未完成なインプットとアウトプット
私たちの身の周りは、いかに記憶に留めておかせるか、その仕掛けが沢山ほどこされています。
・バライティでよく見かける、ランキングの上位はCMの後で!的な番組構成
・ドラマやアニメでよく見かける、気になる部分は来週の放送で!的なドラマ構成
・「あのアイドルが熱愛? 意外すぎる相手とは…」という芸能ニュース
このような事は日常的によく見かけますよね。テレビやメディアニュースなど、ついつい繰り返し気になって見てしまう方も多いんじゃないでしょうか?
ツァイガルニク効果
心理学者のレヴィンさんやゼイガルニクさんが言った心理学的な効果なんですね。
完成された内容ではなく、未完成な内容に意識が引っ張られて、私たちは無意識にこの心理学的な効果に操られているんですね。
同じように発達に特性のある方々も、この効果には強く惹きつけられます。
未完成なインプット
・目の前で読んでいる人の本の題名が気になってしまう。
・すれ違う人の会話が断片的に聞こえてくる。
・ロゴが半分しか見えないTシャツが目に入る。
未完成なアウトプット
・よくカラオケで歌っている、大好きな曲の歌詞が途中で出てこなくない。
・ドラマの俳優さん、女優さんの名前が出てこない。
・書き慣れた漢字が出てこない。
まとめ
これまでの記事にも書いてきたように、発達に特性のある方は、情報が脳内にシミとして残りやすいという特徴があります。そして、シミになった情報は、パソコンのポップアップのように、見ている画面上に勝手に現れては、今行っている事を妨げてきます。
スマホやパソコン、テレビが発展した今、この未完成なインプットやアウトプットを完全に避ける事はとても難しい事でしょう。
未完成なインプット情報はできるだけ完成させて終わる事が必要だし、未完成なアウトプットにおいては、完成させる事も大事でしょうが、完成できない時には、脳内に残さずにメモに書いて残しておくという工夫も必要になるでしょう。
それにしても、特性のある方々は、色んなことをスルーするのが難しいんだなぁ。私たち多数派がズボラなだけなのかな?
引用・参考
題:スルーできない脳ー自閉は情報の便秘ですー
著者:ニキ リンコ
発行者:高橋 淳
発行所:㈱生活書院