12月国内企業物価指数・前年同月比は34カ月ぶりのマイナスに転じると予測。11月機械受注・前月比は3カ月ぶりの減少を予測―日本の主要経済指標予測（2024年1月4日）―
12月国内企業物価指数・前年同月比は21年2月以来のマイナスか（1月16日発表）
11月の国内企業物価指数・前年同月比は＋0.3%、33カ月連続の上昇になりました。但し、10月の＋0.9%から0.6ポイント鈍化しました。22年12月の＋10.6％をピークにした前年同月比の鈍化は11カ月連続で、21年2月の▲0.9％以来の低い伸び率になりました。
「飲食料品」は前年同月比＋4.0％とコスト変動分を転嫁する動きが続いています。「輸送用機器」前年同月比は＋6.0％で鋼板や部品などの価格上昇を転嫁する動きがありました。一方、「電力・都市ガス・水道」は前年比▲24.5％下落し、前年同月比の押し下げに寄与しました。燃料費の下落と、政府の電気・ガス価格激変緩和対策の縮小を反映しました。
12月の国内企業物価指数の前年同月比は▲0.3％程度と、22年12月の前月比が＋0.6％だった反動が出て、11月前年同月比の＋0.3％のプラスの伸び率から21年2月以来34カ月ぶりのマイナスに転じると予測します。前月比は0.0％とみました。
国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、12月は前月比▲0.5％と3カ月ぶりの低下になりました。円高の動きを受け「非鉄」が前月比▲1.2％になるなど国際商品の円建て価格が小幅に下がったことなどが影響しました。なお、「石油」は前月比＋1.4％と、政府が石油元売りに支給してきた補助金減額の影響で国内価格が押し上げられました。12月の日経商品指数42種の前年同月比は＋2.9％で、11月の＋3.1％から0.2ポイント鈍化しました。
11月機械受注（除船電民需）・前月比は▲2.0％程度を予測（1月18日発表）
設備投資の先行指標である機械受注（船舶・電力除く民需、以下、除船電民需）の10月前月比は＋0.7％と2カ月連続の増加になりました。船舶と電力を除く非製造業が前月比＋1.2%の増加になりました。卸売業・小売業からの受注が前月比＋29.0％増えました。製造業は＋0.2%の増加で、鉄鋼業や業務用機械からの受注が増えました。機械受注（除船電民需）の大型案件は、その他製造業の火水力原動機と運輸業・郵便業の鉄道車両の２件でした。9月は0件でした。機械受注（除船電民需）の３カ月移動平均が＋0.5％とプラスに転じたものの、内閣府は全体の基調判断は12カ月連続で「足踏みがみられる」になりました。
11月機械受注（除船電民需）の前月比は▲2.0％程度と3カ月ぶりの減少を予測します。11月の前年同月比は▲0.6％程度と10月の▲2.2％から減少率は縮小しますが、9カ月連続の減少になると予測します。
関連データである、日本工作機械工業会の工作機械の国内向け受注額をみると、23年11月速報値の前年同月比は▲13.6％です。21年3月から22年8月まで18カ月連続増加となった後、19カ月ぶりの減少になった22年9月は▲8.9％でした。以降、10月▲11.4％、11月▲8.7％、12月▲17.4％、23年1月▲1.7％、2月▲20.2％、3月▲18.0％、4月▲21.5％、5月▲23.6％、6月▲30.4％、7月▲24.2％、8月▲31.0％、9月▲14.1％、10月の前年同月比は▲24.5％に続き15カ月連続の減少になりました。
景気ウォッチャー調査の11月設備投資関連・現状判断DIと先行き判断DIはともに50.0
景気ウォッチャー調査の設備投資関連・現状判断DIは、23年1月42.9（回答したウォッチャー7人）、2月41.7（同3人）、3月64.3（同7人）、4月54.2（同6人）、5月50.0（同6人）、6月52.1（同12人）、7月53.6（同7人）、8月50.0（同4人）、9月60.0（同10人）、10月50.0（同7人）、11月50.0（同7人）と推移しています。11月では、「客の設備投資意欲に変化はみられない。（東北：通信会社（営業担当））」というコメントがありました。
また、設備投資関連・先行き判断ＤＩは23年1月50.0（回答したウォッチャー7人）、2月57.1（同7人）、3月62.5（同4人）、4月75.0（同2人）、5月71.4（同7人）、6月52.8（同9人）、7月60.7（同7人）、8月54.2（同6人）、9月62.5（同6人）、10月58.3（同6人）、11月50.0（同13人）と推移しています。11月では、「設備投資の動きがあり、各企業が先行きに明るさを持っている。（中国：輸送業（営業担当））」というコメントがありました。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。