【発達支援】ごっこ遊びは、子どもの将来への投資だ
この記事はごっこ(見立て)遊びについて、成り立ちや効果について、論文を元にして書いています。子どもの遊びが、感染が流行している今、子どもの発達に影響はないのか、心配な保護者さんは参考にしてみてはいかがでしょうか。
仕事、家事が忙しくて、子どもと遊んでいる時間がない。
ごっこ(見立て)遊びって、いまいちのりきれない。
子育てにスマホやタブレットのアプリが便利よね。
多忙でストレスフルな現代社会、子育てに集中することは恐らく難しいかと思います。しかし、これまでの記事で紹介した通り、未就学児童の身辺動作の自立において、『ごっこ(見立て)遊び』はとても重要なものです。
その効果について論文を解説します。
ごっこ遊びのはじまり~終わりまで
ごっこ遊びのはじまり
1歳前後で、大人に対してより注意が向きやすくなり、自分から大人の真似をするようになります。
1歳半ごろになると、簡単な道具の操作が出来るようになり、『ふり遊び』が可能になります。コップにジュースを注ぐような動作が始まりますが、大人とのやりとりは、この時点ではありません。
2歳ごろになると、前操作期に入り、象徴機能が育つと『見立て遊び』が始まります。積み木を車に見立てたり、おにぎりに見立てたりして、大人とのやりとりの中で遊ぶことになります。ごっこ遊びのピーク
3歳以降になると、大人の生活や人間関係を見て、自分も同じようにやりたいという気持ちが芽生え、『役割遊び』に発展してきます。
これまで身につけた、『ふり遊び』や『見立て遊び』を駆使して、更に人間関係の役割をつけていきます。オモチャのコップやどろを使って、お父さんや子どもが出てくる、お母さんごっこと言われる遊びをするようになります。ごっこ遊びの終わり
ごっこ遊びを通して、子どもたちは、想像する力を身に付けていきます。その想像する力は、成長に伴い現実的になっていき、『新たに何かを作る力(創造的想像)』と『ロマンチックなイメージを作る力(夢想的想像)』に発展していきます。
ごっこ遊びの効果
ルールを学んでいる
ごっこ遊びのテーマは、具体的で、日常生活を表しています。お母さんが料理を作るところ、お父さんが仕事で電話をしているところなど、そのほとんどが大人との関係がテーマになっています。その遊びの中で、大人が言ったり、行っている社会的なルールについて、マネをすることで、自然とルールについて身に付けていきます。物語の理解を学んでいる
ごっこ遊びには、元となるストーリーが存在し、そのストーリーがはっきりしていなければ、ごっこ遊びをすることが出来ません。元となる物語を細かく覚えて、再現する力を身についけていきます。言葉の使い分けを学んでいる
日常生活では、その地域の『方言』を使用していますが、ごっこ遊びの中では、専用の『共通語』を使って遊んでいます。このようにしながら、遊びを成長させ、『日常生活に使う言葉』と『書き言葉』を分けることを身に付けていきます。メタ認知を学んでいる
子どもたちは、ごっこ遊びで遊んでいますが、それは遊びであるということを互いに理解しています。そのため、砂で作ったケーキを本当に食べてしまうと、ルール違反と指摘されてしまいます。互いにごっこ遊びとして理解しながら遊ぶことで、メタ認知を身に付けていきます。時間の感覚を学んでいる
日常生活の出来事を、ごっこ遊びのテーマとすることは先に書きましたが、出来事をそのまま遊びにするわけではありません。時間として限りがあるため、出来事の演じたいところだけを考え、その役割を演じていきます。そのようにしながら、時間の感覚を身に付けていきます。
まとめ
『ごっこ(見立て)遊び』の流れと、その大切さをご理解いただけましたでしょうか?
子どもは「ごっこ(見立て)遊び」を通して、『ルール』や『ことば』、『認知』を学んでいるんですね。これまで記事にしてきた、身辺動作の自立に大いに関わることが分かります。
たかが「ごっこ(見立て)遊び」だと、軽く見ることはできませんね。
仕事、家事と忙しいと思いますが、少しだけ時間をとって、子どもの将来に『投資』してみてはいかがでしょうか?