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星降る夜に〜これはグリーフのドラマだと思いました

毎週楽しみにしているドラマの中のひとつ。

"星降る夜に"

これは、最初はピュアラブストーリーだと思って観ていた。
 
一星と鈴先生のイチャイチャしてる場面も好感が持ててキュンするし、ながら見じゃなく毎回見逃し配信でじっくりと観ているドラマだ。

ところが第8話を観て私は号泣してしまった。

それはムロツヨシ演じる伴と言う男性の登場から
甘いラブストーリーがちょっと恐怖のサスペンス味を帯びてきて、サスペンスドラマなら、悲嘆により
逆恨みをして嫌がらせ以上の事を次々とする伴は、
正義の味方によって逮捕されて終わるだろう。


.....が、

この8話でドラマの本質が見えた気がした。

それは グリーフだ。

一星(北村匠海)は突然両親を亡くしているし

鈴先生(吉高由里子)はドラマ1話で母親を亡くした。

深夜先生(ディーンフジオカ)は奥さんと子供を出産時に亡くし

一星の職場である「遺品整理のポラリス」の社長・北斗千明(水野美紀)の娘、桜(吉柳咲良)は、
幼い頃に産みの親から「捨てられ」ている。

他に看護師長は女手ひとつで息子を育ててきたり

とにかくそれぞれに何かしらアル。

何かしらアルだけなら、ドラマじゃなくても現実でもそうだろう。

この8話で、似た境遇ながら悲嘆とどう闘ってきたかを対照的に描いていたのは
暴れる伴と、医師を目指し叶えた深夜先生だ。

だけれども

鈴先生は深夜先生に
"暴れていいんですよ。泣いたり叫んだりしていい"  と言った。

その言葉で、出産時に突然、妻を亡くした伴が、
深い悲しみを受け入れられずに

"鈴先生のセイで妻が亡くなったのだ"

と、
攻撃的な行動を起こす気持ちが、

異常ではなく、妻が亡くなったと言う事実を受け入れるために誰かのセイにして、そこにエネルギーを持って行くことによってなんとか毎日を生きている。。。

それだけのコトなのだと言うことが描かれていた。

でも
誰か(何か)のセイにしても
結局は自分が苦しいだけなのだ。

それに気づくかどうかの違いで
随分と
悲しみとの向き合い方が違ってくる。

"悲しい" のに
  更に
         "恨む" ことをするなんて

とてもじゃないが私には そんな感情は
 持ち切れない。

  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

次男の死後も 納得出来ない事が無かった訳ではないが、私は数日でその考え方を手離した。

いくら考えたところで、次男を亡くした私の気持ちを本当にわかってくれる人はいないからだ。

だって、次男の母親は私だけだから。

私は悲しい。

一生悲しい。

それは誰のセイでもないし
誰が悪いワケでもない

ただ 起きてしまったコトなのだ。

ラクになりたい。

辛すぎる。

何も考えなければいいんだ。

そう思った。

今思うと あの時

自分の心と精神を守ったのかもしれない。

話しがそれました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

伴ほどでは無いにせよ、
私が関わったことのある
いくつかの
グリーフのコミュでは
子供を亡くして
納得行かないコトを抱えている人ほど
悲嘆が深くて
鬱傾向になり
通常の生活が出来なくなっているようだ。

誰かを恨む
誰かのセイ
自分の気持ちを逆撫でする言葉を浴びた

などなど。。。

でも

暴れていいんです。

泣いて
わめいていいんです。

みんな
闘っている。

鈴先生が言っていた

悲しみが鎮まる

と言う言葉。

無くなりはしない。

だけど

鎮まると

辛くは無い。

でも
時々
また
溢れ出す。

第8話を見て

一見、犯罪者みたいだったけど
ムロツヨシさんの
演技に、表情に、
私は
自分の悲しみが重なり
号泣した。

私の内心にも
伴はいる。

一見、穏やかにしているけど
おディーン様の内心にも
悲しみが渦巻いている。

私の内心にも
深夜先生はいる。

そう
思った。

最後に一星が伴を抱きしめた。

伴の心に優しさが染み入った瞬間だった。

そして私は

このドラマはグリーフケアだと感じた。


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