空き家率と魅力度ランキングのギャップ 地域の魅力は何を語る？
毎年、注目を集める「都道府県魅力度ランキング」。そのランキングと同時に発表されるのが「市区町村魅力度ランキング」です。
このランキング、地域の魅力や住みやすさを評価する指標として、多くの話題を集めています。
一方で、日本の大きな問題として「空き家率」は深刻化しており、全国で増加の一途をたどっています。
今回は、これら2つのキーワードがどのように関連しているのか調べてみました。
1. 市区町村魅力度ランキングとは？
市区町村魅力度ランキングは、地方自治体の観光、居住、産業などの総合的な魅力を測るランキングです。
株式会社ブランド総合研究所が毎年発表しており、地方自治体の評価や今後の地域政策の参考資料としても活用されています。
高いランキングに入る自治体は、多くの人々に「住みたい」「訪れたい」と思わせる魅力を持っているとされています。
たしかに魅力的なまちの名前が連なってますね。
そしてこのランキング表をみてぱっと目に付くのは、北海道と神奈川県という文字。
そして全体的に西日本のまちが少ないなぁというところです。
このあたり空き家率の傾向とは逆の傾向があるかと思います。
先日の総務省の調査によると、2023年時点で日本全体の空き家率は約14%に達しています。
皆さんもご存知のように、この数字は年々増加しており、特に地方部ではさらに深刻な状況です。
少子高齢化や都市部への人口集中が主な要因として挙げられていますが、こうした背景が地域の魅力にどのように影響を与えるのでしょうか。
3. 魅力度と空き家率の関連性
高魅力度都市の特徴
魅力度ランキングで上位にランクインする都市は、インフラ整備が進んでいるだけでなく、住環境や文化的な魅力が高く評価されています。
例えば、東京23区や横浜市、京都市などが挙げられます。これらの都市は人口増加が見られ、空き家率が低く、住宅需要が高いことが特徴です。
空き家率が高い地域の共通点
一方で、空き家率が高い地域は、ランキングが低い傾向（あくまで傾向）にあります。
特に人口減少が進む地方部では、産業の衰退や若年層の流出が深刻化しており、空き家が増加する要因となっています。
仕事環境をふくめた地域力が低下し、居住者が減ることで、さらに空き家が増えるという負のスパイラルに陥っているのが現状です。
ただ、魅力度ランキングが高い地域が空き家率が低いかというと、そうでもないんです。
ちなみに魅力度ランキングで1位の函館市の空き家率は 16.6%で 2位の札幌市が11.9% 、また3位の京都市は「空き家税」の導入が予定されているほど空き家問題が深刻な地域です。京都に関してはちょっと特殊な事情もありますが・・
4. 空き家率が増加する理由
都市部と地方の人口移動
都市部への人口集中は、地方の空き家問題を加速させています。
若年層を中心に、就職や進学を機に都市へ移動し、その結果、実家や祖父母の家が空き家になるケースが多く見られます。
また、地方での産業が衰退し、働く場が少ないため、若者が戻ってくることが少ないことも要因です。
少子高齢化の影響
少子高齢化も空き家率の増加に大きく寄与しています。
高齢者が亡くなると、家を相続する人がいない、または相続したとしても住む予定がないため、家が放置されるケースが多くなっています。
こうした背景が、特に地方部での空き家率の上昇を引き起こしています。
5. 空き家問題への対策と今後の展望
政府や自治体の取り組み
政府や地方自治体は、空き家問題に対する対策を進めています。
例えば、空き家の活用を促進するための法改正や、税制優遇措置、空き家バンクの運営、最近では二地域居住の推進などが行われています。
特に空き家バンクや二地域居住は、都市部から地方への移動や移住を促進するための有効な手段として注目されています。
不動産市場への影響
空き家問題は、地域の不動産市場にも影響を及ぼします。
空き家が増加することで、外部不経済とよばれるような、地価が下落し、地域全体の価値が低下するリスクがあります。
一方で、空き家をリノベーションして賃貸や販売に活用する動きも増えており、不動産市場の活性化に繋がる可能性もあります。
6. 今後の課題
市区町村魅力度ランキングと空き家率の関係は、地域の魅力や住みやすさが人口動態に影響を与えていることを示しています。
高い魅力を持つ地域は人口増加が見られる一方で、魅力の低下した地域では空き家が増加する傾向にあります。
そういう意味では空き家の価値や価格について大きな二極化がすすむだろうと思います。
今後は、空き家問題に対する具体的な対策をさらに推進し、地方の魅力を再評価する取り組みが必要です。
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