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12月有効求人倍率は11月から改善を予測。関連データの12月景気ウォッチャー調査の雇用関連・現状水準判断DI(季節調整値)は4カ月連続低下のあと上昇に転じる。―日本の主要経済指標予測(2024 年1月22日)―

12月有効求人倍率は1.29倍程度と11月の1.28倍からの上昇を予測(1 月30日発表)

 12月26日に発表された11月の有効求人倍率は1.28倍で、前月を0.02ポイント下回りました。有効求人(季節調整値)は前月比▲1.5%の減少、有効求職者(季節調整値)は前月比+0.2%の増加でした。なお、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.01倍で、前月と同水準でした。

 有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。

 新規求人数の前年同月比は▲4.8%と、3か月連続でマイナスとなりました。前年同月比が増加したのは教育・学習支援業の+3.5%と情報通信業の+3.4%の11業種中2業種だけです。建設業の前年同月比は▲7.3%、製造業では▲10.5%とマイナスで、人手不足にも関わらず、原材料価格の高騰などの影響によって求人を出せないという傾向が続いていて、有効求人倍率の上昇抑制要因になっています。
 
 12月の有効求人倍率は 1.29倍程度を予測します。予測通りなら11から0.01ポイント上昇することになります。

 景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は23年7月に55.3と最近の極大値をつけた後、8月52.5、9月51.5、10月50.8、11月48.5と低下傾向で推移しましたが、12月は50.3と上昇に転じました。また、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は11月2.26倍で、10月の2.24倍に比べて0.02ポイント上昇しました。一方、11月の有効求人倍率を小数点第3位までみると1.277倍 で1.280倍をやや下回っていることなど、総合的に考慮しました。

※2023年12月は筆者予測値

12月完全失業率は 2.5%程度と11月と同水準か(1 月 30日発表)

 12 月26日に発表された11月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.5%で10月の2.5%と同水準になりました。11月は就業者数が6,780万人と前年同月比+0.8%で16カ月連続の増加になりました。完全失業者数は169万人と前年同月比で+2.4%と3カ月ぶりの増加に転じました。求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」は変わらず、「自発的な離職(自己都合)」が4万人の増加、「新たに求職」が2万人増加しました。

 ちなみに、11月の完全失業率は小数点第2位までだと2.54%です。10月は2.53%から0.01ポイント上昇しました。11月の女性の失業率は2.39%で10月の2.52%から0.13ポイントと低下しました。一方、11月の男性の失業率は2.68%で10月の2.55%から0.13ポイント上昇しました。10月から11月にかけての失業率の動きは、男女で逆方向になりました。

 12月の月の完全失業率(季節調整値)は 2.5%程度と 11月の 2.5%と同程度になると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.42%、2 月2.60%、3 月 2.81%、4 月 2.59%、5 月 2.55%、6 月 2.48%、7月 2.65%、8月 2.66%、9月 2.55%、10月 2.53%、11月 2.54%と推移しています。

 原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 23 年12月の推計季節指数は0.926で 23 年11月の0.956より小さいため、季節調整値の完全失業率は10月の 2.5%から大きく低下する可能性は小さいとみました。

 なお、完全失業率と相関がある自殺者数の12月暫定値は1月22日午前9時現在、未発表なので今回の予測の参考にはしていません。

12月新設住宅着工戸数の前年同月比は、7カ月連続減少か(1月31日発表)

 12 月27日に発表された11月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲8.5%の6万6,238戸で、6カ月連続減少しました。物価高や資材価格高騰による物件価格の上昇で、購入意欲の低迷が続いています。季節調整済み年率換算77.5万戸で前月比▲4.0%の減少でした。先月の増加から減少に転じました。

 持ち家は前年同月比▲17.3%で24カ月連続の減少、貸家は前年同月比▲5.3%と4か月連続の減少になりました。分譲住宅は前年同月比▲5.2%で6カ月連続の減少、うちマンションは前年同月比▲5.2%と4カ月ぶりの増加となった10月から再び減少に転じました。

 12月の新設住宅着工戸数の前年同月比は▲6.8%程度と減少率は11月からやや縮小するものの7カ月連続の減少になると予測しました。12月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は78.8万戸程度、前月比は+1.6%程度の増加になるとみました。

 景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、23 年 1 月 40.7、2 月40.0、3 月 42.3、4月 42.6、5 月 43.2 、6月 43.2 、7月 43.4、8月 41.5、9月 43.8、10月39.4、11月38.8、12月41.0と 推移していることなどを参考に予測しました。

※2023年12月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。