「異文化との出会いが教えてくれたこと」
日本で生まれ育つと、どこかで「自分のやり方が一番自然」という感覚が無意識のうちに形成されている気がする。礼儀、価値観、行動の仕方、考え方——これらがすべての「常識」として受け入れられ、それが自分の基準になる。でも、旅をしてさまざまな国の人たちと交流するうちに、僕の「当たり前」が他の人々にとっては全く違う意味を持つことに気づいた。
アメリカのサンディエゴでの留学中、最初にその違いに出会った。友人たちはみな、異なる背景や文化を持っていて、彼らとの会話はいつも新鮮だった。例えば、アメリカでは自己表現が重要視され、自分の意見をしっかりと述べることが当たり前とされている。彼らは自分の考えを堂々と話し、逆に僕にも「自分の考えを聞かせて」と積極的に求めてくる。日本では周囲との調和や空気を読むことが重視されるのに対し、ここでは「自分はどう思うか」が重要視されている。この違いに驚きと心地よさを感じた。俺は基本的に日本では自分の意見を言える方ではあると思っていたが、歳を取るうちにその能力が衰えていた事に気づきまたお互いが意見を言い合える環境にとても心地よさを感じたのである。そこで改めて、「自分の意見を言う」ことがどれほど大切なのかを実感した。
また、ヨーロッパを訪れたときには、個人の自由と生活の充実を重んじる文化に触れることができた。友人たちは、仕事とプライベートをしっかりと分け、趣味や家族との時間を大切にしている。彼らは「人生を楽しむ」ことを真剣に考えているんだ。僕もその価値観に影響され、自分のライフスタイルについて改めて考え直す機会となった。
アジアの国々を旅していると、また別の価値観に触れることができた。例えば、台湾では家族やコミュニティの繋がりが非常に強く、お互いに助け合う文化が根付いている。彼らはどんな時でも笑顔で、日々の小さな幸せを大切にしているように感じられた。そんな姿を見て、「幸せ」というものの捉え方がまた一つ広がった気がする。
こうして異なる文化や価値観に触れることで、自分自身を新たな視点から見つめ直すきっかけとなった。それは、単に「違う文化を理解する」という以上のものだった。むしろ、「自分が何を大切にしているのか」を知る旅でもあったんだ。
今では、異文化に触れるたびに、自分の視野が広がり、世界の豊かさに気づかされる。そしてその違いを受け入れ、お互いを尊重することが、自分にとっての「成長」だと感じるようになった。
この記事を読んでくれているあなたも、もし異文化に触れる機会があるなら、その違いを楽しみ、自分にとって新しい価値観や視点を発見する旅をしてほしい。きっとそれが、自分自身をより深く知るための一歩になるはずだ。
終わりに
この記事が、異文化の面白さや価値に興味を持ってもらえるきっかけとなれば嬉しいです。
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