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25年2月の物価上昇判断DIは90.2と20カ月ぶり90台、史上3番目の高水準。高めの物価上昇判断DIが、暮らし向き判断DIの足枷になる状況継続。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2025年2月25日)―

内閣府「消費者マインドアンケート調査」は、消費者の「暮らし向き」や「物価の見通し」について、「だれでも」「自由に」回答できるアンケート調査。

 内閣府「消費者マインドアンケート調査」は16年9月から実施されている調査(試行)で、スマホなどから回答できる誰でも自ら参加できるユニークな調査です。毎月20日締め切りで、結果の公表時期が当該月の22日~25日頃と早く、消費者マインドの基調変化を的確に把握できます。

 質問は「暮らし向き(半年後)」と「物価上昇(1年後)」の2問です。例えば「暮らし向き」の質問は、「良くなる」「やや良くなる」「変わらない」「やや悪くなる」「悪くなる」の5つの選択肢から回答します。景気ウォッチャー調査と同じ5段階での評価なので、同調査と同様に、0.25刻みで1.0から0.0までの点数を割り振り加重平均して、暮らし向き判断DIと物価見通し判断DIを簡単に算出することができます。全員が「変わらない」と答えると景気判断の分岐点の50になります。

 暮らし向き判断DIと物価上昇判断DIの相関係数は16年9月から21年8月までの最初の5年間は0.01と無相関でした。しかし、21年9月から25年2月までの最近の3年5カ間はマイナス0.70と逆相関になっています。現状は、高い物価見通しが暮らし向き判断の足枷になっている状況です。

暮らし向き判断DI、24年10月から25年2月の5カ月間は、物価見通し判断DIが84以上の高水準に上昇したことから、低水準の30台に。

 暮らし向き判断DIの16年9月から25年2月の全調査期間平均は36.8、最高は17年1月48.9、最低はコロナ禍の20年4月20.7です。最近の暮らし向き判断DIは、24年10月から25年2月の5カ月間は、物価見通し判断DIが84以上の高水準に上昇したことから、低水準の30台になりました。24年9月の41.0を直近の極大点として、振幅を伴いつつももたついた動きになっています。25年2月は35.8で1月の33.9からやや持ち直しましたが、依然弱めの水準で推移しています。



25年2月の物価上昇判断DIは、コメや生鮮野菜などの身近な物価の上昇もあり、90.2と統計史上3番目の高水準まで上昇。

 物価上昇判断DIは、16年9月から25年2月の全調査期間平均は77.0、最高は23年6月90.7、最低は21年2月の60.0です。調査開始から22年1月までは60台・70台で安定推移していましたが、ロシアがウクライナ侵攻した月の22年2月調査以降物価上昇判断DIは80台・90台で、物価が上昇するという見通しが強まりました。

 22年10月に90.4をつけたあと80台後半の高水準での推移が続き23年は6月の90.7をつけました。そこから振幅をともないつつ24年9月の80.3まで一旦低下しましたが、反転上昇傾向になり、25年2月に90.2と20カ月ぶりの90台を記録しました。


※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。