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闇夜を歩く

富岡町の夜の街灯は少ない。特に中心部から夜ノ森の方に行く道の街灯はまばらになり、暗い道のが多い。初めて歩いた時は獣か出るかなとか不安もよぎったが、今ではむしろ東京など都心ではなかなか体験できない闇夜のウォーキングを気に入っている。

闇夜の記憶と言えば、小学校の時に行ったキャンプで山の中に一人で一晩を過ごすソロキャンプというのがあった。車に乗せられ目隠しをされて車で20分ほど連れ回され、降ろされたところで1人野営をするというもの。装備は懐中電灯、ナイフ、水、軽食、ロープ、寝袋、ブルーシート、ホッカイロのみ。夏とはいえ涼しくなる山中で1人で過ごす夜は本当に怖かったのを覚えている。明け方目を覚ますと実は自分達のベースキャンプの裏側であり、スタッフが夜通し見回りをしてくれたのを知るのだが、1人で山の中で一晩を越せたというのは自分の自信になった。

闇があるから光が際立つわけではないが、気配のない静かな暗闇を歩けるのは小さな喜びとなっている。

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林曉甫 / HAYASHI Akio
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