アルベルゴ・ディフーゾがこれから盛り上がりそう
以前から注目されていたアルベルゴ・ディフーゾが、コロナ明けの様々な地方で盛り上がりそうです。
アルベルゴ・ディフーゾとは、イタリア語で「分散したホテル」という意味。町の中に点在している空き家をひとつの宿として活用し、町をまるごと活性化しようというものです。
地震の被害を受けた集落の再構築を目指した取り組みがきっかけで、日本の旅館のサービスがヒントになったともいわれ、サルディーニャ島から始まり今では約150軒あるといわれています。
まちにレセプション(受付)があり、そこでチェックインした後、まちなかにある部屋の鍵を受け取ります。夕飯や朝食はまちの中の決められたレストランなどでとる。
これまで続いてきた家、人、文化を大事にすることで、まちの本来の景観を維持しながら地域が一体となってもてなす仕組みです。
アルベルゴ・ディフーゾ10の決まり (公式HPから引用)
1.【経営形態】1つの事業者が、一括して経営・管理していること。
2.【ホスピタリティのクオリティ】宿泊施設として、プロフェッショナルで心のこもったサービスを提供していること。
3.【建物と地域の規定】既存の建物を再利用したものであること。またそれが以前から人が暮らしてきた村や町に存在していること。
4.【施設】飲食サービスを伴う食事処、レセプション、共同スペース、喫茶やバーコーナーなどの施設がもうけられていること。
5.【建物間の距離】建物間は宿泊客の移動が負担にならない距離にあること。レセプションのある母屋と別棟との距離は200m以内を目安とする。
6.【地域】活気あるコミュニティづくりに寄与すべき存在であること。町にせよ集落にせよ無人であってはならない。
7.【環境】ありのままの環境があること。直面する現実と、地域の文化が融合していること。
8.【アイデンティティ】地域の伝統的なアイデンティティを大切にし、それらが安定してサービスに反映されていること。
9.【地域性】地域や地域文化と一体した経営であること。
10.【連帯感】アルベルゴ・ディフーゾとしての誇りと、アルベルゴ・ディフーゾ同士の連帯意識を持って活動すること。
日本でも2018年にアジア初のアルベルゴ・ディフーゾとして、岡山県小田郡矢掛町の「矢掛屋」が正式認定されました。
またイタリア式のこの地方再生の仕組みを日本で展開するために、2019年6月11日には、イタリア以外で初めての協会支部となる
「アルベルゴ・ディフーゾ・ジャパン」(ADJ)が岡山で発足したというのも地方にとって勇気がわくことだと思います。
新型コロナウィルスの影響で、テレワークやワーケーションといった働き方が広がるとともに、都心から人の分散もひろがりました。
ユニークな人財が地方に移動することで、地域資源との化学反応がおこり、今までなんとなく見ていた景色が、見る人によってこんなに違うものかとおもうことでしょう。
個人的にも、お向かいの県にこんなに魅力的な活動の拠点があることが、うれしいですしうらやましいです。
安心して移動や旅行ができるようになったらぜひ視察がてら遊びにいきたいと思います。
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