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1月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲16.7%、11月、12月速報値に続き3カ月連続減少。1月の完全失業率は2.4%程度と12月から横ばいを予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年2月16日)―

1月新設住宅着工戸数の前年同月比は、8カ月連続減少か(2月29日発表)

 1 月31日に発表された12月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲4.0%の6万4,586戸と7カ月連続の減少連続減少しました。物価高や資材価格高騰による物件価格の上昇で、購入意欲の低迷が続いています。季節調整済み年率換算81.4万戸で前月比+3.1%と、11月の減少から増加に転じました。

 持ち家は前年同月比▲13.8%で25カ月連続の減少、貸家は前年同月比▲3.6%と5か月連続の減少になりました。分譲住宅は前年同月比+5.5%で7カ月ぶりの増加となりました。

 1月の新設住宅着工戸数の前年同月比は▲3.6%程度と減少率は12月からやや縮小するものの8カ月連続の減少になると予測しました。1月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は83.8万戸程度、前月比は+3.0%程度の増加になるとみました。

 景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、23年7月に42.8と23年の極大値をつけた後、8月41.6、9月43.9、10月39.5、11月39.0と概ね低下傾向で推移しましたが、12月41.1、24年1月は45.1と上昇に転じていることなどを参考に予測しました。

※2024年1月は筆者予測値

1月有効求人倍率は1.28倍程度と12月の1.27倍からの上昇を予測(3月1日発表)

 1月30日に発表された12月の有効求人倍率は1.27倍で、前月を0.01ポイント下回りました。  12月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ+0.2%の増加となり、有効求職者(同)は+0.5%の増加となりました。なお、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍となり、前月を0.01ポイント下回りました。。

 有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。

 23年中の動きをみると、1月の1.35倍から次第に下がり、12月には1.27倍となりました。10月に0.01ポイント上昇したことを除いて、残りの月は横ばいか低下で前月を上回りませんでした。製造業や建設業では高騰する原材料費に資金を回すため新たな求人を控えているようです。宿泊や飲食業はコロナが5類に分類されたことなどで年前半は求人が活況でしたが、後半に勢いが鈍化しました。

 なお、有効求人倍率は1月分発表時に過去に遡って季節調整値が変更になります。
 
 1月の有効求人倍率は 1.28倍程度を予測します。予測通りなら12月から0.01ポイント上昇することになります。

 景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は23年7月に54.4と23年の極大値をつけた後、8月52.5、9月51.8、10月51.3、11月49.5と低下傾向で推移しましたが、12月51.7、24年1月は51.1と概ね横ばいに転じました。一方、現状判断DI(季節調整値)は23年11月51.2の後、12月52.7。24年1月53.3と2カ月連続で上昇しました。

 また、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は12月2.26倍で、11月の2.26倍と同水準でした。一方、12月の有効求人倍率を小数点第4位までみると1.2745倍 で1.28倍に極めて近い数字であったことなど、総合的に考慮しました。

※2024年1月は筆者予測値

1月完全失業率は 2.4%程度と12月と同水準か(3 月 1日発表)

 1 月30日に発表された12月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.4%で11月の2.5%から0.1ポイント低下しました。12月は就業者数が6,754万人と前年同月比+0.6%で17カ月連続の増加になりました。完全失業者数は156万人と前年同月比で▲1.3%と2カ月ぶりの減少に転じました。求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が2万人の減少、「自発的な離職(自己都合)」が5万人の増加、「新たに求職」が3万人減少しました。

 ちなみに、12月の完全失業率は小数点第2位までだと2.43%です。11月の2.54%から0.11ポイント低下しました。12月の女性の失業率は2.02%で11月の2.39%から0.37ポイント低下しました。一方、12月の男性の失業率は2.77%で11月の2.68%から0.09ポイント上昇しました。11月から12月にかけての失業率の動きは、男女で逆方向になりました。

 1月の完全失業率(季節調整値)は 2.4%程度と 12月の 2.4%と同程度になると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.42%、2 月2.60%、3 月 2.81%、4 月 2.59%、5 月 2.55%、6 月 2.48%、7月 2.65%、8月 2.66%、9月 2.55%、10月 2.53%、11月 2.54%、12月 2.43%と推移しています。これらの季節調整値は24年1月分発表時に変更になります。

 原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 23 年1月の推計季節指数は0.986で 23 年12月の0.926より大きい。24年でも同様になるとみられるため、季節調整値の完全失業率は12月の 2.4%から大きく上昇する可能性は小さいとみました。

 自殺の原因には経済・生活問題も多く、78 年から 23年までの 46 年暦年の完全失業率と自殺者数(警察庁)の相関係数は 0.912 と完全一致の 1 に近い強い正の相関があります。12月暫定値時点では、23年の自殺者数の前年同月比は 23 年 1 月+9.0%、2 月+11.1%、3 月+1.9%、4 月+8.4%の増加のあと、5月は▲12.5%と13 カ月ぶり減少になり、その後6月は▲9.6% 、7 月▲0.5%と減少の後、8 月+2.4%、9 月▲2.6%、10月+5.4%と増減を繰り返したあと、11月以降は、11月は▲9.5% 、12 月▲1.5%、そして24年1月▲16.7%と3カ月連続で減少しています。こうした情報を総合的に判断し、1月の完全失業率を予測しました。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。