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できている身辺自立を数値化してみよう!

ふりかえり

 これまで2回に渡り、発達に特性のあるお子さんの日常生活に着目して検査を紹介してきました。
1つ目はどの程度、お子様に支援が必要かを表す『MSPA』、2つ目は発達特性がどの程度生じているかをみる『発達障がいの基礎調査票と評価シート』でしたね。

 このどちらの評価も、あらかじめ決まった質問に、いくつかの段階で答えていくものになります。評価する人やタイミングなど、検査のメリット•デメリットを解説しました。

さて、今回はどれくらい身辺動作が自立(律)できているかに着目した検査を紹介します。

S-M社会生活能力検査

 このS-M社会生活能力検査は、幼児期〜中学生まで幅広く適応できるもので、決められた検査項目に○か×で答えていくものになります。
 15分程度で終わる検査で、お子さんのことを最も知っている保護者が答えていきます。以下の項目が評価できます。

•身辺自立: SH(Self-Help)
•移動:L(Locomotion)
•作業:O(Occupation)
•コミュニケーション:C(Communication)
•集団参加:S(Socialization)
•自己統制: SD(Self-Direction)
https://www.nichibun.co.jp/seek/kensa/sm3.html

 それぞれの項目で点数をつけて合計を出します。その結果をもとに、各項目ごとに社会生活年齢(SA)を出すことができます。また、各項目の合計を出して、社会生活指数(SQ)も算出でき、各年齢ごとに比較することができます。

まとめ

①検査と介入ポイント

 今回のS-M社会生活能力検査では、日常生活がどの程度できているのかを見るものです。

 検査を実施しながら、質問項目に明らかに○がつくところ、明らかに×がつくところは練習の介入のポイントとはなりにくいでしょう。

○か×か判断に迷うポイントが必ず出てきます。

  • 状況によっては○になるんどけど…

  • 対応する大人によっては○になるんだけど…

  • 手段によっては○になんだけど…

 このようなポイントが練習として介入するには大切な部分となります。

②総合的な解釈

 検査を行った結果、社会生活年齢が低くても、発達障がい特性がある場合、発達障がい特性がない場合があります。
 前回の記事『基礎調査票と評価シート』で確認して、特性の有無を確認するのも良いでしょう。

 しかし、何でも検査をするわけではなく、その後の支援に繋げ、信頼関係を築くために、保育者との対話を重視することも大切です。

 さらに、障がい特性があっても、支援が必要な場合と必要のない場合があります。その点については、また改めて記事にしたいと思います。

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