いろんなドラマがある、空き家対策に関する実態調査結果報告書
空き家になるタイミング、それは多くの場合「相続」が関係してます。その相続で最近相続放棄する事案が急増しているといいます。
相続放棄とは、被相続人の財産に対する相続権の一切を放棄することです。
放棄の対象となるのは、被相続人のすべての財産であり、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、負債などのマイナスの財産も含まれます。そのため、相続を放棄した場合、プラスの財産もマイナスの財産もいずれも相続人が承継することはありません。
この傾向が放置された空き家を増加させる要因にもなります。
今後住む予定もないし、家を修繕しても、その後維持費やその他色々とお金がかかってくることなので いっそ相続放棄を選択するということです。
そうなると放置された空き家の劣化は加速し、特定空き家の認定という事になり、最終的に代執行で除却という事になります。
そもそも代執行とは所有している空き家が特定空き家と認定された物件に対して、所有者に代わって行政が強制的に解体する場合に行政代執行となります。
また、その物件が所有者を特定できない場合に略式代執行となります。
費用の徴収に関して、
行政代執行・・空き家の所有者から強制徴収
略式代執行・・いったん自治体が負担して、所有者が確定した段階で請求。
相続放棄が増えるという事はこの略式代執行が増えるという事です。
少し前の資料ですが、総務省の行政代執行・略式代執行取組事例集 を見てみると自治体のみなさんの苦労の跡がよくわかります。
48件の事例について周辺環境や所有者の状況、代執行にいたるまでの経緯やその裏で苦労したことなどが詳細に書かれています。
当然といえば当然ですがこれらの物件、代執行にいたるまで一件一件事情や環境、関係者がちがいます。
周辺で先行事例がないと、手探りで進めないといけない自治体もあり、苦労されたのがよくわかります。
興味のあるかたは一度目を通してみることをおすすめします。それぞれにいろんなドラマがありますよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?