秋田県男鹿(おが)で私が見た景色。
初めて訪れる、「男鹿(おが)」という場所。
「町がなくなるから。」
という岡住さんの言葉を聞いて、消滅可能性都市の存在を初めて知りました。
町がなくなるかもしれないって、どういうことなんだろう。
そう思いながら、8月のお盆の時期に私は秋田県男鹿(おが)に向かいました。
人口減少も高齢化も日本一と言われている、秋田県へ。
(ちなみに「男鹿」を最初「おとこじか」と読んだ私は、当然秋田に行くのも初めてです。
この場を借りて「おが」と読めていなかったこと…こっそり懺悔します…!)
GOOD NEWSが新しくローンチしたレモンケーキのブランド、「早苗饗レモン(さなぶりれもん)」。
お酒づくりで生まれる酒かすを利活用したレモンケーキは、
しゃりっ、ふわっと、爽やかなレモンと酒粕がほんのり香る軽やかなレモンケーキです。
秋田県男鹿でクラフトサケ醸造所を軸にまちづくりを行っている「稲とアガベ」の代表岡住さん。
そして、GOOD NEWS代表の吾一さん。
この2人の対談取材が今回の旅の目的です。
ふと。この2人、使う言葉の種類が似ているなあと時々思います。
具体的にこれ、というわけではないのですが、
「人間のこういうところが尊い」
だったり、
「この景色が美しい」
だったり、そういう言葉な気がする。
思っていても少し躊躇ってしまうような言葉を、そのまま表現する2人の言葉は、まっすぐで美しいなあと感じています。
クラフトサケ作りを中心に町づくりに取組む、それがどういうことなのか。
自分でリリースを書きながらも輪郭は少しぼやけていたのが、実際に男鹿に行って、その輪郭は少しだけはっきりした気がします。
そこに広がっていた景色。
ちょうど私たちが男鹿に行った日の夜は、猩猩宴(しょうじょうえん)というお祭の日。
猩猩(しょうじょう)は、海に住む酒好きな妖精のことで、酒を振る舞うと陽気に踊り出し、共に酌み交わした人に、幸運や富をもたらすめでたい存在として知られているそう。
作り手も飲み手も一緒に楽しみ、陽気に踊りあい、幸せが訪れるそんなお祭です。
そこは、地元の人も秋田以外からきている人も、みんなが一緒にお酒を飲み踊り、自由に楽しむあたたかい場所でした。「田舎にはお祭りがあって、そこには伝統があって、文化がある。素敵だよね。田舎には何もないって言うけど、そうは思わない。ありすぎてわかないんだと思う。」って吾一さんがさらっと言った言葉。
本当にそうだなって実感するような、そんな体験でした。
ちなみに、せっかくなのでお祭りのヤグラの上で吾一さんと岡住さんの対談も実現。
前日の夜はひるねで酔っ払って同じことを何度も話していた2人ですが笑、ヤグラの上では”早苗饗(さなぶり)”について感じたことを話してくれていました。
いい時間でした。
そして今回、男鹿に言って衝撃だったのはその圧倒的な自然でした。
稲とアガベの写真を見た時、醸造所の写真も近代的なイメージがあったのですが、岡住さんに教えてもらったスポットを訪れると、それはもう圧巻!
日本が島国であることを感じるような、なんだかそんな気持ちでした。
●寒風山(かんぷうざん)
坂道が苦手な私は休み休み。時々足手まといになります。
●入道崎(にゅうどうざき)
あ、私いま日本地図のここにいるんだ、って思った場所。
●八望台(はちぼうだい)
息を飲むってこういうことなんだ。しばらく言葉が出なかった。
●滝の頭(たきのがしら)
稲とアガベのお酒の水源地でもあるそうです。
この自然を見るだけでも行く意味がそこにあると思う。
そう強く感じることができました。
そして、稲とアガベが手がける宿「ひるね」で宿泊させてもらった翌日は、
稲とアガベが展開するラーメン屋さん「おがや」へ。
駅前に、おがや、SANBURI FACTORYなど稲とアガベのお店があって、宿「ひるね」があって。
「この町でできることは全部やろうと思って、閉まっているシャッターを開けていきたいと思った」と語る岡住さんの言葉を思い出しました。
町の至るところに、稲とアガベチームのみんながいて、地域の方と稲とアガベのチームが日常の会話を繰り広げていて、
私は一部を見ただけだけど、それが町全体のような気がした。
クラフトサケ醸造所を軸にまちづくりを行っている「稲とアガベ」。
素敵なチームです。
ちなみに、稲とアガベの醸造所も見させてもらったのですが、
元々駅舎だった場所だそうで、改札やホームの名残がそこにはありました。
ここで作られるお酒作りにおいて出る、なかなか活用されにくい酒粕。
稲とアガベは酒粕を「発酵マヨ」だったり自社でも利活用しているそうです。
今回私たちが早苗饗レモンに使える酒粕の量はすごく多いわけではないけど、お菓子を通してこの背景を一人でも多くの人に届けたいと思っています。
よい知らせ。
私はお酒をまったく飲みません。
今まで、お酒に興味をもったりその背景を知ることも正直ありませんでした。
でも、そんな私が秋田の男鹿でお酒つくりをする稲とアガベチームのことを知る。
男鹿さえも読めなかった私が、こうしてクラフトサケ造りを通して町づくりに取組むということを知って、感じて、隣の人に伝えていく。
きっと私みたいな人が1人でも増えることが、社会にとってのちょっとした「よい知らせ。GOOD NEWS」なんだと信じています。
早苗饗レモン。
その想いをのせた記事、前編・後編のリンクをのせます。
ぜひ読んでほしいです。