実家で過ごす夏休み、家族で語りたい「相続」の新ルール
夏の暑さが続く中、今年は3連休からのお盆休みで実家に帰省している方も多いのではないでしょうか。
インバウンドの影響もあり観光地は混雑しているため、実家でゆっくり過ごすことを選んだ方も少なくないでしょう。
家族と再会し、懐かしい思い出話に花を咲かせるのもいいですが、今年は少し真面目な話題を持ち出してみてはいかがでしょうか。
そう、実家の相続についてです。
最近、相続に関する法律やルールが大きく変わっています。特に注目すべきは、今年4月からスタートした「相続登記の義務化」です。
この新ルールを知らずにいると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。せっかくの帰省の機会ですから、家族で相続について話し合ってみましょう。
相続登記の義務化とは?
2024年4月1日から、相続で不動産を取得した場合、3年以内に相続登記を申請することが義務付けられました。これまでは期限がなく、登記しなくてもペナルティはありませんでしたが、新ルールでは正当な理由なく登記を怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
例えば、田中さん(45歳)は5年前に父親を亡くし、実家を相続しました。しかし、忙しさにかまけて相続登記をせずにいました。新ルールの施行後、田中さんは急いで相続登記の手続きを始めましたが、もし正当な理由なく登記を怠っていたら、過料を科される可能性があったのです。
過去の相続も対象に
注意すべきは、この新ルールが過去の相続にも適用されることです。つまり、昔相続した不動産でも、まだ登記していなければ対象となります。
佐藤家では、10年前に祖父が亡くなり、父が実家を相続しましたが、登記はそのままでした。今回の帰省で、佐藤さん(38歳)が新ルールを知り、家族で話し合いの場を持ちました。結果、早急に相続登記を行うことを決めました。
空き家問題への対策
この法改正の背景には、深刻化する空き家問題や所有者不明土地問題があります。登記が更新されないまま放置されると、所有者の特定が困難になり、地域の環境悪化や土地の有効活用の妨げになるのです。
山田さん(50歳)の地元では、長年放置された空き家が問題になっていました。所有者が分からず、対応に苦慮していたのです。今回の法改正により、こうした問題の解決が期待されています。
氏名・住所変更の登記も義務化
さらに、2026年4月1日からは、所有者の氏名や住所が変更された場合、2年以内に変更登記を申請することも義務化されます。こちらも怠ると5万円以下の過料の対象となる可能性があります。
結婚して苗字が変わった鈴木さん(32歳)は、この新ルールを知り、自分が相続した土地の登記も更新する必要があることに気づきました。
家族で話し合うべきこと
実家に帰省したこの機会に、家族で以下のような点について話し合ってみてはいかがでしょうか。
家族が所有する不動産の登記状況の確認
過去の相続で登記が済んでいない物件はないか
今後の相続の可能性がある不動産についての話し合い
家族の氏名や住所の変更があった場合の対応
高橋家では、今回の帰省を機に家族会議を開きました。
祖父の代から受け継いだ田畑の登記が更新されていないことが分かり、早急に対応することを決めました。
また、両親の高齢化に伴い、将来の相続についても話し合いの場を持つことができました。
新しい相続登記のルールは、一見面倒に感じるかもしれません。
しかし、これまでこうした義務化がなかったことの方が驚きです。
この機会に、家族で相続について真剣に向き合うことで、将来のトラブルを防ぎ、スムーズな資産継承につながるでしょう。
きっと、将来の自分たちそして子供たちに感謝されるはずです。
帰省の思い出に、ぜひ真剣な話し合いを加えてみてください。
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