Pokkiri(邦題:ならず者タミル)英語字幕、初見感想(ネタバレ有)
はじめに
3月30日(土)年度末の土曜日、正直休日出勤しないといけないレベルに忙しい時期なので、当初参加あきらめていたんですが、ぎりぎり1作品は見られる時間を捻出したので、「ならず者タミル」(原題:Pokkiri)を見てきました。
というか、プラカーシュさんが出るから時間捻出を頑張った!
英語字幕の上映の場合、映画によっては先にWikipediaで役者さんと役名くらいは頭に入れていった方が良かった場合と、完全にネタバレ回避で何も見ずに行った方が良い場合のどちらかになるんですが、今回はネタバレ回避して正解の内容でした。
作品紹介ページのあらすじ
実は今回、作品紹介ページもろくに見ずに鑑賞しまして。
チケット取る前に、出演者ちらっとみて「プラカーシュさんとナーサルさんが出るから見に行くか」という感じで、作品のあらすじ一切頭にいれなかったんですが、せめて監督がプラブデーヴァさんであること位は見ておけば良かったな、と。
初見感想
悪党2大勢力が争っている町チェンナイ。
片方は剃髪姿のNarasimman率いる勢力。もう一方はグルと仲間ログ、モナ達。(悪党の主要メンバーに女性(モナ)がいる珍しいパターン/愛人とかじゃなくて、自ら銃を撃っている)。
お金で悪党の始末を請け負っているタミルは、インストラクターのシュルティに一目惚れ。悪徳警官Govindanにセクハラされているシュルティをタミルが助けたことをきっかけに、二人は距離を縮めていく。
警察トップのモハメド・マイディ・カーン(※あらすじだとモイディカーンになっているけれど、音的にはモハメドさんだと思う)長官はマフィアを一掃するとメディアに宣言。
タミルに目をつけたNarasimmanだが、グルも彼を一目おき、タミルはグルたちと行動することに。
グルがタミルを重用することが面白くないログ。
(後から補足:このローグ……みたことあるな……誰だっけってずっと思ってましたが、帰ってウィキペディアみたら、バーフバリのクマラことスッバラージュさんでした)
ヒロイン・シュルティは母親と弟の三人暮らし。執拗にシュルティを狙う警官Govindan(ゴーヴィンダン?)は、父親がいない家だと知ると母親を脅して、娘をよこせと脅すようになる。そして隣人であるカンフー教室だか空手教室の指導者Body Soda(ボディ・ソーダ?)に対し、彼女に関する情報を横流しするよう脅す。
彼女と恋人になりたいが相手にされないBody Sodaは、彼女に近付くタミルのことを警官Govindanに知らせる。警官Govindanは彼に近付き、薬物所持の濡れ衣を着せようとするが逆に嵌められ、二度と彼女に近づくな……と屈辱の退散をさせられる。
その後、シュルティはタミルに恋心を知らせようとするところで、ギャング達がタミルを襲ってきて、それをタミルが躊躇なくどんどん殺していくことにショックを受けるヒロイン。
ここでインターミッション。
(あれ、ここまでのストーリー、誰か忘れてませんか。出てきてない人いるよね?)
俺はこんな男だから(この恋は)考え直せ的なことをいって、彼女と距離を置くタミル。
しかし彼女の身の危険を案じ、彼女を遠くから見守る。
それに気付き、ギャングでも貴方が好き、と告白するヒロイン。
警官Govindanはタミルへの腹いせか、知り合いのギャングに連絡し、シュルティの家を襲わせ、彼女が男達に襲われたように見せかける。弟がタミルにシュルティの危機を知らせにいって駆け付けるけれど、間に合わず、彼らが帰った後だった。
(※本当にヒロイン襲われちゃうのかと思ったけれど、衣服を少し切り刻まれただけで怪我もせず、大丈夫だった。でもお母さんと一緒に泣いているあたり、これは世間的には男性にお手つきされたことにされ、もうお嫁にいけないと近隣に知らしめたってことなんだと思う。でも本当に襲われたわけじゃないようだから、良かったと思う。実際、あの警官が自分以外の男に彼女を本当に襲わせるわけないか。自分のものにしたいわけだから)
彼女を襲った相手は誰なのか、目撃した彼女の弟をつれながら、犯人さがしをするタミルは、市場で警官Govindanを見つけ、彼女を襲わせた黒幕だと確信して彼を後ろから視界をふさいだ上で、こてんぱんにやっつける。
一方、グルがNarasimman一派に襲われ死亡(仲間のモナとローグは無事)。
グルのボスであるアリ・バイが報復に現れ、Narasimmanを抹殺。
やっとアリ・バイ役プラカーシュさん登場!待ったよ、待ちくたびれたよ。
映画の半分以上もう終わっているんじゃないの?という辺りでやっと登場。
ギャングのボス役か!ギラギラしていて格好良い。こんなにド派手なスーツとサングラス姿見るの初めてかもしれない。
そしてアリ・バイはタミルに接触し、仲間になるよう打診。
グルと一緒にいた女性モナって、グルの彼女じゃなくてアリ・バイの恋人だったのか。またしても自分の存在をないがしろにされるローグは面白くない。
しかし女性・子供に手をだすアリ・バイとは分かり合えない、とタミルは拒否。
そこへ警察が乗り込んできて、アリ・バイは拘束される。
モハメド長官は彼が眠ったら叩くよう、警官たちに監視させる。
アリ・バイの釈放のため、モナ達は長官の娘を誘拐し薬漬けにした彼女を男達に襲わせ、その動画を公表されたくなければアリ・バイを釈放するよう長官を脅す。
モハメド長官、泣く泣く彼を釈放。誘拐された長官の娘、アリ・バイの元に連れてこられて、彼が「男ども、この娘を〇してやれ」って指示した後に、薬うたれてもまだ正気を保っていた彼女は「お前はそのうち死ぬ」と言い放って、父親がアリ・バイを捕まえるために、捜査官をスパイとして潜入させたことを明かしている。アリ・バイに「誰だ」と詰め寄られて「リタイヤオフィサー」って吐かされて、アリ・バイが警官Govindanを使ってそのターゲット探しに奔走。
そして元警官だったShanmugavelに辿り着き、彼の元へ仲間を引き連れて現れるアリ・バイ。そして息子であるSaravana(タミルの友人の一人)を彼の目の前で殺す。しかし彼は血のつながった息子ではないことが判明。
養子とはいえ息子であるSaravanaを失って腹をくくったのか、Shanmugavelはアリ・バイの脅しにも動じなかった。
「たとえ今日11月12日に私が死んでも、11月13日はアリ・バイの命日だろう」みたいな科白を残して死んでしまう。
アリ・バイは去っていき、彼の死亡を聞きつけ、集まる警官たち。
警官Govindanはどの警官がShanmugavelの息子だか見極めるべく、じっと辺りをうかがっている。そこへタミルが登場。彼が潜入捜査官だったとしり驚愕する警官Govindan。Shanmugavelの死に涙するタミルを見て、ヒロインシュルティも状況を理解。
つまり潜入捜査のため、タミルは、Shanmugavelに対して友人の父親と接するような態度でずっと顔を合わせていたのか。
冒頭、Shanmugavelに叱られるSaravanaが、何故か彼に背を向けてずっと黙り込んでいるシーンがあって、親も背を向けた息子に対し、こっちを見なさいと振り向かせることもなかったし。言い返さない系の草食系男子な息子なのかと思っていたけれど、あれ、父親に背を向けていたのは、彼が見ているその先にタミルが居たシーンということになるのかな。
タミルがただのならず者で済まないんだろうなってことは、インターミッション前から思っていた。何故ならスター俳優がただの請負始末屋の役だけで終わるはずないよな、と。でもまさかカーキ(警官)だったとは。
タミルは警官Govindanを一人連れていき、彼に(お前がアリ・バイと繋がっていることは判ってんだよという感じで)銃をつきつけ、丁度かかってきたアリ・バイの電話を利用して、彼をおびき寄せる。
やがてどこかの倉庫らしき場所で、アリ・バイの一味とタミルの攻防戦。
たった一人で手下たちをやっつけ、諦めの悪いアリ・バイを殺す。
そして味方のふりして合流してきた警官Govindanを後ろにしながら、タミルは長官に電話をし、娘を無事救出したことを報告。そしておそらくだけど、警官Govindanが(ギャングとの戦いの中で)死亡したと報告した。
電話を聞いた警官Govindanが慌てて振り返るが、タミルは彼を撃ち殺し、エンドロール。
いろいろ
メルサルでヨギバブさんに「タラパティの物まねしてみて」って言われて、マーラン先生がいう科白は「Pokkiri」の科白らしいですね。
この作品、テルグ映画「Pokiri」(マヘーシュ・バーブさん主演)のタミルリメイクだそうで(ウィキより)、テルグ→タミルというのもあるのかぁと勉強になりました。
ギャングに襲われるタミルの横に居たヒロインが腕に怪我をして、病院に連れていかれた後、腕の傷だけなのに、なぜか個室でまるで入院するような扱いだったのは、ここに居れば安心という意味でタミルが病院を説得した(脅した)結果なのかな。その病室のシーンで、ものすごく自然な流れで、花瓶から花を抜き取って、中の水を飲むタミル。ヒロインそこにはツッコミ入れないの?スルーしていた。
この映画、とにかくソングシーンが多い。
さすがにちょっと多すぎるな……と見ていて疲弊してしまったんだけど、これは踊るヴィジャイさんを沢山見せたい監督の意思なのかな。
そう、↑上記の曲で、途中でタミルと同じ服装で出てきた人「もしかして監督さんかなぁ」くらいの気持ちで見ていたんですが、家帰ってからこの映画がプラブデーヴァさん監督作だと知って納得。そりゃ、一緒に踊るわな。
歌詞の中で「ポンガル」って何度も出てくるから、収穫祭的な意味で使っているのかな。こういう時、日本語字幕ないのしんどいですね。
いやそれにしても、ヒロインシュルティ、タミルが襲われている時にちょろちょろしないで……。ちゃんと隠れていなさいよ。ギャング達はヒロインには目もくれずにタミルを襲っていたから良いものの、場合によっては人質にとられていただろうし。
あとヒロインのAsinさんて、どの映画かすぐに思い出せないけれど、ナグ様(テルグのキング:ナーガルジュナ氏)の映画に出ていた女優さんだよなぁとぼんやり思いながら映画みてました。
で、いまウィキペディアみて、現在でもまだ38歳。この映画の時はまだ22歳。インドの女優さん、22歳でも大人っぽいな。
ナグ様で思い出したんですが、タミル映画って男性俳優ほぼ服装はだけませんが、女優さんの肌色面積たまに広すぎるなってハラハラします。
ダンスシーンで、ヴィジャイさんの後ろで踊る女性達の腰ばきの短パン姿がギリギリすぎて、あわわってなってました。せ、センシティブぎりぎりをせめている……。
Shanmugavel役、実はナーサルさんだとずっと気付いてませんでした。
髭はやしたら全然別人にしか見えなかったんで。
ナーサルさんといえば、髭無し俳優さんのイメージが強すぎた。
警官Govindan、本当に画面から滲み出る憎たらしさでした(褒めている)。初登場シーン、警察署内なんですが、なんかモゴモゴと口うごかしながら、窓に向かってペッ吐くんですよね。あれ何か食べているのか飲んでいるのか判らないんだけど、車のっている時も、窓から吐いていて。何かを口に含んでいるというより、口の中の血を吐き出しているような描写なのが気になった。何あれ。苛々して、口の内壁を日頃から噛みまくって血だらけとか?
しかもこの警官、ヒロインへのセクハラ、その母親へのパワハラだけでなく、部下で(割と誠実そうな)警官をうっかり殺してしまったギャングの死体の始末のために、打ち殺して彼のせいに仕立てたり、本当にギャングよりもある意味厄介。
タミルが潜入捜査官と知ってから、彼にヘコヘコしつつ、裏ではアリ・バイに電話連絡して、彼を殺すよう仕向け、どさくさに紛れて自分も彼を撃ち殺そうと狙う。そしてアリ・バイが殺されたと知ると、また味方のふりして姿あらわして。でもそんな彼をタミルが見逃すはずもないよな。
長官への電話の内容は、英語字幕を目で追えなかったから自信がないけれど、彼が部下の警官を事件を片付ける名目で殺した事への対比でもあって、彼がそれを上司に報告する時に多分不慮の事故によるもので……みたいなことを報告していたように思うから、タミルもそれにならったのだと。
ヒロイン、タミルが警官だと判ってホッとしているけれど、もうタミルの頭は恋愛どころじゃないわけで。
父親の葬儀のあと彼にいかないでと言うけれど、タミルは彼女の手をはがして、アリ・バイ打倒に向かうわけで。
ならず者としての言動では、ヒロインの言葉に揺れ動いた彼も、父親を失って、もうヒロインの言葉はきかなかった。
その後が描かれていないからヒロインとはどうなったか判らないが、正体が判明したからといって、素直にヒロインとハッピーエンドの道を選ぶ気がしないな。
Narasimman役のAnandarajさん。
ウィキペディアだと髪の毛あるお写真だけど、だいたいの映画で髪を剃っているイメージ。ビギルにも出ていたのか。
あと、Anandarajさんプラブデーヴァさんに打診されて、肉体改造して挑んだ映画があるって書いてあって、(勿論監督はプラヴデーヴァさん)それがアジャイさんのヒンディ映画らしい。ポスター画像だけでもなんだか面白そうで見てみたい。
プラカーシュさん、ヴィジャイさんと8歳くらいしか違わないのに、「後継者」だと(ヴィジャイさんが若者役ゆえに)「父とあんたは同世代」とか言われちゃうし、何かと実年齢よりも上の役が多い気がする。
でもさすがにこの頃は若いな。
アリ・バイが警察に拘束されたところ、え、登場してすぐもう警察に捕まっちゃった?ってびっくりした。
こちらとしては待ちに待った登場なのに、マフィアのドンらしい登場の仕方だったのに、捕まって、ただひたすら寝ない様に我慢するシーンって。
でも眠気を必死にこらえて、ふらつきながら、床に倒れるとそのまま寝そべりポーズで目を見開いて、寝てないよ~アピールするところは可愛かった。
あとヒロインの隣?に住んでいるボディー・ソーダ(凄い名前だな)さん、空手やカンフーに関係なく、謎の和風のおばちゃん髷カツラ被っている。
誰のオマージュなの。
元映画のマヘーシュさん主演の方も、プラカーシュさん、ナーサルさん、スッバラージさんは同じ役を演じている様子。
ナーサルさんを初めて見た映画が思い出せないんだけど、登場しているとやはりつい目で追ってしまう魅力のある俳優さん。
あの眼差しがなんともね……。
あと劇中歌、見ている瞬間は「タラパティ映画ではなかなか見ないタイプの演出と衣装なのでは?」などと勝手に自分のイメージと違う意外さを感じていたけれど、プラヴデーヴァさんが監督としった今なら、なんだかわかる気がしてきた。
とはいえ、この方の監督作、R…ラージクマールとストリートダンサーくらいしか見た事ないんですけれどね。
そういや一番最初の歌のシーンだったか?2番目だったか、忘れましたが、ヒロインの口にタミルが指をいれて舌をつまむシーンがありまして。
いわゆるタミルが指笛でオートを止めたのを見て、ヒロインが自分もやってみたいって舌を出したところを、主人公が指を口につっこんで……ってやつんなんですが、いやこれはさすがにヴィジャイさんでもドン引きしましたね。よく女優さん、舌を掴まれて、笑顔を保てたなぁと。自分以外の人間に、口に指いれられるのって、(たとえ親でも)生理的に身体が吐き出す動きをしちゃうもんだと思うので。これはさすがに尻を触るよりもキツイかも。
そういやR…ラージクマールでも、結構下品なシーンあったんですが、プラブデーヴァさん意外とそういうのは演出として許しちゃうタイプ?
あとコメディ担当のVadiveluさん。
まさかの単独ソングシーンがあった。
主役以外で歌のシーンあるパターン、初めて見た。
タミルがヒロインとのキスシーン妄想するところで、ラジニ様の映画のワンシーンが出てきたり、アリ・バイが長官に言い返すシーンで、「アミターブ・バッチャン」「ラジニカーント」の単語が飛び出したり、日本語字幕があったらなぁと思うシーンもところどころあったけれど、基本、字幕なくても判る話で良かった。