実家の問題について、「相続放棄」した後も残る管理義務とはどんなものか。
今年のお盆は行動制限もなく、久しぶりに実家に帰省された方も多いかと思います。
久しぶりに帰った実家が草が伸びていたり、生け垣が伸びていたり、外壁が傷んでいたりして、慌てて応急処置などにおわれた方もいるでしょう。
実際僕のところにもこのようなケースの相談があり、草刈りや剪定、屋根や雨樋の修理や外壁修理などを依頼いただき、順次見積もりしているところです。
なかには、今後も続く実家の問題について、改めて考えさせられるきっかけになった方もいるとおもいます。
いろんな状況をトータルで考え最終的に、「相続放棄」という選択をすることもありますが、空き家の問題は相続放棄してもなかなか解決しません。
相続を放棄したので、空き家に関する特措法も自分には関係ない、と思われているかたが多いですが実際のところはどうでしょう。
今回、空き家管理士協会も顧問契約を結んでいる、ベリーベスト法律事務所の弁護士さんが実家を相続放棄する方法や、相続放棄した後の空き家管理の問題などについて詳しく解説してくれています。
こちらからご覧ください。
民法第940条第1項には「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」とあります。
空き家を相続放棄した場合、他に相続人がいれば問題はありませんが、全員が相続放棄した場合、その空き家は、「相続人のあることが明らかでない」状態になるため、法人化し(民法第951条)、相続財産の管理人の選任が必要となります(民法第952条第1項)。
つまり、相続財産管理人が決まるまでの間に空き家が倒壊したり、放火やごみの不法投棄などが発生して近所とトラブルになった場合、相続放棄をした人が責任を負わなければいけないということです。
また、相続放棄をした法定相続人は,「所有者」には該当しませんが,この場合でも,相続財産管理人が選任されるまでの間は,自己の財産と同一の注意義務をもって管理する義務があり,「管理者」に当たると考えられています。
空き家等対策の推進に関する特別措置法は,空き家等の「所有者又は管理者」に対し,周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう,空き家等の適切な管理に努めるべき責務を課しています。
つまり役所の指導に従わずに代執行の処分を受けた場合、解体費用の請求は管理者である相続人に行われるということです。
相続を放棄すればそこですべての煩わしいことから逃れられると思いがちですが、実際はそう簡単にいかないのですね。
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