阪神タイガースが「アレ」した年は、景気と株価はどう動く?―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2023年6月14日)―
好きなチーム第2位の阪神タイガースが、セ・リーグの首位を走り、オールスターゲーム・ファン投票中間発表では8部門で1位と躍進
阪神タイガースは秋季練習の初日だった昨年10月24日、15年ぶりに復帰した岡田彰布監督が、練習前に「1年目から、来シーズン、当然優勝を目指して。今日だけ優勝と言います。明日からは「アレ」としか言わないけれど。明日から「アレ」にしな。」と選手たちに訓示しました。
阪神は5月には球団月間最多タイとなる19勝を挙げました。セ・パ交流戦では6月14日までで6勝7敗1分と、もたついているものの、60試合戦った時点で37勝21敗2分け・勝率6割3分8厘、セ・リーグ首位で、28年ぶりの「アレ」を目指しています。
首位を走る阪神が「マイナビオールスターゲーム2023」ファン投票でも躍進を続けています。6月14日に更新された中間発表によると、セ・リーグでは引き続き、先発投手部門の村上をはじめ、中継ぎ投手部門が岩崎、抑え投手部門が湯浅。一塁手部門が大山、二塁手部門が中野、三塁手部門が佐藤輝、遊撃手部門が木浪、外野手部門では近本が1位(ノイジーが3位)と、阪神から8人が1位となっています。捕手部門では梅野が2位で、5月31日時点で3万5,834票差あった1位の巨人・大城との差が4,758票差まで肉薄してきています。
2023年・読売新聞の世論調査(調査期間:2023年1月24日~2月28日) 好きな見るスポーツ・ランキングの第1位は39%のプロ野球でした。
2023年調査でプロ野球チームの中で好きなチームは、第1位が巨人(17%)、第2位が阪神(8%)、第3位はソフトバンク(5%)でした。「興味はあるが好きなチームはない」が18%で、「興味がない」が28%でした。なお、近年では少数点以下は表示されなくなりました。
ちなみに、阪神タイガースが最後にセ・リーグを制した2005年の調査で、プロ野球チームの中で好きなチームのベスト3は18年後の2023年と同じですが、第1位・巨人(26.6%)、第2位・阪神(12.5%)、第3位はソフトバンク(4.3%)でした。人気球団の巨人・阪神の順位は変わらないものの、昔の方がファンの割合が多かったことがわかります。
なお、2005年の「興味はあるが好きなチームはない」が13.0%で、「興味がない」が22.4%でした。現在の方が、どちらも回答割合が多くなっています。
人気球団である阪神タイガース優勝は、実質GDP成長率や、年末の日銀短観の前年差変化幅に、概ねプラスに働くとみられる
阪神タイガース優勝年は、実質GDP成長率が高い関係があるようです。1973年以降2022年までの50年間での実質GDP成長率の暦年成長率の単純平均は+2.07%でした。阪神タイガース優勝が優勝した1985年、2003年、2005年の暦年・実質成長率の3回の平均は+2.83%で50年間の平均を上回っています。
1973年以降2022年までの50年間での日銀短観・大企業・全産業12月調査の前年差変化幅の平均は▲0.2ポイントです。人気球団の巨人の優勝年では改善・悪化が概ね半々ですが、前年差変化幅の平均は+5.7ポイントの改善です。人気2位の阪神の優勝年では改善が2回・悪化が1回ですが、前年差変化幅の平均は+1.7ポイントと改善です。残る4球団(ヤクルト・広島・中日・DeNA)の優勝年では改善が12回・悪化が15回ですが、平均は▲4.7ポイントの悪化になります。
過去50年間で阪神は3回セ・リーグ優勝。優勝年の日経平均株価は前年比が2ケタ上昇
阪神タイガースのセ・リーグ優勝年と日経平均株価の関係をみてみます。2リーグ制になって以降、阪神のセ・リーグ優勝した5年の中で、1962年と1964年の2回は日経平均株価の前年末比は下落、1985年、2003年、2005年の3回は日経平均株価の前年末比は上昇です。日経平均株価の前年末比の5回の単純平均は+15.4%の上昇です。過去50年間での阪神のセ・リーグ優勝年3回の単純平均は+26.1%の上昇です。2005年は+40.2%の大幅上昇になっています。
これまでのところ、日経平均株価の前年末比は20%台の上昇です。このまま、阪神タイガースが、アレすれば日経平均株価の前年末比も高めの伸び率になることが期待されます。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。