見出し画像

今月の1冊~2022.07

2022年、7月。
夏の到来。ほんとに暑い。
そして来る夏休み(こどもたちの)の前に私も夏休みにしようという作戦をたてつつの一か月でした。会いたい人に会ったり、美術館にいったり、ささやかにバカンス。ちょっとした非日常というか解放感大事だなとしみじみ。普段の生活のちょっとした延長に素敵なものたちはいっぱいあるなぁ。ほんとは旅したいのですが。今月はそのチャンスなかったなぁ。

読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!

今月は、
マカン・マラン
古内一絵 

夜食カフェ。ドラッグクイーン経営。
キーワードを聞いただけでちょっとドキドキしてしまう・・・
そして出される食べ物は、心の底から優しい、全力でカラダをいたわってくれる品々。訪れた人のほっとできる場所。そんなカフェに不思議なご縁で招かれたお客さんたちのストーリーがいくつも綴られています。みんな心のどこかにモヤモヤを抱えていて、それでも頑張って生きている、そんな感じのひたたちがある日このカフェに呼ばれ、そして心の解凍作業をしていくような温かいお話です。

気持ちのもやもやに対処するのと身体を気遣うのとは、とても深い関係があるなと。気持ちと体とどちらかに悩みを抱えるとなんとなく両方ともいまいちな感じになっていくというか。だからこそ、どちらかに小さな変化を感じたときには、気持ちにも身体にも、どちらにも十分にいたわりが必要なんじゃないかなと思います。
そのいたわりがこのドラッグクイーンの経営している夜食カフェには存在しています。身体を温めてくれる食べ物がでてきたり、ちょっとした会話で気持ちも落ち着くことができたり。何よりもその場所があんしんないろいろなものを提供してくれているというか。家とも仕事の場所ともちがう、一息つける場所というのは貴重なものですよね。

生きていくうえで、しかも何等かの責任を担っていれば猶更、厳しい側面と折り合いをつけていくことは増えていくのではないでしょうか。どれだけ充実していても、やはり自分ではどうしようもないような、そんな瞬間に直面してバランスが崩れることがあると思います。そんなときに、どうすればよいか?この問いに対しての選択肢を持つということが大切なんだなと気づく1冊でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?