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改正空き家特措法と市町村

昨年(令和5年)の12月に、日本全体に見られる空き家問題に対処するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」、いわゆる「改正空家特措法」と呼ばれる法律が施行されました。

それが、各市町村の現場において現状がどうなっているか、ある市の空き家担当課の方にお聞きする機会がありました。
かいつまんでお伝えいたします。


管理不全空家

これまでは、崩壊寸前のような状態にならなければ、行政として具体的に介入することが難しい状況でした。

それが、これからは、このままではそうなってしまうおそれのある空家について、所有者に指導・勧告ができることになり、そうされた所有者には固定資産税の特例(1/6等に減額)が解除されることになりました。

その市では、年度が改まった令和6年4月1日に「管理不全空家認定基準」を改正し、翌月5月に早速1物件をそれに該当するとして認定したとのことです。

まずまずのスタート、という感じです。

空家等管理活用支援法人

今回の特措法のキモというべきものが、この法人の創設です。
これは、市町村が民間団体の力を借りて、空き家所有者をサポートしていこうというものです。

活動内容としては、所有者・活用希望者への普及啓発や情報提供、相談対応、空家管理、所有者探索、市町村への提案などがありました。

この支援法人になれる対象として、NPO法人や社団法人という例が出ていました。
もちろん、株式会社のような営利団体を除外していませんが、この書き方からすると、最初から商売っ気丸出しはご遠慮願いたい、というところでしょうか?

担当者は、この点については、市の空家等対策計画の見直しと併せて、方針を決定してからになる、と言っていました。
調べてみると、結構、このスタンスである市町村が多いようです。

空家等活用促進区域

これは、再建築不可の条件である接道規制を緩和して、幅員4㍍未満の道路に面している建物でも、建替えや改築ができるエリアを特別に認定する、というものです。

ちなみに、この制度については、以前の記事で少し詳しく説明しています。

ほかにも、用途制限市街化調整区域についても、空家活用が進むよう配慮されるということもありました。

確かに、こうでもしないと、利活用が進まないということはあるかと思います。

担当者は、現時点では空き家が点で存在し、面的に集積して発生していないので、まだエリア指定の段階ではないものの、協議はしていく予定とのことでした。


少しずつですが、空き家問題解決に向けて、物事が動いているようです。
皆さんのお住まいの市町村はいかがでしょうか?