9月貿易統計・通関収支差は3カ月連続の赤字に。9月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は8月から上昇率が0.5ポイント程度低下の見込み。―日本の主要経済指標予測(2024年10月8日)―
9月貿易統計・通関収支差は▲2,400億円程度と3カ月連続の赤字か。輸出の前年同月比は10カ月連続・前年同月比増加を予測。(10月17日発表)
9月27日に発表された8月貿易統計確報によると、輸出金額は8兆4,3354億円、前年同月比+5.5%で9カ月連続の増加、輸入金額は9兆1,367億円、前年同月比+2.3%で5カ月連続の増加となりました。輸出と輸入の差引額は▲7,032億円と2カ月連続の赤字になりました。前年8月に比べ赤字幅は▲25.2%縮小しました。
前年同月比でみて、輸出では、半導体等製造装置、半導体等電子部品、科学光学機器が大きく増加しました。大きく減少した品目は自動車 建設用・鉱山用機械でした。一方、輸入では、医薬品、石油製品、電算機類(含周辺機器)が大きく増加し、大きく減少した品目は半導体等電子部品、石炭でした。
9月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲2,400億円程度と3カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の+606億円の黒字から赤字に転じると予測しました。なお、9月上中旬の通関収支差は▲3,558億円で、前年同旬の▲817億円から赤字額が+335.5%拡大しています。
9月の輸出額は9兆4,766億円程度、前年同月比は+3.0%程度と10カ月連続の増加になると予測します。9月上中旬で輸出額は前年比+12.3%の増加でした。輸出が大きく増加した品目は半導体等電子部品、半導体等製造装置、船舶でした。大きく減少した品目は鉱物性燃料、建設用・鉱山用機械、自動車の部分品でした。
9月の輸入額は9兆7,166億円程度、前年同月比は+6.3%程度と6カ月連続増加になると予測します。9月上中旬で輸入額は前年比+6.7%の増加でした。輸入で大きく増加した品目は電算機類(含む周辺機器)、石油製品、非鉄金属でした。大きく減少した品目は通信機でした。
9月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は76,135円/㎘で前年同旬比▲3.2%程度の下落でした。数量は前年同旬比▲2.1%程度の減少、金額は前年同旬比▲5.2%程度の減少でした。
9月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.3%程度と、8月の+2.8%から上昇率低下を予測。(10月18日発表)
8月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+3.0%と7月の+2.8%から伸び率が高まり、36カ月連続上昇しました。生鮮食品が前年同月比は+7.8%と7月の+4.2%から上昇、前年同月比寄与度差は+0.15%の上昇要因になりました。
8月のエネルギーの前年同月比は+12.0%で7月の+12.0%と同じでした。電気代の前年同月比は+26.2%、都市ガス代は同+15.1%上昇しました。一方、ガソリンの前年同月比は▲3.8%の下落になりました。
8月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合は、前年同月比で+2.8%と7月の+2.7%から0.1ポイント伸び率が高まり、36カ月連続での前年同月比上昇でした。生鮮食品を除く食料の前年同月比が8月は+2.9%で7月の+2.6%から上昇しました。
8月の全国消費者物価指数・生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比+2.0%上昇で、+1.9%だった7月分から0.1ポイント伸び率が高まり、29カ月連続での前年同月比上昇になりました。
9月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.5%程度と8月の+3.0%から0.5ポイント程度上昇率が鈍化するものの、37カ月連続の上昇になると予測します。前月比は▲0.7%程度とみました。「酷暑乗り切り緊急支援」により、電気代と都市ガス代が押し下げの主要因になると見ました。
9月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.3%程度と8月の+2.8%から0.5ポイント程度上昇率が鈍化するものの、37カ月連続の上昇になると予測します。前月比は▲0.6%程度とみました。9月の全国消費者物価指数・生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.0%程度と8月の+2.0%と同程度の上昇率で、30カ月連続の上昇になるとみました。前月比は+0.2%程度と予測しました。
既に発表されている9月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と9月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータなどを参考にして予測しました。
9月の東京都区部消費者物価指数・総合・前年同月比は8月の+2.6%から+2.2%に0.4ポイント伸び率が鈍化しました。なお、東京都では24年度から高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化した影響で、東京都区部の前年同月比の方が、全国に比べ低い状況にあります。教育授業料等は前年同月比▲15.3%で、内訳の高等学校授業料(私立)は同▲61.7%となっています。
9月の生鮮食品は前年同月比+6.7%と8月の+7.9%から上昇率が1.2ポイント鈍化し、前年同月比寄与度差は▲0.03%の低下要因になりました。トマトは前年同月比+12.7%と高めでしたが、生鮮食品全体では8月から上昇率はやや鈍化しました。
9月のエネルギーの前年同月比は+9.5%と8月の+17.4%から上昇率が鈍化し、寄与度差は▲0.39%の低下要因になりました。総務省によれば「酷暑乗り切り緊急支援」による押し下げ効果(寄与度)は▲0.51%[試算値](内訳:電気代は▲0.35%[試算値]、都市ガス代は▲0.16%[試算値]ということです。
9月では、生鮮食品を除く食料の前年同月比+2.8%の上昇要因になりました。9月はうるち米(コシヒカリを除く)の前年同月比+42.0%と8月の+28.2%から大幅に上昇しました。9月の牛肉(輸入品)は同+14.7%、チョコレートは同+11.5%と2ケタの上昇率になりました。9月の宿泊料は前年同月比+6.8%、外国パック旅行費は前年同月比+65.3%でした。
9月生鮮食品を除く消費者物価指数・総合・前年同月比は+2.0%上昇と8月の+2.4%から0.4ポイント伸び率が鈍化しました。9月の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数・総合・前年同月比は+1.6%と、8月+1.6%と同じ伸び率になりました。
9月の大阪市消費者物価指数をみると、総合は・前年同月比は+2.6%で8月の+3.3%から0.7ポイント伸び率が鈍化しました。生鮮食品を除く総合・前年同月比は+2.4%で8月の+3.1%から0.7ポイント伸び率が鈍化しました。生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+1.8%で8月の+1.8%と同じ上昇率でした。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。