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独立記念日の大切さ
2014年以来9度目の・・・デフォルト、で不安がられているアルゼンチンですが、そんなこと知らんがなという感じで街は落ち着いています。
本日5月25日はアルゼンチンの独立記念日です。まだクアレンテーナ中でイベントごとは何もありませんが、店内などはアルゼンチンカラーの水色の飾りで彩られています。
スペイン王国からの独立から210年を迎えました。1810年は日本で言うと、江戸時代の後期。松平定信の頃でしょうか。
今月は独立記念日以外にも、国歌の日、国章の日、semana de mayo(5月の週)など、国の大切な日が、たくさんありました。
国章の日には全学年で国章またはアルゼンチンカラーの水色のものを身につけて授業に参加し、全員が写ったパソコンの画面をスクショで記念撮影していました。
小5の二女の授業でちょうどフランス革命から南米の国々が独立していくまでを勉強していて、わたしもこれまで日本で勉強した世界史とは違う目線、違う濃さで19世紀を振り返りました。
毎日その当時の流れを読み込み、自分でまとめるというような課題です。設問がある場合も、「サンマルティンの作戦は成功だったと思うか」、「議会がそんなに変遷する必要あったか」など、意見を問うものでした。
先週末、この期間のまとめとして出されたのは、当時のカウディージョス(政治指導者)の誰かにインタビューをする質問を考える(できれば家族がカウディージョスになって答える動画を撮影する)という課題。
国内でも評価が分かれるという20ペソの人、フアン・マヌエル・デ・ロサスについて学んだばかりの二女は、どうしてインディオを追いやったんだ、一体どんな気持ちでテロ警察マソルカを動かしたんだ、と怒りのおさまらない様子で質問を考えていました。
19世紀あたりを小5で勉強するのかと思っていたら、小2の三女のスペイン語と英語の授業でも独立当時の振り返りが始まりました。1810年当時と現在の議会の絵と写真を見て何が変わったか比べるというものから、革命で重要な人物について。それに自由とは何かを自分なりの言葉で説明するとうようなものまで。
三女はまだスペイン語でも自由には話せないので、先生に「日本語でいいから自由とはなにか、自分の考えをノートに書いて発表して」と言われ、
「何かからかいほうされた気分。好きなことができるうれしい気持ちがあふれる」
と書き、そのまま日本語で読みあげました。
それから、先生が「他の国と貿易するにもスペインの王様の許可が必要で勝手にやってはいけなくて、もう自由になりたいよ!って思っていた」とか「それでもスペインの王様とけんかしたくない人と早く自由になりたい人で対立した」など、かみ砕いた説明をしてくれている中、突然三女が思いついたように
「あー!それでみんなスペイン語しゃべるんだ!」と声を上げました。
世紀の大発見をしたような得意顔で手を挙げてアピールし、「por eso habla español?(それでスペイン語話すの?)」とたどたどしく発言していました。
2年生の「国章の日」は、自分の国章を身につけて写真を撮って送るのが課題で、日本のマークなんて日の丸以外にあったっけ??とピンときていませんでしたが、パスポートにあるやつか!と思い出し、パスポートと一緒に写真を撮って送りました。
国歌の日には、先生が君が代を流してくれて、どんな気持ちになるか、どんな景色を描くかという課題が出ました。
アルゼンチンの記念日にちなんで自分の国について改めて振り返ることになるとは・・。
そうして、すべての学年がその年齢に応じた内容で毎年この時期には独立や建国を振り返っているんですね。
建国してから210年と言っても、この土地では開拓者が来る前の人々の生活→開拓・征服→植民地→植民地で生まれた2世3世の宗主国への反感→葛藤→革命→独立→試行錯誤の政治(ざっくりだけど)という営みがあって、それを語り継いでいるというのは国の長さと比較できない大切なことだと感じました。
親子で歴史を通していろいろな気づきのあった5月ももう終わりです。
アルゼンチンカラーのリングと、ラプラタ川のさざ波をイメージした指ぬきを作ってみました。
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