GなのかBなのか。昨日の続き
ひとりで白熱、GROSS vs BRUTO論争の続き。
まず、GNPもGDPも死語だった、というところから始まります。世の中ではGNI(国民総所得)が主流らしいですが、大事なGの部分は変わってないので、よしとします。
文字の見た目で語源がわかりそうな言語に片っ端から訳していきました。その数22言語。
さて、GROSS派、BRUTO派どっちが多かったと思いますか???
結果は、
BRUTO派
Nationell bruttoprodukt BNI スウェーデン語
Bruttokansantuote BKTL フィンランド語
Bruttonasjonalprodukt BNP ノルウェー語
Bruttó nemzeti össztermék GNP ハンガリー語
bruto nacionalni proizvod スロベニア語
Produkt Krajowy Brutto PNB ポーランド語
Bruto Nationaal Product BNPオランダ語
Produsul național brut PNL ルーマニア語
Bruttosozialprodukt BSP ドイツ語
Produto interno Bruto PNB ポルトガル語
produit intérieur brut PIB フランス語
Bruto nacionālais kopprodukts NKP ラトビア語
Prodhimi Kombëtar Bruto PKB アルバニア語
Produk nasional Bruto PNB インドネシア語
Pwodwi nasyonal brit PNB ハイチ・クレオール語
19言語
GROSS派はなかなか見つからず、さらに探した結果、
Berhema Neteweyî ya Gross BNG クルド語
Groso a Nailian a Produkto GNP イロカノ語
Pruduttu Naziunale Grossu コルシカ語
の3言語が見つかりました。
英語の影響という感じでもないし、どういうことだろう。
どちらにも似ていなかったのが、
prodotto nazionale lordo PNL イタリア語
Hrubý národní produkt HNP チェコ語
Bendrasis nacionalinis produktas BNP リトアニア語
Nazio Produktu Gordina バスク語
イタリア語のlordoは、辞書で最初に出てくる意味が「けがれた」で後に「総額の」が出てきます。
そして語源は「卑劣な」「不自由な」 を意味するラテン語の lordus。どちらでもないけど、なんで語源がだいたい「キモい」系なんだろう・・。
そしてチェコ語のHrubýは語源不明ですが、英語ではrough, rude、スペイン語の ásperoにあたるので荒い、乱暴な、という意味です。
リトアニア語のBendrasisは英語に訳したら「general」とだけ出てきたので、もしかしたら一般的なという意味がメインの単語かもしれません。
バスク語のgordinaはスペイン語のgordo「太い」に似ていますが、「生の」という意味だそうです。
というわけで、brutoの圧倒的勝利でした。英語のgrossはかなり少数派です。日本は国内総生産と言うものの、英語での省略を使うし、それ以外でも「グロスで」とか使いますが、世界の多くの国で「ブルート」系列が強いことを気に留めておくといいでしょう。