特性のあるお子さんの感覚の感じ方、これで確認してみて!
「とても育てにくいなぁー」と感じるお子さんの中には、こんな行動をするお子さんがいらっしゃいます。いかがですか?全てではないけど、当てはまることがありませんか?
なんでこんなに歯磨きを嫌がるのかしら?
ちょっと触られただけで、とっても嫌な顔をするの?
掃除機の音で泣いたり、逃げ回ったり・・・えっ?
名前を呼んでも気づかないような様子
クルクル回る遊びが好きすぎて、一度始めるとやめられない。
このような行動をとるお子さんの中には、環境から受け取る刺激に偏りがあるお子さんがいます。その感じ取り方を下の4つに分けて解説します。
感覚の感じ方と行動
感覚の感じ方と、感じ方に対する行動には、下の図のような4つの部屋に分かれます。
縦軸は『敏感』『鈍感』を表しており、上にいくほど、ある感覚に対して『敏感(すぐ気づく)』であることを表しており、下に行くほど『鈍感(気づきにくい)』であることを表しています。
横軸は『受動的』『能動的』を表しており、左に行くほど、外的な刺激に対して受け身的であり、右に行くほど、刺激を自分から求めに行くことを表しています。
感覚過敏
ここの部屋は、外側からの刺激に対して、受け身的であり、感覚が敏感な状態を表しています。誰かから何かをされた時に過剰に反応してしまいます。
花火大会で花火の音がなったのを聞くと怖い。
お友達から肩をトントンと叩かれるのを痛く感じる。
食事を食べるときに、辛みを痛く感じる。
以上のようなことがありますね。感覚に偏りあるお子さんは、このような受け身的な感覚に対して過剰に感じてしまうことがあります。
感覚回避
ここの部屋は、感覚が敏感な状態に対して、感覚に偏りのあるお子さん自身が、能動的にどのような行動をとるかという状況を表しています。何かをされた後に、どのような行動をとるかということを考えてみましょう。
大きい音が鳴る部屋には、入りたがらない。
集団で行動しているときには参加しない。
色々混ざった食事には手をつけない。
一般的にいわれる問題行動と言われるのが、ここの部屋に入りそうですね。何で学校に行かないの?なんでそんなに好き嫌いが多いの?と言われるその背景には、もしかすると感覚の問題が潜んでいそうですよね。
低登録
ここの部屋は、外側からの受け身的な刺激に対して、気づきにくいということを表しています。感覚に偏りのあるお子さんが、何かをされたときに、気づきにくいということになります。
名前を呼んでも聞こえていないような反応である。
グルグル回る遊びをしても、目を回すことがない。
お友達に肩をトントンされても、気づかない。
一見すると『あれ?無視されたのかしら?』などコミュニケーションの問題につながりそうな状態ですよね。
感覚探求
ここの部屋は、感覚が鈍感であるため、感覚に偏りのあるお子さん自身が、感覚を自分から求めて色々な行動をしてしまうことを表しています。ある感覚が感じにくくて、行動が止まらない状態になっています。
触る感覚が乏しくて、べたべたお友達を触ってしまう。
言葉がよく分からなくて、何度も物の名前を尋ねてしまう。
体への感覚が乏しくて、動き回ってしまう。
ここでも、問題行動と捉えられかねないことが起きそうですね。一度感覚探求行動が始まると、お子さん自身でも、なかなか止めることが出来ないため、周囲の大人は困ることがよくわかります。
まとめ
感覚に偏りのあるお子さんの問題行動は、周囲の大人からみると、『理解のできない、困り果てる行動』に見えるでしょう。
実はそのような、大人から見た子どもの問題行動の背景には、『感覚の問題』が潜んでいる場合があるのです。
特に能動性が高ければ高いほど、大人は子どもの行動をおさえることができないため、問題行動と判断されてしまいます。
一見、理解することが難しい行動が子どもに起きた時には、『もしかしたら、何かの感覚が私(大人)とは違っているのかも?』と考えることが大切です。
もちろん、感覚の受け取り方には、注意や記憶、覚醒、認知など、更に色々な機能が関わってきて影響を受けます。
すぐにできる対処法としては、背景にある感覚の偏りを推測し、その気持ちを思い浮かべ、寄り添うような声掛けが必要です。つらい経験を分かってもらえた!という経験が信頼関係を強くして、後々のコミュニケーションにつながってきます。
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