〈森ネコ家ネコ〉声が出ないよ、サイレント・ミャウ

多頭崩壊の部屋で8年間もの間、
きゅーきゅーな生活をしてきた
セバスチャン。

動物愛護センターで、
ギリギリ期日にもらってきた。

うちに来てから、数日間、
布を被せたケージの奥で微動だにしなかった。

いつ見ても同じ体勢で、同じ場所に座っていて、
毛の生えたオブジェと化していた。

3日間、おしっこしなかったら病院に。。
と言われていたのだけれど、
期日過ぎても動かない。

ネコトイレは、きれいなまま。

私からの沈黙の圧力が、
ネコに伝わってるからか？

時々顔を出して、
名前を呼び、おそるおそる撫でてみる。

セバスチャンが反応する。

んん。。？
口でニャーと言うけど、
無音だ。

ニャンにも私には、聴こえない。

ネットで調べると、
「サイレント・ニャー」とか
「サイレント・ミャウ」
と言うらしい。

超高周波の声、
ネコ同士だけ、通じる音らしい。

ネコはできるんだ、
ノン・バーバル・コミュニュケーション。

セバスチャンは、動く時は、
ガサガサゴソゴソと静かに動いていた。

セバスチャンが初めて声を出したのは、
私がエサの用意をしている間だった。

いい匂いに我慢しきれずに
思わず鳴いたようだった。

ニャ〜。。

わっ、鳴いた！

本物のネコだ！

約3か月かかったよ！

感動の一瞬だった、と同時に、

魚が好きな
食いしん坊なおじさんネコだと
知った日でもあった。