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みどりの王国 カテゴリー/めくる no.2
みどりの王国 /写真:戎 康友
文:鈴木るみこ
この本の背表紙を見た瞬間、手が勝手に
動き出し、棚からスーと取り出していた。
そしてページをめくって眺め、直ぐに
虜になった私。
北大阪急行線の"緑地公園駅"近くにある、
抜群のセンスと居心地の良さを感じる本屋さん
『blackbird books』での出来ごと。
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私は本の帯がクシャクシャになるのが苦手で
すぐに外したくなるのだが、この本の
帯の文句が、凄く良くて外せない!笑
だって本の内容そのものを、
表していると思うから。
人はなぜ庭をつくるのだろう
庭を愛するのだろう
庭に夢をみるのだろう
その答えが、
この本の中にはあるのです
ー 川上弘美(小説家) ー
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ページをめくると、あじわい深いイギリスの庭
や庭人の写真が目に飛び込んでくる。
ちょっぴり懐かしい雰囲気もあり惹き込まれる。
眺めているだけで、気分が落ち着いてくる
素晴らしい本。
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想像を掻き立てる
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一枚一枚丁寧に写真を眺め、ページをめくる。
そのめくる動作そのものが、なんか愛おしく
なってくるから不思議。
文章はもちろん有る。が、未だ最後まで
読めていない。
私にとってこの本は眺め、めくるモノなのだ。
面白いのが、この本と対照的な本を同時購入
したコトだ。
その本はひたすら読み込んで情景を自ら想像して
楽しむ本。
その本も"みどりの王国"の時と一緒で本棚から
手が勝手にスーと取り出した本だ。
センス•オブ•ワンダー/レイチェル•カーソン
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自然が雄大で繊細である事を余す所なく描写され
ているので、情景を想像するのは難しくない。
というか勝手に想像するのが楽しい。そんな本。
所々に著名な写真家川内倫子さんの写真が有る
のだか、こちらは逆にあまり眺めない。笑
普段、川内倫子さんの写真は好きなのだか、
この本に限ってわだ。
想像を掻き立てる文章が素晴らしい。原文は英語なので私は読めないが、この翻訳で十分に楽しめる。なんでもこの翻訳家の方は著者のレイチェル•カールソンを大変尊敬されているらしく、その気持ちが翻訳にも現れている気がする。
便利なものに囲まれている現代社会にふと
疲れた時にこの本を読むと、自然に触れられ
心が洗われる、そんな気がする。