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2月鉱工業生産指数は2カ月ぶりに前月比上昇か? 2月商業販売額・小売業の前年同月比は1月と同程度の伸び率を予測―日本の主要経済指標予測(2024年3月21日)―

2月鉱工業生産指数の関連指標のうち、景気ウォッチャー調査・製造業DI、製造工業生産予測指数などは前月比上昇を示唆。実質輸出、ロイター短観などは低下示唆(3月29日発表)

 2月29日に発表された1月の鉱工業生産指数・速報値は、12月までの上昇の反動に加えて、工場稼働停止などの影響を受けて自動車工業を中心に、輸送機械工業(除.自動車工業)以外の全15業種中14業種が低下したことから、前月比▲7.5%と2か月ぶりに低下しました。なお▲7.5%という前月比での低下幅は、新型コロナの影響が急拡大していた20年5月の▲8.0%以来の大幅な低下幅でした。
 
 経済産業省の基調判断は23年7月~12月は「生産は一進一退で推移している」で6カ月連続同じ判断でしたが、24年1月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に引き下げられました。
 
 3月19日に発表された鉱工業生産指数・1月確報値では前月比▲6.8%と速報値の同▲7.5%と0.7ポイント伸び率が改善しました。なお、20年5月の▲8.0%以来の大幅な低下幅であることに変わりはありません。1月確報値公表段階で23年年間補正/季節調整替えが実施されました。全16業種中、自動車工業を中心に15業種が低下しました。新たに加わった食料品・たばこ工業も前月比低下になりました。年間補正/季節調整替えの影響から、速報値で前月比+2.1%上昇だった輸送機械工業(除.自動車工業)が▲1.6%と低下に転じました。一方、速報値で前月比▲7.1%低下だった化学工業(除、無機・有機化学工業)が、新たに医薬品が入ったことなどから前月比+2.1%と、上昇に転じました。
 
 3月29日に発表される2月の鉱工業生産指数(速報値)前月比は+0.5%程度と、2カ月ぶりの上昇になると予測しました。また、2月の前年同月比は▲2.9%程度と4カ月連続低下になると予測しました。
 
 鉱工業生産指数が1月速報値段階(23年の年間補正前)で発表された製造工業生産予測指数の2月は前月比+4.8%の上昇見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、2月の前月比は先行き試算値最頻値で+0.8%の上昇になる見込みです。90%の確率に収まる範囲は▲0.9%~+2.4%になっています。
 
 2月の財務省貿易統計で輸出金額の季節調整済み前月比は▲1.5%の減少になりました。日銀の輸出物価指数の2月の前月比は+1.3%です。また、2月の日銀の実質輸出の前月比は▲4.0%の減少になりました。
 
 景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は、23年9月44.3、10月44.5、11月44.2、12月45.5、24年1月46.7、2月48.8と、2月は1月から上昇しました。
 
 一方、ロイター短観(400社ベース)の製造業・業況判断DIは、1月の6から2月は▲1に7ポイント低下しました。またQUICK短観の製造業・業況判断DIは、1月の15から2月は10に5ポイント低下しました。
 
 このような関連データを、総合的に判断し予測しました。

※2024年2月は筆者予測値

2月商業販売額・小売業の前年同月比は1月+2.1%と同程度の増加率か(3月29日発表)

 2月28日に発表された商業販売額・小売業・1月速報値の前年同月比は+2.3%と1月確報値の+2.4%から0.1ポイント増加率が鈍化しました。3月18日に発表された1月確報値では、商業販売額・小売業の前年同月比は+2.1%に下方修正されました。
 
 3月29日に発表される2月速報値の商業販売額・小売業の前年同月比は+2.1%程度と1月確報値の+2.1%とほぼ同じ増加率になると予測します。
 
 2月の大手百貨店4社の売上高・前年同月比の単純平均は+22.9%で1月の+12.9%から10.0ポイント拡大していることを参考にして、各種商品小売業・2月前年同月比は1月の+3.4%から増加率が拡大するとみました。
 
 燃料小売業の2月の前年同月比は1月の+1.5%とほぼ同じ伸び率になるとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、2月は+4.2%程度と1月の+4.2%程度と同じ上昇率になりました。
 
 また、自動車小売業の2月前年同月比は1月の▲4.0%から減少率が拡大するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の2月前年同月比は▲14.4%で1月の▲10.8%から減少率が拡大しているからです。
 
 なお、景気ウォッチャー調査で1月から2月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、47.2から47.2へと横ばいで推移しています。これら、まちまちの関連データの動きを総合的に判断し予測しました。


※2024年2月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。