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10月鉱工業生産指数は前月比+1.7%程度と2カ月連続上昇か。10月商業販売額・小売業の前年同月比は+0.1%程度を予測。―日本の主要経済指標予測(2024年11月20日)―
10月鉱工業生産指数の関連指標は、内閣府輸出数量指数、日銀実質輸出などが前月比低下を示唆するが、製造工業生産予測指数、経済産業省の予測指数補正値などは前月比上昇を示唆。(11月29日発表)
10月31日に発表された9月の鉱工業生産指数・速報値は、前月比+1.4%と2カ月ぶりに上昇しました。15業種中、自動車工業、無機・有機化学工業、電気・情報通信機械工業など10業種が上昇し、生産用機械工業、輸送機械工業(除.自動車工業)、化学工業(除.無機・有機化学工 業・医薬品)など5業種が低下しました。
経済産業省の基調判断は23年7月~12月は「生産は一進一退で推移している」で6カ月連続同じ判断でしたが、24年1月の基調判断については、「一進一退ながら弱含み」に引き下げられ、2月~6月も同じ判断で据え置きでした。しかし、7月では「一進一退で推移している」に上方修正され、8月と9月も同じ判断で据え置かれました。
11月15日に発表された鉱工業生産指数・9月確報値では前月比+1.6%と速報値から伸び率が高まりました。新たに加わった食料品・たばこ工業は前月比横這いになりましたが、化学工業(除.無機・有機化学工業・医薬品)が前月比+2.8%と速報値の前月比▲1.6%の低下から上昇に転じたことが影響しました。全16業種中、前月比横ばいが1業種。自動車工業、無機・有機化学工業、化学工業(除.無機・有機化学工 業)など11業種が上昇し、生産用機械工業、輸送機械工業(除.自動車工業)、パルプ・紙・紙加工 品工業など4業種が低下しました。
11月29日に発表される10月の鉱工業生産指数(速報値)前月比は+1.7%程度と2カ月連続の上昇になると予測しました。10月の前年同月比は+0.4%程度と3カ月ぶりの上昇になると予測しました。
鉱工業生産指数・9月速報値段階で発表された製造工業生産予測指数の10月は前月比+8.3%の上昇の見込みです。過去のパターン等で製造工業生産予測指数を修正した経済産業省の機械的な補正値でみると、10月の前月比は先行き試算値最頻値で+5.1%の上昇の見込みです。90%の確率に収まる範囲は+3.6%~+6.6%になっています。
一方、10月の輸出関連の前月比データは9月の反動もあり弱含みました。10月の財務省貿易統計で輸出金額の季節調整済み前月比は▲0.7%の減少になりました。10月の日銀・輸出物価指数は、原油価格、為替レートの影響が大きく前月比+2.6%でした。8月前月比▲5.2%、9月同▲1.7%だった反動も出ています。10月の内閣府輸出数量指数は前月比▲1.6%の減少になりました。また、10月の日銀・実質輸出の前月比は▲4.9%の減少になりました。輸出物価指数の急激な動きも影響してか、どの輸出の数字も弱い前月比になっています。
景気ウォッチャー調査・製造業・現状水準判断DI(季節調整値)は、24年1月46.7、2月48.8、3月47.3、4月46.7、5月43.0、6月42.6、7月45.4、8月43.2、9月46.5、10月45.2と、10月は9月から▲1.3ポイント低下しました。但し、方向性を示す現状判断DIは、9月48.6、10月49.3と、10月は9月から+0.7ポイント上昇しました。「製造業の水準はあまり芳しくはないものの、方向的には良くなっている」と景気ウォッチャーは10月では判断したということだとみられます。
ロイター短観(400社ベース)の製造業・業況判断DIは、9月の+4から10月は+7と3ポイント上昇しました。なお、10月23日~11月1日の調査期間の11月は+5に2ポイント低下しています。一方、QUICK短観の製造業・業況判断DIは、9月の+21から10月は+27に6ポイント上昇しました。なお、10月23日~11月1日の調査期間の11月は+22に5ポイント低下しています。
このような関連データを、総合的に判断し予測しました。
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10月商業販売額・小売業の前年同月比は+0.1%程度と9月+0.7%から伸び率が鈍化すると予測。(11月29日発表)
10月31日に発表された商業販売額・小売業・9月速報値の前年同月比は+0.5%と8月確報値の+3.1%から2.6ポイント増加率が鈍化しました。11月15日に発表された9月確報値では、商業販売額・小売業の前年同月比は+0.7%に、速報値から0.2ポイント上方修正されました。
11月29日に発表される10月速報値の商業販売額・小売業の前年同月比は+0.1%程度と9月確報値の+0.7%から増加率は鈍化するものの、かろうじて22年3月にプラスに転じて以降32カ月連続増加になると予測します。但し、32カ月ぶりにマイナスになってもおかしくない微妙な状況だと思われます。
自動車小売業の10月前年同月比は9月の▲3.7%からやや改善するとみました。新車新規登録届出台数(乗用車)の9月前年同月比は+1.0%で、9月の+0.8%から僅かに増加率が高まっているからです。
また、燃料小売業の10月の前年同月比は9月の▲1.6%からは改善するとみました。レギュラーガソリン価格の前年比をみると、10月は▲0.4%程度と9月の▲4.8%程度からマイナス幅が縮小しています。
一方、10月の大手百貨店4社の売上高・前年同月比の単純平均は+3.7%で9月の+5.9%から2.2ポイント鈍化していることを参考にして、各種商品小売業・10月前年同月比は9月の▲0.4%から悪化するとみました。
景気ウォッチャー調査で9月から10月への小売関連の現状水準判断DI(季節調整値)の動きをみると、45.4から41.9へと3.5ポイント低下しています。これらの関連データの動きを総合的に判断し予測しました。
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※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。