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12 月 国 内 企 業 物 価 指 数 ・ 前 年 同 月 比 は 11 月 から 上昇率 が 高 ま る か 。 11 月 機 械 受 注 ( 除 船 電民 需 ) 前 月 比 は 2 カ月連続の 増 加 か 。― 日 本の 主 要 経 済 指 標 予 測 (2025年 1 月 6 日 )―
12月国内企業物価指数・前年同月比は、先行指標の日経商品指数42種からみて上昇率拡大を予測。(1月16日発表)
11月の国内企業物価指数・前年同月比は+3.7%と10月の+3.6%から上昇し、23年7月の+3.7%以来の高い上昇率になりました。45カ月連続で前年同月比はプラスです。「電力・都市ガス・水道」は前年同月比+9.2%上昇と10月の+5.9%から上昇しました。また、「農林水産物」の上昇率が+31.0%となったことなども影響しました。2020年平均を100とした指数は124.3と、3カ月連続で過去最高を更新しました。前月比は+0.3%上昇と、3カ月連続のプラスとなりました。
12月の国内企業物価指数の前年同月比は+3.9%程度と11月の+3.7%から上昇率が高まると予測します。前月比は+0.5%程度を予測します。関連指標の日経商品指数42種は国内企業物価指数・前年同月比が上昇することを示唆しています。国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、12月は前月比+0.7%と2カ月ぶりに上昇しました。
ガソリンなど石油製品のスポット価格が上昇しました。政府が価格抑制のために支給している補助金が12月から縮小し始めたためです。円安方向に振れている影響が、原油の国際価格の弱含みを吸収しています。
12月では非鉄が前月比+1.8%上昇しました。銅の国際価格は中国景気のもたつきを背景に軟調な展開が続いていますが、円安の影響がカバーした形です。食品は前月比▲1.8%の下落になりました。
日経商品指数42種全体の12月前年同月比は+4.4%で、11月+3.0%から1.4ポイント上昇率が高まっていることから、国内企業物価指数の前年同月比も上昇率が拡大するとみました。
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11月機械受注(除船電民需)の前月比は+0.2%程度と2カ月連続の増加を予測。3カ月移動平均前月比は+0.5%程度の増加か。(1月20日発表)
設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力除く民需、以下、除船電民需)の10月前月比は+2.1%と4カ月ぶりの増加になりました。
製造業は前月比+12.5%と5カ月ぶりの増加。17業種中、パルプ・紙・紙加工品、鉄鋼業などの11業種で増加、窯業・土石製品、繊維工業などの6業種は減少となりました。
非製造業(除船電)は▲1.2%と2カ月ぶりの減少になりました。しかし、非製造業・全体では、電力業が+116.2%の大幅増加になった影響で、+33.3%と5カ月ぶりの増加でした。12業種中、電力業、運輸業・郵便業などの7業種で増加、鉱業・採石業・砂利採取業、通信業などの5業種で減少になりました。
10月の機械受注(除船電民需)の前年同月比は+5.6%で3カ月ぶりの増加になりました。
10月の機械受注(除船電民需)の大型案件はありませんでした。9月の機械受注(除船電民需)の大型案件は1件で、運輸業・郵便業の運搬機械でした。
10月の機械受注(除船電民需)の3カ月移動平均は前月比▲0.2%と若干ですが減少でした。内閣府の基調判断は、4月までの「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」から下方修正された5月と、6月、7月、8月、9月に続いて、10月も6カ月連続「機械受注は、持ち直しの動きに足踏みがみられる」になりました。
11月機械受注(除船電民需)の前月比は+0.2%程度と2カ月連続の増加を予測します。機械受注(除船電民需)の3カ月移動平均は前月比+0.5%程度と10月の▲0.2%の減少から増加に転じると予測します。11月の前年同月比は+6.0%程度と2カ月連続の増加になると予測します。
機械受注(除船電民需)の10~12月期・前期比の見通しは+5.7%の増加なので、11月が予測通りなら、見通し達成には12月の前月比が+13.8%以上が必要です。
関連データの日本工作機械工業会の工作機械の国内向け受注額をみると、24年11月の前年同月比は+5.0%です。22年9月に▲8.9%と19カ月ぶりの減少になって以降、10月▲11.4%、11月▲8.7%、12月▲17.4%、23年1月▲1.7%、2月▲20.2%、3月▲18.0%、4月▲21.5%、5月▲23.6%、6月▲30.4%、7月▲24.2%、8月▲31.0%、9月▲14.1%、10月▲24.5%、11月▲28.4%、12月▲9.5%とマイナスが続き、24年に入っても1月▲29.5%、2月▲16.4%、3月▲0.2%、4月▲12.8%、5月▲7.9%、6月▲0.1%、7月▲9.3%、8月▲9.9%、9月は▲7.8%、10月▲0.6%とマイナスだったものの、11月は27カ月ぶりの増加に転じました。
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景気ウォッチャー調査の24年11月設備投資関連・現状判断DIは41.7、先行き判断DIは50.0。
11月の景気ウォッチャー調査の設備投資関連DIはパッとしない内容になりました。設備投資関連・現状判断DIは、24年1月46.4(回答したウォッチャー7人)、2月48.1(同13人)、3月53.6(同7人)、4月58.3(同9人)、5月71.4(同7人)、6月60.0(同5人)、7月57.1(同7人)、8月54.2(同6人)、9月58.3(同3人)、10月50.0(同9人)、11月41.7(同6人)と推移しています。24年11月では、「業種にかかわらず、非常に設備投資等が好調な企業がある。一方で、飲食業や建設業での倒産も増加しており、両極端であり、どちらともいえない。(四国:設計事務所(所長))」というコメントがありました。
また、設備投資関連・先行き判断DIは24年1月60.0(回答したウォッチャー10人)、2月62.6(同11人)、3月50.0(同7人)、4月50.0(同8人)、5月52.8(同9人)、6月37.5(同4人)、7月44.4(同4人)、8月62.5(同8人)、9月53.1(同8人)、10月56.3(同4人)、11月50.0(同12人)と推移しています。24年11月では、「業種にかかわらず、非常に設備投資等が好調な企業がある。一方で、飲食業や建設業での倒産も増加しており、両極端であり、どちらともいえない。(南関東:電気機械器具製造業(企画担当))」というコメントがありました。
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