8月貿易統計・通関収支差は2カ月連続の赤字に。8月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は7月から上昇率が0.2ポイント程度拡大の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年9月9日)―
8月貿易統計・通関収支差は▲1兆6,900億円程度と2カ月連続の赤字か。輸出の前年同月比は9カ月連続・前年同月比増加を予測。(9月18日発表)
8月29日に発表された7月貿易統計確報によると、輸出金額は9兆6,127億円、前年同月比+10.2%で8カ月連続の増加、輸入金額は10兆2,414億円、前年同月比+16.6%で4カ月連続の増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲6,287億円と2カ月ぶりに赤字になりました。前年7月に比べ赤字幅は+925.2%拡大しました。
前年同月比でみて、輸出では、半導体等電子部品、自動車、半導体等製造装置などが増加しました。大きく減少した品目はありませんでした。一方、輸入では、医薬品、通信機、原粗油などが増加し、大きく減少した品目はありませんでした。
8月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲1兆6,900億円程度と2カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の▲9,401億円から赤字額が+79.8%程度増加すると予測しました。なお、8月上中旬の通関収支差は▲3,798億円で、前年同旬の▲225億円から赤字額が+1,585.3%拡大しています。
8月の輸出額は8兆9,377億円程度、前年同月比は+11.8%程度と9カ月連続の増加になると予測します。8月上中旬で輸出額は前年比+12.3%の増加でした。輸出が大きく増加した品目は半導体等製造装置、自動車、半導体等電子部品でした。大きく減少した品目は建設用・鉱山用機械でした。
8月の輸入額は10兆6,277億円程度、前年同月比は+19.0%程度と5カ月連続増加になると予測します。8月上中旬で輸入額は前年比+19.5%の増加でした。輸入で大きく増加した品目は医薬品、石油製品、自動車でした。大きく減少した品目はありませんでした。
8月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は84,137円/㎘で前年同旬比+16.5%程度の上昇でした。数量は前年同旬比▲20.2%程度の減少、金額は前年同旬比▲7.1%程度の減少でした。
8月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.9%程度と、7月の+2.7%から上昇率拡大を予測。(9月20日発表)
7月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.8%と6月の+2.8%と同じ伸び率で、35カ月連続上昇しました。7月で、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による押し下げ効果が一旦なくなりました。
7月のエネルギーの前年同月比は+12.0%と6月の+7.7%から拡大しました。エネルギーは+0.31ポイント総合の前年同月比の上昇に寄与しました。電気代の前年同月比は+22.3%、都市ガス代は同+10.8%上昇しました。一方、ガソリンの前年同月比は+1.9%の上昇にとどまりました。
生鮮食品の前年同月比7月は+4.2%で6月の+8.0%から上昇率が鈍化し▲0.16ポイントと、総合の前年同月比の鈍化に寄与しました。また、生鮮食品を除く食料の前年同月比7月は+2.6%で6月の+2.8%から上昇率が鈍化し▲0.05ポイント総合・前年同月比の鈍化に寄与しました。
7月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合は、前年同月比で+2.7%と6月の+2.6%から0.1ポイント伸び率が高まり、35カ月連続での前年同月比上昇でした。
7月の全国消費者物価指数・生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比+1.9%上昇で、+2.2%だった6月分から0.2ポイント伸び率が鈍化したものの、28カ月連続での前年同月比上昇になりました。
8月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+3.1%程度と7月の+2.8%から0.3ポイント程度上昇率が高まり、36カ月連続の上昇になると予測しました。前月比は+0.6%程度とみました。
8月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.9%程度と6月の+2.7%から0.2ポイント程度上昇率が高まり、36カ月連続の上昇になると予測します。前月比は+0.5%程度とみました。8月の全国消費者物価指数・生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.1%程度と7月の+1.9%から0.2ポイント程度上昇率が高まり、29カ月連続の上昇になるとみました。前月比は+0.5%程度と予測しました。
既に発表されている8月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と8月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータなどを参考にして予測しました。
8月の東京都区部消費者物価指数・総合・前年同月比は7月の+2.2%から+2.6%に0.4ポイント伸び率が高まりました。なお、全国に比べ東京都区部の前年同月比が低いのは、東京都では24年度から高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化した影響のためです。
8月の生鮮食品は前年同月比+8.1%と7月の+3.3%から上昇率が4.8ポイントと大幅に上昇し、前年同月比寄与度差は+0.20%の上昇要因になりました。
8月のエネルギーの前年同月比は+17.4%と7月の+14.5%から上昇率が拡大し、寄与度差は+0.11%の上昇要因になりました。
8月では、生鮮食品を除く食料の前年同月比寄与度差が+0.11%の上昇要因になりました。宿泊料は総合の前年同月比寄与度差が▲0.00%とほぼ中立要因となりました。
8月生鮮食品を除く総合・前年同月比は+2.4%上昇と7月の+2.2%から0.2ポイント伸び率が高まりました。
8月の東京都区部の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数・総合・前年同月比は7月の+1.5%から+1.6%に0.1ポイント伸び率が上昇しました。
8月の大阪市消費者物価指数をみると、総合は・前年同月比は+3.2%で7月の+2.9%から0.3ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品を除く総合・前年同月比は+3.0%で7月の+2.7%から0.3ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+1.8%と7月の+1.5%から0.3ポイント上昇率が高まりました。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。