2月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲14.3%と4カ月連続前年同月比減少。2月の完全失業率は2.4%程度と1月と同水準を予測。2月有効求人倍率は1月から若干上昇を予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年3月18日)―
2月有効求人倍率は1.28倍程度と1月の1.27倍からの上昇を予測(3月29日発表)
3月1日に発表された1月の有効求人倍率は1.27倍で、季節調整替えの影響もあり、3カ月連続で同じ水準になりました。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍で12月と同水準となりました。
有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。
1月の有効求人数の季節調整済み前月比は+0.2%の増加で、有効求職者数は同▲0.1%の減少になりました。1月の新規求人数の前年同月比は▲3.0%の減少で、産業別に見ると、製造業▲11.6%、宿泊業・飲食サービス業▲8.8%、卸売業・小売業▲5.8%などが減少となっています。人手不足が進んでいるものの、原材料高騰への対応で新規の求人を出す余裕がないことが影響し、一部の業種で求人が減っています。一方で生活関連サービス業・娯楽業は+5.7%、情報通信業は+4.5%などと増加になっています。
2月の有効求人倍率は 1.28倍程度を予測します。予測通りなら11から0.01ポイント上昇することになります。
景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は23年7月に54.4と最近の極大値をつけた後、8月52.5、9月51.8、10月51.3、11月49.5と低下傾向で推移しましたが、12月51.7、24年1月51.1、2月52.3と変動を伴いつつ上昇傾向に転じました。また、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は1月2.28倍で、12月の2.25倍に比べて0.03ポイント上昇したことなど、総合的に考慮し予測しました。
2月完全失業率は 2.4%程度と1月と同水準か(3 月29日発表)
3月1日に発表された1月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.4%で12月の2.5%から0.1ポイント低下しました。1月は就業者数が6,714万人と前年同月比+0.4%で18カ月連続の増加になりました。完全失業者数は163万人。前年同月に比べ1万人の減少。2か月連続の減少になりました。求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が8万人減少、「自発的な離職(自己都合)」が5万人の増加、「新たに求職」は前年同月と変わりませんでした。
ちなみに、1月の完全失業率は小数点第2位までだと2.44%です。1月2.47%から0.03ポイントの低下でした。1月の女性の失業率は2.53%で1月の2.12%から0.41ポイントと上昇しました。一方、1月の男性の失業率は2.53%で1月の2.77%から0.24ポイント低下しました。12月から1月にかけての失業率の動きは、男女で逆方向になりました。
2月の完全失業率(季節調整値)は 2.4%程度と 1月の 2.4%と同程度になると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.46%、2 月2.59%、3 月 2.74%、4 月 2.59%、5 月 2.56%、6 月 2.51%、7月 2.63%、8月 2.63%、9月 2.55%、10月 2.54%、11月 2.54%、12月 2.47%、24年1月 2.44%と推移しています。
原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 24 年2月の推計季節指数は0.982で 1月の0.968より大きいため、季節調整値の完全失業率は1月の 2.4%から大きく上昇する可能性は小さいとみました。
自殺の原因には経済・生活問題も多く、78 年から 23年までの 46 年暦年の完全失業率と自殺者数(警察庁)の相関係数は 0.91 と完全一致の 1 に近い強い正の相関があります。自殺者数の前年同月比は 23 年 7 月▲1.8%、8 月+2.4%、9 月▲2.6%、10月+5.4%と減少と増加を繰り返した後、11月▲9.5%、12月▲1.5%、24年1月▲13.3%、2月暫定値▲14.3%と4カ月連続して減少しています。
2月新設住宅着工戸数の前年同月比は、9カ月連続減少か(3月29日発表)
2 月29日に発表された1月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲7.5%の5万8,849戸で、8カ月連続減少しました。物価高や資材価格高騰による物件価格の上昇で、購入意欲の低迷が続いています。季節調整済み年率換算80.2万戸で前月比▲1.5%の減少でした。
持ち家は前年同月比▲11.0%で26カ月連続の減少、貸家は前年同月比+2.6%と6カ月ぶりの増加になりました。分譲住宅は前年同月比▲16.1%と2カ月ぶりの減少に転じました。分譲住宅のうちマンションも▲24.8%と1月の増加から再びの減少に転じました。
2月の新設住宅着工戸数の前年同月比は▲6.4%程度と減少率は12月からやや縮小するものの9カ月連続の減少になると予測しました。2月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は80.2万戸程度、前月比は0.0%程度の横這いになるとみました。
景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、23 年 1 月 41.3、2 月40.6、3 月 42.2、4月 42.4、5 月 42.7 、6月 42.7 、7月 42.8、8月 41.6、9月 43.9、10月39.5、11月39.0、12月41.1、24年1月45.1、2 月45.1と 推移していることなどを参考に予測しました。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。