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「目的思考」と「伝達思考」
マーケティング会社の一人事務職あきづきです。
最近、人生初の新人研修をしました。
私が今の会社に入社した時の社員は4人。しかも全員がスタンドプレイヤーで、「ルールなんてめんどくさい」という人たちの集まりでした。
そんな場所で、無法地帯の整備からスタートしたことを思うと、研修プログラムなどという普通の会社がやるようなことに意識が向き始めたことに、会社の成長をしみじみ感じます。
さて、研修の内容は、現場からのリクエストをふまえ、メールと電話の対応に関すること。
私の考えでは、電話もメールも、顧客コミュニケーションというくくりでは違いはなく、
1番伝えたいのは「相手の立場になって考える」こと。
とにかくその立ち位置が一貫して伝わる研修内容にしました。
なぜなら、私自身が一番腹が立つのは、一生懸命やろうとして至らない人ではなく、「できてるつもり」でこちらの立場になって考えていないメールや電話対応を受けた時だからです。
「〜です。以上」なメッセージ
社内外でよく見かけるメールです。
「大変申し訳ございません。
XX説明会について、7月2日の枠はすでに
満席となってしまっております。
ご了承ください。
その他、ご不明な点がありましたら
何なりとご連絡下さい。
よろしくお願い致します」
これを書いている人は、丁寧なつもりなのです。
丁寧語は間違っていないし、わからないことがあれば何でも聞いてくれと書いている。
いや、でも、満席って断って終わってるよね?
断られた後どうするかは、私(受け手)が考えてねってことです。
そう言っているつもりはないのでしょうが、私は前回までのメールを見直し、日程候補のうちどこが空いているのかもう一度考えなくてはならなりません。できないという回答だけを伝えるのではなく、「どんな対応なら可能なのか」をあわせて示すのが正解だろうと思います。
私は何をすれば?
以下は、私が作った架空の文ですが、こんなテイストの社内チャットもみかけます。
「あきづきさんへ
サイトのログイン情報の件、確認しました。
パスワードは変わっているようなのですが、新しいものは
不明となっております。申し訳ありませんがよろしくお願いします。」
私の回答できるとこは以上なんで、あとはそちらで考えて下さい。
といってる風に聞こえます。
こういうスタンスの返しばかりしていると、相手にとってあなたとのやりとりは負担のかかるものになってしまい、信頼関係を築くのにムダな時間がかかるんだよ!お気をつけあそばせ!
ということを研修では伝えたかったのですが、
講師がポンコツ、聞く方もポンコツなので、質疑応答ではなぜか的はずれな質問ばかりをされました。もう少し響く伝え方をしたかったわぁ、、、と不完全燃焼な思いをしばらく抱えることになったのでした。
後日、研修内容を改善しようとプレゼンや論理思考の本を読み漁っていて、私のいいたいことをきちんと言語化して説明してくれている本に出会いました。
先に読んでいればよかった!
「コレ読んどいて」で済んだじゃん・・・(研修にはなりませんが)
「伝達思考」で損していませんか?
伝達思考の人は、伝えることがゴール。
目的志向の人は、このメッセージで相手にどんな行動をしてもらいたいのかを考えます。著者の照屋さんは同じ意味で「目的の把握を相手に委ねないこと」と書いています。
例えば、「申込みフォームははこちらになります。ご確認下さい」としか書いていない場合、単なる結びの文となり、伝達思考止まりになります。
「こちらのフォームからお申し込みいただければxx日以内に担当からご連絡させていただきます」とあれば、書き手は、
・相手に何をしてほしいかを伝える
・相手の連絡先を手に入れて顧客にする機会をスピーディに得る
という2つの目的思考を持ってそのメッセージを伝えていることになります。
伝達だけして終えるのは、楽です。一応、調べて報告しているので、仕事はしている訳です。「やってない」という感じにはならない。私もわかっていて、事実の報告で済ませてしまうこともあります。
でも、伝達思考が主体のコミュニケーションばかりしていると、読み手の理解まで時間がかかるので後回しにされてしまったり、表面的な態度が相手に信頼されず評価にもつながらないので、長期的にはマイナス、、、
「ロジカル・シンキング練習帳」は、メッセージの伝達を起点としていますが、読めばとっつきにくい「論理思考」の考え方が自然と身に付く内容になっていて、本当にもっと早く出会っていたかったと思います。おすすめです!