【空き家の現場で16年】肌で感じたいろいろな変化とこれからの事 その11
不定期に書いている有料noteも今回で11本目になりました。
その1~10に関しては以下のマガジンにまとめていますので興味のある方はよろしくお願いいたします。
有料note10本分が1,000円とかなりお得です。
※このマガジンでは、相続登記義務化・空き家予備軍・農泊などについて書いています。
さて、空き家問題が注目されてもうずいぶん経ちますが、実は戸建ての空き家以外にも、都市部のマンションも空き家化が進み問題が深刻になってきているのをご存知ですか?
1 空き家問題は都市部マンションが焦点に
以前協会のメルマガで以下のような記事を紹介しました。
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、国内の空き家総数846万戸のうち、アパートやマンションといった共同住宅の空き家は475万戸といわれています。
これは一戸建て住宅の317万戸(37.5%)を上回り、空き家総数の56.2%をも占めています。
日本では、高度経済成長期に地方から都市への人口流入がすすみ、都市部でマンションが大量に供給されてきました。
今後これらのマンションの老朽化がいっきに進み、建物寿命をむかえる建物も多く出てくるといわれています。
国土交通省によれば、築40年を超えるマンションは令和元年末時点で91.8万戸(マンションストック総数の約14%)、10年後の令和11年末には213.5万戸、20年後令和21年末には384.5万戸と大幅に増加する見込みです。
また、1979年以前に建てられたマンション(築40年超)では、所在不明、連絡先不明の空き家住戸がある割合が13.7%と高くなっているようです。
以前、滋賀県野洲市にある老朽化した空き家の分譲マンションについて、市が行政代執行による解体に踏み切ることを決めたことがニュースになっていましたが、現在では行政代執行による分譲マンションの解体はかなり珍しいことです。
このケースは鉄骨の建物であり、昔のアスベスト問題が絡むことで解体費用が一気に膨大になってしまい、そういう物件を放置するわけにもいかず結局行政が解体するという結果となりました。
人口減少がすすむ中、田んぼをつぶしてまで建てられたマンションやアパート。10年後、20年後こういったケースが今後もっと増えるのではないかと感じています。
「ここ2年ほど、管理費などが支払われていない空室がある」「一体どのように対応したら良いのか」──。
栃木県のとある分譲マンションの管理組合で、目下の悩みのタネが、この空き部屋問題です。
一般的に建築から年月が経過したマンションでは大規模な修繕が必要となりますが、いま、そのための資金不足も懸念されています。
国土交通省の調べでは、修繕積立金が当初の計画よりも不足しているマンションは全体の約35%となっています。
長年経過したマンションでは、居住者が高齢化していることもあり、修繕積立金の不足を解消することが実質的に困難である、という厳しい現状があります。
高度経済成長期に30~40代で購入した世代は今や70~80代。多くの人は年金生活者で、建て替えの費用など負担できないとされているのです。
↑の栃木県のケースでは、住人の女性が2年前に亡くなってから空室になっており、管理費や修繕積立金などが支払われていない状況が続いてました。
管理組合宛てに届け出がされている情報を元に、亡き女性の息子と思われる連絡先へ電話するとマンションの部屋は「相続放棄した」という事。
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