ひみつ売ってきた
新宿眼科画廊にて。
前通るたびに、
「あやしいなあ」「詐欺かなあ」と、つくづく思っていた場所。
だって歌舞伎町の裏みたいなところにある。
超こわい。
今日もふらっと通ると…
ひみつ屋さんになってた。
「お金取られないといいなあ…」
「怪しい勧誘始まったら、逃げて飛び出よう」
と覚悟決めて、中に入った。
こんな感じで、人びとのひみつが売ってある。
セメントにして、中に紙が埋まってる。
いや、超こわい。値段も意味不明だし。(500円くらいから何億?円まで…)
新興宗教とかじゃないと良いなあとか、思いながら考えながら眺めた。
(それにしても、私、新興宗教について怖くて学べないために知らなすぎる。)
見ていると、「ひみつ、つくりませんか?」と声をかけられた。
工事用の白いヘルメットをかぶった、小柄な女性。
(この人、一体何者なんだろう…)
と思いながらも、ゆっくり画廊を見て、自分の目でできる限りこの状況を理解しようとした。
途中でその助成が作品を丁寧に解説してくたさって、そこから、
(変な人じゃなさそう、クセの強いアーティストだけど。)
という気持ちが芽生えたので、よしっ!せっかく勇気出して入ったし、作るか!と心に決め、「お金ってかかりますか?」と何度も聞き、ひみつを作った。
最初、ねこにしようと思ったの。
ねこ耳を2本立てると、もうそれは、ツノにしか見えなくて。
そこから、
周りのセメントたちをどう操ろうか、
適当につまんだり、指で穴さしたりしたら、
こんな感じになりました。
どこかの惑星のタコみたい。古代の何かの暗号みたい。
すごいアートにできたと思う我ながら。個人的にはいい形だと思う。
値段も自分で決めるようで。
これも、テキトー。
3592っていう数字が、フッと思い浮かんだから、そのまま書いた。
なんか、それっぽい。
「これは、売れると思いますよ〜」って言ってくださった。やったね。
多分、三千円分の秘密は隠しこんであります。楽しかった。
ひみつ屋さんをしているのは、木村りべか(Twitter: @pyooi)さん。
入った時はかなり疑っていたけど、最終的に仲良くなれて、話も弾んで良かった。
人の秘密の価値って確実にあって、実際、「〇〇の裏話」とか「熱愛報道」とか、週刊文春とか皆大好きだよね。キャバ嬢の財布の中身見たり、財閥の隠し子と話すyoutuberラファエルが視聴率取れるのも、「秘密」だからだし、アベマTVが受けるのも秘密ゆえのことだと思う。芸能人なら特に、芸能人じゃなくても、人の秘密って、みんな大好きで価値あるものだから、その秘密を値段をつけたり、セメントで形を作ったりして可視化するって、深い意味はないけど、面白いと思う。
芸能人のスキャンダルも、知ったところでどうってことないよね。すぐ忘れるし。アイドルの恋愛とか皆好きで、叩いたり話題になるけど、それで世界は何も変わらないし、好景気になるわけでもないし、皆の幸福度が上がるわけないのに、なんか皆好きだよね。そこには、なんかわからんけど、少なからず人を惹きつけるものがあるんだなあ。
不気味だけど、最高だった。
アートって正解ないね。正解ないって、当たり前だけど、すごくいいことだよね。
わたしも好きなことをしよう。
変な絵も、変な写真も、不気味な個展も、
ぜんぶ良いと思う。一回きりの人生だから。
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