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12月貿易統計・通関収支差は6カ月連続の赤字を予測。12月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は11月から上昇率が高まる見込み。―日本の主要経済指標予測(2025年1月14日)―
12月貿易統計・通関収支差は▲1,600億円程度の赤字か。輸出の前年同月比は3カ月連続増加を予測。(1月23日発表)
12月26日に発表された11月貿易統計確報によると、輸出金額は9兆1,523億円、前年同月比+3.8%で2カ月連続の増加、輸入金額は9兆2,626億円、前年同月比▲3.8%で8カ月ぶりの減少となりました。輸出と輸入の差引額は▲1,103億円と5カ月連続の赤字になりました。前年11月の▲8,139億円から赤字額が▲86.4%縮小しました。
前年同月比でみて、輸出では、半導体等製造装置、非鉄金属、食料品が大きく増加しました。大きく減少した品目は自動車、鉄鋼、建設用・鉱山用機械でした。一方、輸入では、通信機、電算機類(含周辺機器)が大きく増加し、大きく減少した品目は原粗油、半導体等電子部品、石炭でした。
12月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲1,600億円程度と6カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の324億円の黒字から赤字に転じると予測しました。なお、12月上中旬の通関収支差は▲7,467億円で、前年同旬の▲6,014億円から赤字額が+24.2%程度拡大しています。
12月の輸出額は9兆9,773億円程度、前年同月比は+3.5%程度と3カ月連続の増加になると予測します。12月上中旬で輸出額は前年同旬比+3.8%の増加でした。輸出が大きく増加した品目は半導体等電子部品、食料品、プラスチックでした。大きく減少した品目は自動車、船舶でした。
12月の輸入額は10兆1,373億円程度、前年同月比は+5.5%程度と9カ月連続の増加になると予測します。12月上中旬で輸入額は前年同旬比+5.6%の増加でした。輸入で大きく増加した品目は非鉄金属鉱、電算機類(含む周辺機器)、非鉄金属でした。大きく減少した品目は半導体等電子部品、通信機でした。
12月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は73,540円/㎘で前年同旬比▲13.3%程度の下落でした。数量は前年同旬比+15.3%程度の増加、金額は前年同旬比0.0%程度の横這いでした。
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12月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.9%程度と、11月の+2.7%から上昇率が高まると予測。(1月24日発表)
11月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+2.9%と10月の+2.3%から伸び率が高まり、39カ月連続で上昇しました。生鮮食品が前年同月比は+8.7%と10月の+2.1%から大きく伸び率を高め、前年同月比寄与度差は+0.29%の上昇要因になりました。キャベツが+61.0%、みかんが+14.7%と大幅に上昇しました。
11月のエネルギーの前年同月比は+6.0%で、10月の+2.3%から伸び率を高め、前年同月比寄与度差は+0.28%の上昇要因になりました。「酷暑乗り切り緊急支援」による押し下げ効果が11月は前年同月比寄与度▲0.34%で、10月の▲0.54%から縮小したことなどが影響しました。
11月の生鮮食品を除く食料は+4.2%で、10月の+3.8%から上昇、前年同月比寄与度差は+0.08%の上昇要因になりました。価格高騰が続くうるち米(コシヒカリを除く)は+64.7%も上昇しました。原材料価格の高騰でチョコレートが+29.2%上昇しました。
11月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合は、前年同月比で+2.7%と10月の+2.3%から0.4ポイント伸び率が高まり、39カ月連続で前年同月比上昇になりました。
11月の全国消費者物価指数・生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は前年同月比+2.4%上昇で、+2.3%だった10月から0.1ポイント伸び率が高まり、32カ月連続での前年同月比上昇になりました。
12月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+3.4%程度と11月の+2.9%から0.5ポイント程度上昇率が高まり、40カ月連続の上昇になると予測します。前月比は+0.6%程度とみました。
12月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+2.9%程度と11月の+2.7%から0.2ポイント程度上昇率が高まり、40カ月連続の上昇になると予測します。前月比は+0.4%程度とみました。12月の全国消費者物価指数・生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+2.4%程度と11月の+2.4%と同程度の上昇率で、33カ月連続の上昇になるとみました。前月比は+0.2%程度と予測しました。
既に発表されている12月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と12月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータなどを参考にして予測しました。
12月の東京都区部消費者物価指数・総合・前年同月比は11月の+2.5%から+3.0%に0.5ポイント伸び率が高まりました。なお、東京都では24年度から高校の授業料助成の所得制限を撤廃し実質無償化した影響で、東京都区部の前年同月比の方が、全国に比べ低い状況にあります。教育授業料等は前年同月比▲15.3%で、内訳の高等学校授業料(私立)は同▲61.7%となっています。
12月の生鮮食品は前年同月比+17.0%と11月の+9.7%から上昇率が7.3ポイント高まり、前年同月比寄与度差は+0.30%の上昇要因になりました。
12月のエネルギーの前年同月比は+13.5%と11月の+7.4%から上昇率が高まり、寄与度差は+0.30%の上昇要因になりました。なお、11月にあった「酷暑乗り切り緊急支援」による押し下げ効果がなくなったことが総合指数を押し上げました。
12月では、生鮮食品を除く食料の前年同月比+4.0%と11月の+4.0%とほぼ同じ上昇率で、寄与度差は▲0.01%のほぼ中立要因になりました。12月の前年同月比は、トマトが+56.0%、うるち米(コシヒカリを除く)の+62.9%上昇しました。牛肉(輸入品)は+11.9%、チョコレートは+29.3%と11月に続き2ケタの上昇率になりました。12月の宿泊料は前年同月比+5.2%でした。
12月生鮮食品を除く消費者物価指数・総合・前年同月比は+2.4%上昇と11月の+2.2%から0.2ポイント伸び率が高まりました。一方、12月の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数・総合・前年同月比は+1.8%上昇と11月の+1.9%から▲0.1ポイント伸び率が鈍化しました。
12月の大阪市消費者物価指数をみると、総合は・前年同月比は+4.3%で11月の+3.5%から0.8ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品を除く総合・前年同月比は+3.7%で11月の+3.2%から0.5ポイント伸び率が高まりました。生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+3.0%で11月の+2.9%から0.1ポイント伸び率が高まりました。
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