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〈ライアーのおてくにっく〉音留め、音消しは必要ですか?の質問への回答

まずは、ライアーの
音を留める意味、音を消す意味を
考えてみよう。

なぜ必要なのか?

それは、
弾いた後、音は長く残り、
次の音、または前の音と
重なってしまうから。

重なるということは、
そこに音程が生まれ、
和音が生まれる。

その和音は、音楽的、楽譜的、時代的に、
必要か必要でないかが決まる。

ということは、すべての音を
留めながら弾くという行為は、
ナンセンスであり、必要ない。

アトリエには、時々こういった人が来る。

調弦に時間をかけ過ぎ、
やっと弾ける時間になったら
弾くたびに音消しをして、
最後には弾けなくなって相談にくるのだ。

耳が疲れて硬直し、
少しの混ざり合いも許さない状態だ。

いったい何が起こって、
そんなになってしまったのか。。

本当にかわいそうである。

残音が気になるなら、
他の楽器を選ぶべきであるし、
そういう楽器を作るべきだろう。

もともとこの現代使われているライアーが、
療法のために生まれた医療楽器だ
ということを忘れているのか、
または
考えていないのか、

そういうライアー教師が多いのも
事実であろう。

そうなれば、
わざと長い残音を持つ楽器として作られているライアーを使う理由はない。

高度なテクニックとライアーの意味

自然に自分の感覚で
感じられるようになるまでは、
音留め、音消しは、
かなり先でいいと私は考えている。

というのも、自身が何をどのような
力の配分で弾いているのか、

自然に考えられるようになることが
先ではないか?

表面上学問的に見える頭で弾くのは、
避けなくてはいけない。

まずは自然にまかせて、
その楽器が与えられた音の命を
体感しながら聴くことに
ライアーの意味がある。

理論は、後からつけていくのが、
正しい学問であり、

仮説ばかりの音楽は成り立たず、
逆に危険である。
また逆に結論ばかりを追い求める音楽も、
辛いものである。

ライアーの残音は、
わざわざ長く作られているのだから、
それを抑えるということは、
演奏者の気持ちを抑えることになる。

それは抑える表現となり、
リラクゼーションやセラピーから
かけ離れている。

毎回と言っていいほど、
ワークショップやコンサートで
私がこの話しをするのは、
大切なテクニックと
考え方の順番の必要性があるからである。

ライアーの音留め、音消しは、
高度なテクニックのひとつである。

音の聴き方

日本の紙と木の建物と
ヨーロッパの石造りの建物の違いがあり、
町やレストランで響く音の混ざりは、
非常に異なる。

ライアーが、
そういった西洋で生まれた楽器であることを
考慮すれば、
音留め、音消しの意味も変わるだろう。

また音の聴き方は、耳の成長と共に
深みが出てくる。

そしてその成長に欠かせないのが、
心の置き場を作ることであろう。

それは、疲れた耳をも癒し、広げて、
よりいいリラックスをさせてくれるだろう。

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