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12月鉱工業生産指数は前月比+1.5%程度と2カ月ぶりの上昇か。12月商業販売額・小売業の前年同月比は11月と同程度の伸び率を予測。―日本の主要経済指標予測(2025年1月23日)―

12月鉱工業生産指数の関連指標は、経済産業省の予測指数補正値、景気ウォッチャー調査、ロイター短観、QUICK短観などが前月比低下を示唆だが、製造工業生産予測指数、内閣府輸出数量指数、日銀実質輸出は前月比上昇を示唆。(1月31日発表)

 12月27日に発表された11月の鉱工業生産指数・速報値は、前月比▲2.3%と3カ月ぶりに低下しました。15業種中、汎用・業務用 機械工業、輸送機械工業(除.自動車工業)、石油・石炭製品工業の3業種が上昇したものの、生産用機械工業、自動車工業、金属製品工業など11業種が低下しました。窯業・土石製品工業の1業種が前月比横這いでした。

 経済産業省の基調判断は23年7月~12月は「生産は一進一退で推移している」で6カ月連続同じ判断でしたが、24年1月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に下方修正され、2月~6月も同じ判断で据え置きでした。しかし、7月では「一進一退で推移している」に上方修正され、8月、9月、10月、11月も同じ判断で据え置かれました。

 1月20日に発表された鉱工業生産指数・11月確報値では前月比▲2.2%と速報値から0.1ポイント伸び率が、スピリッツ、麺類などにより、僅かに上方修正されました。新たに加わった食料品・たばこ工業は前月比+0.4%の上昇になりました。全16業種中、汎用・業務用 機械工業、輸送機械工業(除.自動車工業)、化学工業(除.無機・有機化学工業)などの5業種が上昇したものの、生産用機械工業、自動車工業、金属製品工業など10業種が低下しました。速報値で低下でだった化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)が、確報値では化学工業(除.無機・有機化学工業)となって上昇に転じました。窯業・土石製品工業の1業種が前月比横這いでした。

 1月31日に発表される12月の鉱工業生産指数(速報値)前月比は+1.5%程度と2カ月ぶりの上昇になると予測しました。12月の前年同月比は+0.2%程度と11月の▲2.7%の低下から上昇に転じると予測しました。

 鉱工業生産指数・11月速報値段階で発表された製造工業生産予測指数の12月は前月比+2.1%の上昇の見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、12月の前月比は先行き試算値最頻値で▲0.3%の低下の見込みです。90%の確率に収まる範囲は▲1.6%~+1.0%になっています。

 12月の輸出関連の様々なデータの前月比はしっかりした増加になりました。輸出向けの生産は増加したと思われます。12月の財務省貿易統計で名目データの輸出金額の季節調整済み前月比は+6.3%の増加になりました。12月の日銀・輸出物価指数は前月比▲0.5%でした。実質で増加になります。12月の内閣府輸出数量指数は前月比+8.7%の増加になりました。また、12月の日銀・実質輸出の前月比は+7.4%の増加になりました。

 一方。景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は、24年1月46.7、2月48.8、3月47.3、4月46.7、5月43.0、6月42.6、7月45.4、8月43.2、9月46.5、10月45.2、11月43.8、12月42.5と、12月は11月から1.3ポイント低下しました。また、方向性を示す現状判断DIは、11月48.2、12月47.2と、12月は11月から1.0ポイント低下しました。

 ロイター短観(400社ベース)の製造業・業況判断DIは、11月の+5から12月は▲1と6ポイント低下していました。QUICK短観の製造業・業況判断DIは、11月の+22から12月は+21に1ポイント低下しました。

 このような関連データを、総合的に判断し予測しました。

※2024年12月は筆者予測値


12月商業販売額・小売業の前年同月比は+2.8%程度と11月の+2.8%と同程度の伸び率になると予測。(1月31日発表)

 12月27日に発表された商業販売額・小売業・11月速報値の前年同月比は+2.8%と10月確報値の+1.3%から1.5ポイント増加率が高まりました。1月16日に発表された11月確報値では、商業販売額・小売業の前年同月比は+2.8%で速報値と同じ伸び率でした。

 1月31日に発表される12月速報値の商業販売額・小売業の前年同月比は+2.8%程度と11月確報値の+2.8%と同程度の増加率になり、22年3月にプラスに転じて以降34カ月連続増加になると予測します。

 自動車小売業の12月前年同月比は11月の▲2.1%から悪化するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の12月前年同月比は▲7.0%で、11月の▲3.9%から減少率が拡大しているからです。

 一方、燃料小売業の12月の前年同月比は11月の+3.4%からは改善するとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、12月は+1.1%程度と11月の+0.6%程度から上昇率が0.5ポイント程度高まっています。

 また、12月の大手百貨店4社の売上高・前年同月比の単純平均は+8.3%で11月の+8.1%から0.2ポイント改善していることを参考にして、各種商品小売業・12月前年同月比は11月の+0.9%からは若干改善するとみました。

 景気ウォッチャー調査で11月から12月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、46.8から47.8へと1.0ポイント上昇しています。

 これらの関連データの動きを総合的に判断し予測しました。

※2024年12月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。