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空き家管理の現場におけるシルバー人材の活用法とは。

最近、自治体がシルバー人材センターと空き家管理の提携をするといった話を聞きます。
空き家管理士協会も自治体とシルバー人材と3者で空き家管理の協定を結んでいたりはしますが、「自治体とシルバー人材との2者連携」は正直いかがなものかと思います。  

シルバー人材センターとは、地域の高年齢者に就業を提供して生きがいのある生活を実現、またボランティア活動などさまざまな社会参加を通じて、地域社会の活性化や福祉の向上に貢献する組織のことです。

シルバー人材に仕事を依頼することは、その経験と知識を活かした新たな雇用の形態として注目されています。しかし、メリットとデメリットを理解することが重要です。
この記事では、シルバー人材に空き家管理を依頼することのメリットとデメリットについて比較し、その適切な活用法を考察します。

目次

  1. メリット

    • 1.1 経験と知識の活用

    • 1.2 管理費用を安く抑えられる可能性がある

  2. デメリット

    • 2.1 テクノロジーへの適応性の差

    • 2.2 健康面への配慮

    • 2.3 臨時巡回の対応が出来ない

    • 2.4 個人情報等コンプライアンスの不安

  3. シルバー人材の空き家管理での活用法

  4. まとめ

1. メリット

1.1 経験と知識の活用

シルバー世代は長年の経験と知識や情報を持っています。彼らの豊富な経験は、空き家管理においても比較的安価で所有者に安心をもたらす可能性があります。
また、シルバー世代は地域における様々な情報を持っていたり、情報を収集する能力も備えているため、空き家問題の解決に寄与する可能性もひめています。

1.2 管理費用を安く抑えられる可能性がある

シルバー人材センターはわれわれのような専門業者よりも安い値段で利用できると感じている人が多いかもしれません。

しかし、安さにひかれてシルバー人材センターを利用すると、結果的に高くついたり、思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。

理由として、作業にあたるスタッフが高齢者であるため、ひとつひとつの作業にかかる時間が若い人よりも長くなる傾向があること、現役世代ならば一人でも完了できる作業を複数人で進めることが挙げられます。

2. デメリット

2.1 テクノロジーへの適応性の差

シルバー世代の中には、最新のテクノロジーについていけない人もいます。これが仕事の効率性や品質に影響を与える場合があります。空き家管理の現場でもスマホの活用などデジタル化が進んでおり、必要な場合は、適切なトレーニングやサポートが必要です。

2.2 健康面への配慮

シルバー人材は健康面に関する不安を抱えている場合があります。また最近ではシルバー人材センターでの事故も深刻化しています。
庭木の剪定や草刈りなど、リスクが高い野外の作業で重篤事故が相次ぎ、適切な健康管理や労働条件の配慮が必要になります。

2.3 臨時巡回の対応が出来ない

1年を通して空き家管理を行う中で、何度か台風や突風、地震などの災害に見舞われることがあります。
特に台風の季節は、台風上陸や接近などの際に、臨時巡回で被害の有無を確認することが、所有者のみなさんにとっての大きな安心感であり、ここに空き家管理を依頼しているメリットがあるとも言えます。
残念ながらシルバー人材センターではこういった臨時巡回に対応することはできません。

2.4 個人情報等コンプライアンスの不安

空き家管理はお客様の家のカギを預かって自宅を管理するという、かなり大きな信頼関係の上に成り立っています。
外回りのみの管理であっても、お客様のいろんな情報を管理しているといえます。
先日も空き家バンクの委託を受けているNPOが個人情報の漏えいをしてしまったという記事が出ていました。
そんな中で担当者ではなくいろんな人が管理をするとなると、どうしても個人情報等コンプライアンス的に徹底することが難しいといえます。

3. シルバー人材の空き家管理での活用法

シルバー人材を活用する際には、彼らの経験と知識を活かしつつ、体力的・精神的に負担が大きくないような作業を委託することが大切です。
以前空き家管理士協会が協定を結んでいたケースでは、シルバー人材センターが主に草刈りや枝の剪定などの作業を、空き家管理士協会が屋内の管理をするというすみ分けをしていました。
自治体としても、日々の管理や建物の修繕などの対応は空き家管理士が行い、草刈りや剪定などの作業はシルバー人材が請け負うというのがいいかと思います。

4. まとめ

シルバー人材に作業を依頼することは、その経験と知識を活かした新たな雇用の形態として魅力的です。しかし、テクノロジーへの適応性や健康面についての配慮は必要です。
また、シルバー人材が今後全体的に会員数が減っていくこと、作業を行う平均年齢がどんどん上がっていくことを踏まえて、自治体とシルバー人材センターでの協定ではなく、核となる専門家を入れる形で、お互いに負担が大きくならない作業を担当するという事が必要です。

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