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もう一度考え直す『見通しを持つ』とは?
『よし!週末、東京ディズニーランドに行こう!』
私は熊本にいて、上のような誘いがあっても、『よっしゃー!行くぞー』とはならない。むしろ聞きたいことが山ほど出てくる。
・週末?明日はもう週末じゃない?
・飛行機で行くの?新幹線で行くの?絶対ないとは思うけど車はないよね?
・チケットは・・・まだだよね?
・何泊で行くの?
・ホテルはどこに取ろう?
・キャリーケースは・・・
まぁ、ざっと書いてもこのくらいは出てくる。
確かに行きたい!行きたいんだが、もう少し準備というものがあっても。となるわけですね。
さて、発達支援をしていても似たような状況があるわけですよ。
発達に特性のあるお子さんは、先を見通す力が弱く、不安になりやすいから、支援で関わるときには、見通しを持った支援をしましょう!なんて今となっては、いろんなテキストに書いてあります。
『そうかぁー見通しを持たせるといいんだなぁー』
この『見通しを持った支援』ですが、今まで言葉の上っ面だけをみて、だいぶ軽く見てきたような気がします。
分かった気になっているのは良くない!と、ここで改めて『見通し』について再確認してみようと決心した具合です。
![](https://assets.st-note.com/img/1674297326614-sVU4QYkFlv.jpg)
見通しの定義
『見通し』とは
1.初めから終わりまで見つづけること。
2.さえぎるものがなく遠くまで見えること。また、その場所。
3.人の心や目に見えない内面の物事を見抜くこと。洞察。
4.物事のなりゆきや、将来のことを予測すること。
という感じで、辞書には載っていました。簡単にいうと時間や場所、物事が、現時点だけでなく、先々まではっきりとしている様子のことを表しているようですね。
『なるほど!じゃー支援の時間の内容を、お子さんに細かく伝えると良いんですね!』
とは、ならないわけですよ。
この見通しを持つのはあくまでも、支援者ではなく、お子さんに感じてもらうことが重要なわけで、どのように感じてもらうかがポイントなんですね。
見て分かる力
これから何をしていくのか、言葉で伝えることも必要ですが、言葉は何せ不便なんです。聞いたその瞬間から、頭の中から情報がどんどん消えてくわけですから・・・。
言葉(音声)で、『今からトイレに行って、手を洗ってから、ご飯にしましょう』と伝えるよりも、写真や絵で表現した方が、一目でわかりやすいでしょう。
そんなこんなで、やはり目で見て分かりやすい情報にするんですが、お子さんは写真を見て、それが何であるか理解できますか?また、同じようにイラストを見て、それが何であるか分かりますか?
意外とこのあたりは見逃されがちですが、見通しを持つ支援の中で、お子さんがどの程度、絵を見て理解できているかは重要なことになります。
見て分かりやすい順序としては、実物>オモチャ>写真>イラスト>線画となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1674297471581-3ZgeodFE2t.jpg?width=1200)
見ているからと言って・・・
見てわかりやすいように、絵や写真を使って、それを並べて、行動の一部始終を子どもたちに見せたから、すべてOK!にはならないんですね。
私たちもそうですが、見ていても忘れたり、目の前に注意が向いているものがあれば、ついうっかりなんてこともあるんです。
課題の進み具合に合わせて、必要に応じて声掛けしたり、課題の振り返りをしなければいけないんですね。
上手に切り替えることも必要
さて、ここまで見通しを持って支援を・・・と書いてきましたが、見通しを持つということは、事前にそこには予定があるわけですよね。
予定されていたものが、全て順調に進めばよいですが、中には予定を変更せざるを得ないこともありますよね。
この予定の変更が、特性をお持ちのお子さんにとって苦手ものの1つ。
『今日はこれをして、これが終わったら、あっちに行って、あれが済んだら遊べるんだ。そしたらおやつを食べて帰るだけ。』なんて予定が頭の中で出来上がっているわけですから、崩されようもんなら不安の極み。
まさかと思いますが、『予定変更に慣れましょう』なんていう支援者はいらっしゃらないとは思いますが・・・。
見通しを持った支援の中に、『予定の変更』についても、分かる範囲内で入れておきましょう。また急な予定の変更があっても、本人が分かる(目で見て分かる)形で、変更になることを伝えましょう。
まとめ
ここまで『見通しを持つ』ことについて記事にしてきました。特性を持ったお子さんに見通しを持ってもらうためには、言葉だけでなく、注意力や記憶や見て分かる力、変更に対応できる力など、様々な力が関わっています。
支援に関わる際には、このあたりをもう一度注意して振り返ってみてはいかがでしょうか。よしなに。
文章を読んでいる方の中で気付かれている方もいらっしゃるでしょう。この見通す力は、いわゆる『実行機能』ともつながってくる考えになります。実行機能についてはまた改めてどこかで。