India3
インドでバイクの旅はラジャスターン州のジャイプルからスタート。
行き先はムンバイ。従兄弟と約束した日にムンバイで会うとだけ決まっていてあとは未定。
朝出発して夕日が沈むまでに宿を決める。
公共機関を使わない旅で日本人に会うことはほぼない。
バイクを止めればどこからかインド人が出て来て物珍しいのかフレンドリーなのか話かけてくる。
この旅路の中でいろんな場所でいろんな人に出会った。
「プシュカル」という聖地で出会った女の子は今でもいつも思い出す。
プシュカルの町でブレスレットを手首にたくさんつけて売っていた、プジャという11歳の女の子。
彼が「夕日が綺麗に見える場所に連れて行ってくれたらそれを買うよ」
と伝えると、砂漠の真ん中にあったコンクリート塀で囲まれた場所へ連れて行ってくれた。そこで見る大きなオレンジ色の夕日はずっと見てると吸い込まれそうなくらい目をそらせないほど綺麗。
その後ブレスレットを買って、プジャに家に誘われる。
屋根もなくコンクリートに囲まれた場所でヘナタトゥーを手にしてくれる。
とっても器用で繊細で丁寧に仕上げてくれた。
服には穴が空いていたけど、可愛くて、くっきりした顔立ちの大きな目の奥は生命力がみなぎってた。英語も観光客を相手にしながら覚えたと話す。
プジャには父母弟がいて、父は砂漠のラクダ使いで観光客向けに仕事をしていた。ラクダは自分のではなく、持ち主から借りて仕事をして収支を差し引いて一日の売り上げがきまる。カーストは廃止されたといわれているけど、家族はホテルにもレストランにも入れない、プジャと弟は学校も行けないでいた。
夕飯を食べていくように勧められて、お礼にお米を買いに商店に行きその間にプジャのお母さんが外で小さな鍋を使って器用にカレーとチャパティを作ってくれていた。
ライトのない家で私たちが持っていたライトを一つ渡すとお父さん物珍しく思ったのか、ずっとライトで辺りを照らしていた。
夕飯は外で家族で円になって食べる。周りには野良犬が集まっているが、残り物がもらえるまではなにもしてこない。辛いカレーを食べて、プジャと弟はすぐに外に出してあるトランポリンのようなベットで毛布にくるまってそのまま眠る。
砂漠地帯は日中は日が差して暑いけど、宿に帰るころにはウインドブレーカーがないと肌寒かった。
プジャみたいな子が日本に来たらどうなるんだろう、想像出来ないくらい素敵な未来があるんじゃないかと感じた。私は日本で恵まれた環境で育ってきて、その中でないものばかっりに意識を向けて、人生どうでも良いと思って生きていたけど、この日にプジャに出会ってから「今までの人生何してたんだろう」と目が覚めた感覚になった。
プジャとの出会いは絶対忘れられない。