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『フラメンコが上達するために大切な事•••その②』

こんにちは、アキです。
京都でフラメンコを教えております。

今回は、前回の続き「フラメンコが上達するために大切な事」パート②を書かせていただきます。
但し、私がお伝えする事はあくまでも自論ですので、何卒ご了承くださいませ。

【フラメンコが上達するために大切なこと】
①体の軸と筋力のバランス
②楽曲のメロディーと感情が入るスキャット
③音楽からのイメージ力と体のシルエットの想像力
④自分の個性と才能と自己をプロデュースする力

今回は、②の「楽曲のメロディーと感情が入るスキャット」をご紹介させていただきます。

②【楽曲のメロディーと感情が入るスキャット】
《スキャットとは、ジャズなどで歌詞の代わりに意味のない音で即興的に歌うことです。》
(※ウィキペディアから転載) 

私がレッスンで振付を教えた時、生徒さん達は真面目に練習に取り組んでくださいます。
反復練習もきちんとされている方もいらっしゃいます。
しかし、振付を完璧に覚えて、リズムのズレもないのに何かが足りない•••。
踊りが平面的•••。
一本調子の踊り方•••。
表現力がない•••。
メリハリがない•••。
体操やロボットのような動きになってしまう•••。
そんな方に、ぜひ試していただきたい練習方法がありますので、もし良かったら参考にしてください。

まずは、簡単な12拍子のマルカールを行います。
楽曲は「ソレア」か、スピードがゆっくりな「ソレア・ポル・ブレリア」が良いと思います。
YouTubeの「ソロコンパス」を使用しても良いと思います。
マルカールをする時、まずは今まで通りのやり方を全力で行い、それを動画撮影してください。
ここで、ご自身のマルカールの動画を見直して一旦、保存しておいてください。

次にマルカールを行う時、スキャットを口ずさみながら踊ります。
12拍子のマルカールを「12•1•2•3•4•5•6•7•8•9•10•11」と数えながら踊るのではなく「タン、タリア、タン、タリア、タンタカタン、タリャ!」と自己流のスキャットを口ずさむか、歌いながら踊ってみてください。

YouTubeなどで、スペイン人のレッスン風景を見ていると、スペイン人アーティスト達が踊りながら「タン、タキタ、タン、タン、タリャャ!」と大きな声を出しながら踊っているのをよく見かけます。
楽曲のメロディーに合わせながら、身体全体で歌うようにスキャットを口ずさみながら、或いは、心の中で叫びながら踊ると感情が生まれてきます。
スキャットに自分の感情をしっかり乗せてあげると、より一層表現力が前に出しやすくなります。
まずは、自己流のスキャットに単純な感情を乗せてみると良いでしょう。
「強く!」とか「暗く!」など、最初はザックリとしたテーマでやってみると良いと思います。
この練習を行った後、もう一度自分の踊りを動画に撮ってチェックします。
個人差はありますが、たぶん何処かしら変化が出て来ると思いますので、ぜひお試しください。


私は今まで、約60人以上のダンスインストラクターやフラメンコの先生達に出会い、レッスンやワークショップ、クルシージョを受けてきました。
その中に「踊り(ダンス)はコミュニケーション(会話)と同じ!」と、おっしゃられた方が何人かいらっしゃいました。
「踊り=会話」とは、どうゆうことでしょうか?

例えば、自分がとても面白い映画を観たとします。
映画を見終わった後、家族や友人に面白かった映画の内容を伝えたいと思った時、人は「説明+感情+表現」で話をすると思います。
人によっては感情的になりすぎて、興奮気味に話す人もいるかもしれません。
話を聞いた人は「説明+感情+表現」で、映画を見に行こうかどうかを判断します。
おそらく、興味があれば観に行くでしょう。
「人は自分の感情を揺さぶられた時に考えや行動が変化したり、記憶に残る」と過去にモダンダンスの先生から教えてもらったことがあります。

これと逆のパターンの例があります。
小学校や中学校の朝礼で話をする校長先生の話です。
ほとんどの学校の校長先生の話は「説明+無感情+無表現」です。(中には熱く熱弁する校長先生もいらっしゃると思いますが•••)
校長先生の話には「感情」や「表現」がありません。
だから、話の途中で眠くなったり、集中力がなくなったり、聞く気にならない場合があったと思います。
無感情、無表情、無表現は見ている人を一瞬で退屈にさせてしまいます。
たとえ、技術力が低くても、雑な踊りだったとしても、お客さんに何かを伝えないといけない、届けないといけないと、私は思います。
そのためには、まずは自分自身の感情を揺さぶらないといけないし、自分自身の感情を熱く揺さぶりながら踊ってこそ、見ている人に感情を通して表現や技術が伝わると思います。

【音楽を聞く】➡【メロディーからイメージを膨らまし、自己流のスキャットを作詞する】➡【感情を乗せる】➡【表現力を付け足す】
この流れを作ることによって、一本調子だった踊りに抑揚が付いたり、メリハリが無かった踊りに表現力がついたり、平面的な踊りが立体的になっていくと思います。
もし、良かったらチャレンジしてみてください。

皆様のフラメンコ人生が幸せになりますように、心からお祈りしております。

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