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果報は寝て待て

日々の不安や心配ごとは、だいたい夜寝て朝になる頃には解消されていることが多い。だが、ここ最近、何かと気持ちが落ち着かないからなのか、真夜中と早朝に一度目が覚めてしまい、やや睡眠不足で昼間に眠い。

先日、4月に入学した1年生向けに、自分の自己紹介を兼ねた、デザインの概論的な講義を行った。学科の全教員が半期のあいだ1回ずつ輪番で担当し、今週僕の回だった。自己紹介とはいえ、デザインの概論なので、今のデザインの潮流を語りつつ、自分がこれまで取り組んできた研究や、研究室で取り組んだプロジェクトを紹介しながら、僕のデザインに対するスタンスを1時間半みっちり語る。

毎年この概論の授業で、過去を振り返りながら自分のスタンスを話していると、やる気を再確認できて自己肯定感を高められるので、自己満足度はそれなりに高い。一方で、約140人の新入生を前におっさんのデザイン論を語るわけで、20歳以上離れた世代違いの学生たちにどんな風に伝わっているのか、いつも不安になりながら講義をする。とはいえ、講義のあとに学生たちに書いてもらうミニレポートがあり、その内容を恐る恐る読むと、さらっと口走ったことなども拾って持論としてしっかり展開して書いてくれるものが多く、ちゃんと伝わったんだと、安堵するわけである。

そんな振り返りの機会を得たことも相まって、今年は何かと新たなチャレンジが待ち構えていて、日々の方々と交渉したり、自分の考えをまとめたり、手を動かしてやりたいことに時間を費やしたり、ワクワクすることも多い。ただ、ルーチンワークではないので、終わりはなく、うまくいかないことも少なくなく、今までも同じようなことはたくさんあったはずだけれども、やはり改めて直面すると気持ちがザワザワする。特に他者との交渉ごとは、望んでいる結果にならなかったときには、どうしようもなく気持ちが落ちる。

とはいえ、立ち止まったら何も起きない。とりあえず、悪足掻きでもよいから動く。これまでも、事前に望んだ通りにならなかったことも少なくなく、でもそれによって得られた現状にはむしろ満足している。今回もそうなることを信じて、日々昼間から眠くなるのは、この後満足できる結果を早く獲得するための伏線なのかもしれない。

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