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【空き家の現場で16年】肌で感じたいろいろな変化とこれからの事 その11

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不定期に書いている有料noteも今回で11本目になりました。

その1~10に関しては以下のマガジンにまとめていますので興味のある方はよろしくお願いいたします。
有料note10本分が1,000円とかなりお得です。

※このマガジンでは、相続登記義務化・空き家予備軍・農泊などについて書いています。


さて、空き家問題が注目されてもうずいぶん経ちますが、実は戸建ての空き家以外にも、都市部のマンションも空き家化が進み問題が深刻になってきているのをご存知ですか?

1 空き家問題は都市部マンションが焦点に

以前協会のメルマガで以下のような記事を紹介しました。

倒壊の危険などがあるとして全国で問題化している空き家だが、今後は都市部のマンションの空き家が深刻になるとの見方が広がっている。
高度経済成長期に大量に建てられた建物が寿命に近づいているが、なかなか建て替えが進まないためだ。
適正に管理されていない放置空き家は各地で生じており、ネズミや蚊などの虫が大量に発生したり、景観を壊したり、崩れかかって周辺に危険を及ぼしかねない状況になるなどして、周辺住民に大きな被害を及ぼしている。政府は2015年に「空き家対策特別措置法」を施行し、倒壊の恐れなどがある空き家を「特定空き家」と指定して、自治体が助言や指導を行うほか、建物を壊して、その費用を所有者に請求できるようにした。
そんな空き家問題は今後、「都市部のマンションが焦点になっていく」(東京都内の不動産関係者)と見られている。マンションは元々、人口の増加や労働者の都市流入に伴い、1970年代ごろから都市部を中心に大量に建設された。その多くが老朽化しているのだが、建て替えがスムーズに進んでいない。実際、全国で約640万戸あるマンションのうち、建て替えられたのはわずか200戸強に過ぎないという。
建て替えられない理由はいろいろある。一つは建物の老朽化と共に、住民の高齢化も進んでいることだ。高度成長期に30~40代で購入した世代は今や70~80代。多くの人は年金生活者で、建て替えの費用など負担できないとされている。
子どもがそのマンションの部屋を受け継ぐなら建て替えの意欲もわくだろうが、若い世代は親のマンションに住みたがらないケースが多い。高度成長期に建てられたマンションは駅から遠いなど、利便性に劣る物件が少なくないからだ。若い世代は夫婦共働きが多く、生活のためには部屋が狭くても、駅から近いなど利便性の良さが不可欠になっている。
一方、大きければ数十、数百世帯・数千人もが暮らすマンションではそもそも、意見をまとめることが簡単ではない。建物を解体したり、建て直したりするには住民の合意が必要だが、普段から管理組合の活動にさえ無関心な人も多い中、意思疎通を図るのは至難の業だ。
こうして、寿命が来ているのに建て替えもされず、所有者は高齢者施設に行ったり、亡くなったりして後に住む人もなく、空室がどんどん増えて、老朽化していくばかりのマンションが廃虚と化していく可能性は大きい。いずれ倒壊の恐れが出てくれば地域に影響を与える。空き家対策特措法はあるが、この法律は基本的に一戸建てを想定している。「一軒家なら解体するのに数十万~数百万円で済むだろうが、大きなマンションなら億円単位の多大な費用がかかる。自治体で対応できるレベルを超えている」と多くの不動産関係者は懸念している。
 
一朝一夕で解決できる問題ではない。とはいえ、だからこそ、国などには早急な対応が求められている。

空き家管理士協会メルマガより

総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、国内の空き家総数846万戸のうち、アパートやマンションといった共同住宅の空き家は475万戸といわれています。

これは一戸建て住宅の317万戸(37.5%)を上回り、空き家総数の56.2%をも占めています。

平成30年住宅・土地統計調査より

日本では、高度経済成長期に地方から都市への人口流入がすすみ、都市部でマンションが大量に供給されてきました。
今後これらのマンションの老朽化がいっきに進み、建物寿命をむかえる建物も多く出てくるといわれています。

国土交通省によれば、築40年を超えるマンションは令和元年末時点で91.8万戸(マンションストック総数の約14%)、10年後の令和11年末には213.5万戸、20年後令和21年末には384.5万戸と大幅に増加する見込みです。

また、1979年以前に建てられたマンション(築40年超)では、所在不明、連絡先不明の空き家住戸がある割合13.7%と高くなっているようです。

以前、滋賀県野洲市にある老朽化した空き家の分譲マンションについて、市が行政代執行による解体に踏み切ることを決めたことがニュースになっていましたが、現在では行政代執行による分譲マンションの解体はかなり珍しいことです。
このケースは鉄骨の建物であり、昔のアスベスト問題が絡むことで解体費用が一気に膨大になってしまい、そういう物件を放置するわけにもいかず結局行政が解体するという結果となりました。

人口減少がすすむ中、田んぼをつぶしてまで建てられたマンションやアパート。10年後、20年後こういったケースが今後もっと増えるのではないかと感じています。

「ここ2年ほど、管理費などが支払われていない空室がある」「一体どのように対応したら良いのか」──。

栃木県のとある分譲マンションの管理組合で、目下の悩みのタネが、この空き部屋問題です。

一般的に建築から年月が経過したマンションでは大規模な修繕が必要となりますが、いま、そのための資金不足も懸念されています。

国土交通省の調べでは、修繕積立金が当初の計画よりも不足しているマンションは全体の約35%となっています。

長年経過したマンションでは、居住者が高齢化していることもあり、修繕積立金の不足を解消することが実質的に困難である、という厳しい現状があります。
高度経済成長期に30~40代で購入した世代は今や70~80代。多くの人は年金生活者で、建て替えの費用など負担できないとされているのです。

↑の栃木県のケースでは、住人の女性が2年前に亡くなってから空室になっており、管理費や修繕積立金などが支払われていない状況が続いてました。
管理組合宛てに届け出がされている情報を元に、亡き女性の息子と思われる連絡先へ電話するとマンションの部屋は「相続放棄した」という事。

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