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【空き家の現場で16年】肌で感じたいろいろな変化とこれからの事 その4

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空き家バンクを運営している自治体の方とお話すると同じような悩みがあることに気づきます。

空き家はどんどん増えているのに、空き家バンクへの登録物件が増えないということ、また、すぐに使える物件が少ないということです。

以下の記事に書かれているように、自治体が「空き家バンク」に登録された物件の状態を平時から確認する作業を、適正な管理にまで広げると登録物件の増加と災害時の流用がスムーズに行えると思います。

以前、空き家管理士協会のメルマガで以下の記事を書きました。

~空き家活用も提言 震災時の住宅修理支援内閣府検討会~ 

 南海トラフ巨大地震などの大災害が発生した際の住宅問題について話し合う内閣府の有識者検討会は29日、報告書をまとめました。個人が所有する空き家を被災者の住まいとして活用することや、自宅を応急修理して住み続ける住民への支援策のあり方を提言いたしました。内閣府は報告書を受け、具体的な仕組みづくりの検討に入ります。
 内閣府の試算などによると、南海トラフ巨大地震で全壊する建物は最大239万棟に上り、最大205万戸の仮設住宅が必要になると想定されます。首都直下地震では最大61万棟が全壊、仮設住宅は最大94万戸が必要になる見込みで、住まいの大幅な不足が懸念されています。
 有識者検討会は報告書で、東日本大震災の際に被災者が親族から物件を借りて入居するケースがあったことなどから、個人所有の空き家を災害時に活用できる可能性が高いと評価、「空き家・空き室を活用し、応急借り上げ住宅として積極的に供給していくことが必要」としています。
 空き家を災害時に素早く提供するため、自治体が必要な手続きのマニュアルを定め、業務の進め方について、官民で訓練を実施する必要があると強調、自治体が「空き家バンク」に登録された物件の状態を平時から確認する必要性も訴えました。
 検討会は、被災者が可能な限り自宅での生活を続けられるよう、災害救助法に基づく住宅の応急修理を促す必要があると指摘。都道府県が相談体制を整備したうえで、被災者が事業者選びの参考にできるよう、対応できる工事の種類などを記した指定業者のリストを整えることを求めました。
 災害時は、被災者が一時的な住まいで長期間の避難生活を余儀なくされる恐れもあります。このため検討会は、仮設住宅の有効活用策にも言及し、住みやすいように改修したり、個人の敷地内に建設したりする案や、長期間の居住に耐えられるよう、住宅の基礎を鉄筋コンクリートでつくるなど、最初から強固な構造で建設する案を提示しました。
今後は自治体が所有する空き家バンクの登録物件に対して、適正な管理をしていつでも災害に備えられるようなセイフティネットとしての役割が増えてくるものと思われます。

空き家管理士協会メルマガより

みなさんもご存じのとおり、日本は自然災害頻発国です。毎年のように大型台風や集中豪雨などの自然災害が発生しています。

1 震災などの災害時の空き家活用


そんな中、被災者が生活を営むことになる「避難所」について、テレビなどで避難所の光景も何度も目にしてきましたが、いまだに体育館や公民館で雑魚寝という避難所が多いのが実情です。
 2016年の熊本地震では、災害そのもので亡くなる直接死よりも、その後の避難生活の環境悪化などを理由とした関連死の方がはるかに多く、直接死の4倍程度にものぼったといわれます。
 
地震の後で体調を崩すなどして死亡に至った「震災関連死」のうち45%にあたる95人が避難所生活や車中泊を経験していたといい、それが今度はエコノミークラス症候群などの新たな問題につながっているといえます。

空き家管理士協会ではこのような現状を少しでも改善するべく、社会実験を行いたいと考えました。
 
まずは、自分の所有している空き家・留守宅などを避難所に使ってもいいよ、という方の数や地域などの調査を行いました。
この調査はネット使ったリリースのみで、ある意味、興味のある人にしか届きませんでした。

結果は自治体や、マスコミ関係からの問い合わせはありましたが、自ら進んで手を挙げてくれた方は5人でした。

リアルでこちらから空き家の所有者の方に、「こういった(避難所のような)使い方をしたいのですが」とお話すると、ほとんどの方は「それならいいですよ、使いたい時は言って下さい」といってくれるのですが、中には「家財道具が置きっぱなしだから…」といって断られるケースもありました。

空き家で不用品とされているものでも災害時には体を温めたり、飲み物を分けて飲むための器となります。

神奈川県のある自治会の会長さんからは、「役所が指定しているいまの避難所の広さでは自分の自治会のみんなを避難させることができない。ぜひ自治会内にたくさんある空き家を使ってこういった場所にしたいのです」、との相談もうけました。

こちらの自治会では、空き家を所有者されている方の理解も得て、行政や地元議員さんを巻き込みながら一歩ずつ進んでいってます。
高齢化がすすみ、お年寄りが多くなると避難場所までの移動がかなりの負担になります。
自治会内の近所にいくつか避難場所があると、急な災害にも慌てず安心して避難することができます。

これには当然、建物自体の強度や、通常時の維持管理やランニングコストなど、クリアしないといけないいろんな問題もありますが、今ある空き家バンクとうまく組み合わせることで新しい未来が見えてくると思います。

空き家管理士協会では、今後もこのような社会実験を実施していきたいと思いますので、お目にかかったときにはぜひ目を通していただき、できればご協力いただけると幸いです。


また、同じメルマガで以下の記事も紹介しました。

~民泊新法、来年6月施行へ 観光庁が方針固める~ 

空き部屋や空き家を有料で貸し出す「民泊」のルールを定める住宅宿泊事業法(民泊新法)について、観光庁は来年6月に法律を施行する方針を固めました。事業者(ホスト)の事前登録の受け付けも来春ごろから始まる見込みです。
民泊新法は全国的に民泊を解禁するもので、民泊事業者(ホスト)が都道府県や市町村などの地方自治体に「届け出」を行うと、年間180日を上限に合法的に民泊が実施できるようになります。運用代行会社などの管理業者は国土交通省に、Airbnbなどの仲介業者は観光庁に「登録」をして事業を行う形となります。
民泊新法は今年6月9日に国会で成立、6月16日に公布されていました。施行時期については、公布から1年以内と定められていて、当初は早ければ今年1月にも施行される見込みだとの見通しも報じられていました。
当初は参入を目指す民泊事業者などからも早期の施行を求める声が上がっていましたが、施行開始期限となる来年6月を待ってスタートをする形となったのは、地方自治体への配慮が背景にあるとみられます。
民泊新法では年間180日が営業日数の上限となっていますが、各自治体が条例でその営業日数をさらに短縮できると定めていることから、観光庁は自治体にも準備期間として一定の時間が必要だと判断したとみられます。
民泊をめぐる法律については、9月25日からの最終週にも召集される見込みとなっている秋の臨時国会で、違法民泊への罰則強化を主旨とした「旅館業法の改正案」の審議も開始される見込みとなっています。
いよいよ民泊に関するガイドラインが固まってきました。
今までグレーゾーンで進んでいた民泊もこれで一気に加速しそうです。
それに伴って、立地条件の良い空き家は人気が一気に出てきそうですね。

空き家管理士協会メルマガより

2 「民泊新法」見直しによりゲストハウスは戻ってくるか

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