシャン・バザールはスパイスやお茶、ナッツ、スイーツなどの食品系が多い印象だったし、もう1つのバザールは洋品系が多かった。そしてこのグランドバザールは洋品もあればお土産になるような観光客向けの品が多い印象だ。

邪視から災いをはねのけて身を守ると言われる青い目玉のようなナザール・ボンジュウや、トルコと言えば!の絨毯、美しいデザインのグラス、装飾品、シーシャ、トルコの美しいランプ・・・が至るところに並んでいた。他には少し高級そうな品を扱う店もあったり、両替屋も何店舗かあった。グランドバザールはとにかく広かった。迷路のようだったので、一度行った店にもう一度行けるか?と聞かれてもすんなりとは行けない自信がある。そんなグランドバザールで、私はランプに魅了されてしまった。

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ランプの店の前では必ず立ち止まってはその美しさに魅入っていた。ランプ・・・欲しい・・・

グランドバザール内にもチャイ屋があり、またチャイを飲むことにした。小さな店であったが雰囲気もよかった。私もホンザもこの時にはすっかりチャイにハマっていたのだが、ホンザはちゃっかり店主にチャイの作り方を聞いていた。

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店主は特にめんどくさがることもなく、丁寧に作り方を教えてくれた。チャイはデリバリーなども行っていて、お盆のようなトレイにいくつもチャイグラスを乗せて運んでいる。チャイを何杯も飲むトルコらしい光景なのかもしれない。

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イスタンブール初日は疲れていたにも関わらずよく動き回った。
本来なら宿のチェックインは13時だったか14時だったかと思うが、宿のオーナーが「今宿泊している人がチェックアウトしたらすぐ掃除するから11時くらいには掃除も終わるし、早めにチェックインしていいよ」と言ってくれていたこともあり、私たちは散策の途中で一度宿に戻りチェックインを済ませていた。その際にシャワーも浴びていた。2日ぶりに浴びたシャワーはとても気持ちよかった。そして再びイスタンブールの町に繰り出していたのだけど、我ながら本当によく歩いた。そしてとても充実していた一日であった。

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