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10月国内企業物価指数は、前年同月の前月比が+1.0%と高かった反動もあり、前年同月比は鈍化か。9月機械受注・前月比は3カ月ぶりの増加を予測―日本の主要経済指標予測(2023年11月6日)―

10月国内企業物価指数・前年同月比は+1.0%程度と9月の+2.0%から鈍化を予測(11月13日発表)

 9月の国内企業物価指数・前年同月比は+2.0%、31カ月連続の上昇になりました。但し、8月の+3.3%から1.3ポイント低下し、前年同月比は22年12月の+10.6%をピークに9カ月連続で鈍化しました。飲料や食料品などで価格転嫁の継続がみられましたが、ガソリン補助金の拡充などからプラス幅は縮小しました。輸入物価指数(円ベース)の9月の前年同月比は▲14.0%下落しました。原油高が進んでいた前年の反動で6カ月連続マイナス、8月の▲11.4%より下落率が拡大しました。 

 10月の国内企業物価指数の前年同月比は+1.0%程度と、昨年10月の前月比が+1.0%だった反動が出て9月の+2.0%から鈍化するものの、32カ月連続の上昇になると予測します。前月比は夏季電力料金調整の影響がなくなることもあり、0.0%程度になるとみました。 

 国内企業物価指数に対し先行性がある関連指標の日経商品指数42種は、10月は前月比0.0%でした。イスラム組織ハマスとイスラエルの衝突で中東情勢の緊張感が高まり世界景気の下振れ懸念から、非鉄などが弱含みました。中国の建設需要の低迷などによって鋼材の余剰感が強まった鋼材も軟調でした。政府が石油元売りなどに支給している補助金が10月上旬から拡充され、石油製品価格は押し下げられました。一方、地政学リスクが意識され金を含む「その他」は上昇しました。10月の日経商品指数42種の前年同月比は+3.5%で、9月の+4.1%から0.6ポイント鈍化しました。

※国内企業物価指数10月前年同月比は筆者予測値

9月機械受注(除船電民需)・前月比は、工作機械受注の前年同月比減少率縮小などから、3カ月ぶり増加を予測(11月16日発表)

 設備投資の先行指標である機械受注(船舶・電力除く民需、以下、除船電民需)の8月前月比は▲0.5%と2カ月連続の減少になりました。製造業は前月比+2.2%と2カ月ぶり増加でした。非製造業(除く船舶・電力)は前月比▲3.8%と3カ月ぶりの減少になりました。機械受注(除船電民需)の大型案件は0件でした。8月は2カ月連続で減少となりましたが、3カ月移動平均がプラスだったこともあり、内閣府は全体の基調判断を10カ月連続で「足踏みがみられる」に据え置きました。
 
 7~9月期は▲2.6%の減少見通しですが、9月が▲1.6%で達成となります。7~9月期の前期比実績は見通しと比べ、09年から22年までの14年間でみると、上振れ11回、下振れ3回で上振れる確率が高い四半期ですが、今年も上振れる可能性が大きそうです。
 
 9月機械受注(除船電民需)の前月比は+0.6%程度と3カ月ぶりの増加を予測します。前年同月比は▲3.5%程度と8月の▲7.7%から減少率は縮小するものの7カ月連続の減少を予測します。予測通りだと、7~9月期は前期比▲2.1%程度の減少になり、見通しを上回ります。
 
 関連データである、日本工作機械工業会の工作機械の国内向け受注額をみると、23年9月の前年同月比は▲14.1%です。21年3月から22年8月まで18カ月連続増加となった後、19カ月ぶりの減少になった22年9月は▲8.9%でした。以降、10月▲11.4%、11月▲8.7%、12月▲17.4%、23年1月▲1.7%、2月▲20.2%、3月▲18.0%、4月▲21.5%、5月▲23.6%、6月▲30.4%、7月▲24.2%、8月▲31.0%に続き、9月は減少率が縮小したものの13カ月連続の減少になりました。

※23年9月は筆者予測値

景気ウォッチャー調査の9月設備投資関連・現状判断DIと先行き判断DIは60台

 景気ウォッチャー調査の設備投資関連・現状判断DIは、23年1月42.9(回答したウォッチャー7人)、2月41.7(同3人)、3月64.3(同7人)、4月54.2(同6人)、5月50.0(同6人)、6月52.1(同12人)、7月53.6(同7人)、8月50.0(同4人)、9月60.0(同10人)と推移しています。9月では、「継続的な物価高や円安に伴う設備投資控えが続いている。(東北:通信会社(営業担当))」というコメントがありました。
 
 また、設備投資関連・先行き判断DIは23年1月50.0(回答したウォッチャー7人)、2月57.1(同7人)、3月62.5(同4人)、4月75.0(同2人)、5月71.4(同7人)、6月52.8(同9人)、7月60.7(同7人)、8月54.2(同6人)、9月62.5(同6人)と推移しています。9月では、「地元自動車メーカーの関連企業の設備投資が活発化しており、資金需要が旺盛となっている。(中国:金融業(外交担当))」というコメントがありました。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。